ジチタイワークス

北海道釧路市

人生100年時代を生き抜くFP資格で、公私ともに自分の価値を向上させる。

ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)の専門分野は幅広く、自治体業務と重なる分野も多い。さらに人生100年時代に役立つ資格として、近年、注目度が高まっているという。釧路市(くしろし)職員であり、有資格者でもある星野さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.23(2022年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]NPO法人日本FP協会

“家計戦略”のプロとして福祉を要する住民を支援する。

結婚や子どもの進学、あるいは離婚や介護などにより、家計が急激に変化するケースは少なくない。特に病気による長期療養など、予期せぬライフイベントの発生には注意が必要だという。“家計の収支バランス”を適切に保つことができなくなり、生活保護など自治体による福祉支援が必要になることが多いからだ。

そのため対応する職員には、ライフイベント全般に関する幅広い知識が求められる。中には、保険や年金、税金など、FPの専門分野と重なる内容も多いのだとか。

査察指導員として同市の生活保護業務を担当する星野さんは、FPの有資格者。FPの視点からいうと、ライフステージに合わせた助言は早め早めが肝心なのだそう。

「例えば生活保護の受給家庭に子どもがいる場合、“進学でこれくらいのお金が必要になるので、今のうちからこれくらいためる準備をしましょう”と、かなり早い段階から注意を促します。今だけでなく、近い将来を見据えたアドバイスで、その後の選択肢が増えることもあるのです」。

資格の取得で終わらせないため協会支部が学びの場を提供する。

星野さんがFP資格を取得したのは、前職の郵便局員時代のこと。「保険や貯金など業務に直結する上、当時は民営化で先行きが不透明な状況でした。そこで自己啓発の一環として、FPの幅広い知識を取得しようと一念発起したのです」。

FP資格には国家資格であるFP技能士と「日本FP協会」が認定するCFP®資格とAFP資格がある。国家資格と協会資格の違いは更新の有無。法律や制度の変更に対応するため、協会資格には2年ごとの更新が義務付けられている。資格の更新に必要な最新情報を会員がキャッチアップするにあたり、大きな役割を担うのが、同協会が全国に展開する50の支部だ。

「社会情勢が激変する今、知識と技能の継続的なブラッシュアップは欠かせません。更新では金融・不動産・保険など6分野に関する研修を受ける必要があり、各支部では独自の継続教育研修会を行っています」。

支部活動では教育・学習の機会を通じて、FPに関する最新の情報や人脈を得ることができる。
 

この継続教育研修会とともに、支部活動のメインとなるのが、自主的な勉強会であるSG(スタディ・グループ)だ。星野さんが支部長を務める道東支部には2グループのSGがあり、それぞれ自分たちが興味のある学習テーマを設定。年間4~5回のペースで勉強会を実施しているという。

支部活動で人脈を構築し、FP視点で第二の人生を考える。

支部活動は全て、会員たちによるボランティアで運営されている。無償にもかかわらず、積極的に活動する意義を問うと、「知識だけでなく人脈を得られること、これに尽きます。支部の会員には、金融や保険など一般企業のビジネスパーソンから、弁護士や税理士、社労士など、異業種の人がたくさんいます。また、講習会の講師としてお招きした経済人など、支部活動がなければ出会えなかった著名人と話す機会にも恵まれました。こういった様々な人々と交流することで、おのずと視野も広がります。特に自治体職員は、行政関連以外の人と親しくなる機会が限られますから、支部活動を通じて築いた人脈は“財産”です」。

人生100年時代においては、退職後を単なるリタイアメントとするか、第二の人生とするかが問われているという。「その際、重要となるのがFPの視点です。数年先さえ見通せない今、公務員が安定した職業であり続けるとは限りません」。先の見えない時代において、この先の人生を自分らしく歩むため、生きる上で欠かすことのできない“お金”の知識が必要だと星野さんは訴える。

釧路市 福祉部 社会援護課
課長補佐
星野 高志(ほしの たかし)さん

視野を広げて人生の選択肢を増やす、これからを生きるためのFP資格。

ここ数年、協会資格であるCFP®資格とAFP資格の認定者は増加傾向にあるという。お金のプロであるFP知識の有用性に加え、支部活動により知識やスキルを磨く協会資格が注目されている。人生100年時代において、その重要性は高まるばかりだ。

知識と技能を磨く日本FP協会の支部活動

継続教育研修会

法律や制度の新設・変更に伴う知識の習得やアドバイス方法などを学ぶために、各支部が主催。協会の要件を満たした研修会を受講すると、資格更新に必要な単位として認定される。

SG(スタディ・グループ)

各支部には、会員が自主的に所属するSGが複数ある。“より深く学びたい”テーマにもとづき、それぞれが相互学習型のセミナーや外部講師を招いた講演会などを開催している。

自治体業務で進むFP派遣

1.生活困窮者やひとり親家庭への支援

講師や相談員としてFPを自治体へ派遣し、対象者向けのセミナーや相談会のほか、職員向けの勉強会などを行う。社会的自立や周囲との関係性回復など、様々な福祉的アプローチで住民をサポートする。

生活困窮者家計改善支援事業における令和3年度実績:456件(18自治体)

2.移住・空き家対策に関する取り組みへの支援

自治体が取り組む移住促進や空き家対策事業において、しばしば障壁となるお金の問題。各自治体のほか、一般社団法人やNPO法人などの現場では、お金のプロであるFPのニーズが高まっているという。そこでFPを派遣し、移住セミナーや相談会などを開いている。

3.様々な行政分野で活躍するFP

FPが支援できる行政分野は幅広い。医療・介護サービスを利用する高齢者向け「金融コンシェルジュ」をはじめ、地震や豪雨といった自然災害の被災者に対する支援事業なども行っている。

先が見えない時代に求められる資格です!

これからの時代を生き抜くために、様々な分野で役立つCFP®資格およびAFP資格を目指しませんか?協会の支部活動を通じて、法律や制度の新設・変更に関する知識をキャッチアップ。現場で役立つ実践的な資格だと自負しています。

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お問い合わせ

サービス提供元企業:NPO法人日本FP協会

TEL:03-5403-9700
住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス5F
E-mail:info@jafp.or.jp

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