新型コロナウイルス感染症の影響により離職者が増える中、経済回復のためにも雇用情勢を改善していきたい自治体は多いだろう。その試みとして、令和3年に滋賀県が官民連携で行った“雇用型職業訓練”のプロジェクトについて話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社スタッフサービス
多くの雇用を生み出すため官民連携で進めることに。
令和2年、コロナ禍の影響による解雇や雇い止めなどで離職率が高まりつつあった同県。「離職者が増えることを見越して早急に対応しなければならない状況下で、雇用施策として新たな職業訓練の実施を検討しました」と大橋さんは振り返る。同県でも民間教育訓練機関への委託や県立施設で職業訓練は行っているものの、主にものづくり分野の職種や事務職・介護職などに限られている。
そこで、さらに民間企業の力を借りれば、もっと職種の幅を広げられるのではないかと考え、より多くの雇用に結びつく就業支援に向けたプロポーザルを行ったという。
その結果、「スタッフサービス」の提案による“しがキャリアプロジェクト”の実施が決定した。「決め手になったのは、人材派遣会社の大手として様々な分野の企業とマッチングするノウハウをもっていること。また、当県にも同社の事業所があるため、密に連携ができることでした」。プロジェクトの進行管理は同県が担い、求職者の募集・選考から教育・実習、雇用創出に至るまでを同社に委託することになった。
定員以上の応募者が参加し、約8割の雇用につながった。
プロジェクトはコロナ禍の影響による離職者を対象に、令和3年7月と11月に募集を開始。2回とも、定員に対して倍以上の応募があったという。実務経験の年数や勤務時間に制限のある人に合わせて3つのコースを用意し、最初の1カ月間はPC操作や電話対応などビジネススキル向上のためのオンライン研修を実施。その後は、求職者の希望と能力を照らし合わせ、同社のキャリアカウンセラーと相談の上、マッチングした企業で2カ月間の実習を行った。
「求職者への教育とフォロー体制が整っていて、さすがだなと思いました。3カ月間はスタッフサービスの派遣スタッフとしての雇用でしたが、その後、実習先企業の直接雇用に切り替わるケースもありました」と大橋さん。実習後は、140人の求職者のうち、派遣を含む111人の雇用が決まったという。
求職者の研修・実習期間の給与は事業費の一環として支払われるため、実習受け入れ企業は金銭的負担がなく、直接雇用の前に人材の見極めが可能だ。「求職者も給与を得ながら望み通りの再就職を目指せるだけでなく、研修でビジネススキルを磨くことができ、この機会に新しい仕事にも挑戦できるというメリットがありました」。
最終的には、就職率79.2%の雇用を創出することができ、同県としても満足のいく結果になったそうだ。
派遣へのイメージを変えて誰もが自分らしい働き方を。
派遣という雇用形態に先入観をもつ人もいるかもしれない。しかし、多くの企業で働き方改革が進み、個人の多様な働き方が広がる昨今、派遣も1つの選択肢といえるだろう。実際に今回のプロジェクトを通して、派遣に対するイメージが変わったのだという。
「直接雇用に向けて、まずは派遣スタッフとしてしっかり経験を積むのも、働き手にとって有効な手段の1つだと思いました。また、特に経験やスキルが足りない方、そして社会にとっても、一人ひとりの働き方に寄り添って支援してくれる派遣会社は、有意義な存在だといえるのではないでしょうか。私たちが普段行っている職業訓練も、見習うべき部分があると感じました」。
“変わる滋賀、続く幸せ”を基本理念として、誰もが自分らしく生きていける社会をつくることを目標に掲げる同県。これからも、産業と経済の回復・発展を目指し、県内企業の支援を行っていくという。今回のプロジェクトで手応えを感じた大橋さんも「属性に関わらない全員参加型の社会を目指し、今後も雇用対策に取り組んでいきたい」と力強く語ってくれた。
滋賀県 商工観光労働部 労働雇用政策課
参事 兼 能力開発支援係長
大橋 章展(おおはし あきのぶ)さん
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1.全国展開と幅広い分野の人材派遣が可能
47都道府県に拠点をもち、事務、技術者・ITエンジニア、医療・介護、製造と業種・職種の幅広さが強み。自治体だけで行うには限界があるからこそ、民間に委託することで多様な雇用支援が可能に。
2.教育システム・実習体制が整っている
教育プログラムのほか、PCを貸し出して行うオンラインのスキルアップ研修も可能。研修時間外にもe-ラーニング講座が24時間活用でき、求職者自身でのスキルアップが目指せる環境も提供。未経験でもスムーズに業務へ移行できるよう、キャリアカウンセリングや適性に合わせたマッチングなど、経験を活かした支援が充実している。
3.求職者に寄り添う手厚いフォロー体制
求職者の不安に寄り添い、新しいことに挑戦しやすくするサポートを実施。加えて、派遣先企業に直接言いづらいことは同社が間に入って交渉するなど、就業後のアフターフォローも担当。心配事を解消することにより、その後の直接雇用に結びつきやすくなる。
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