ジチタイワークス

東京都八王子市

脳と体の健康維持アプリ活用で持続可能な高齢者支援制度へ。

アナログ作業の多かった既存の高齢者支援制度をデジタルへ移行させ、持続可能なものへ変革を試みる八王子市。現在、脳と体の健康維持アプリを活用した実証実験を開始して3カ月が経過した。同市が感じている成果と、今後の展望とは。

※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社べスプラ

増え続ける高齢者の健康支援を持続させるICT活用の取り組み。

全国的に、少子高齢化の進行に伴う高齢者の健康支援は喫緊の課題であり、各自治体が多くのリソースを割いて施策に取り組んでいる。そんな中、八王子市は14年前から高齢者向け健康支援施策として、「高齢者ボランティア・ポイント制度」を運用してきた。この取り組みは、高齢者がボランティア活動に参加するとポイントが付与され、市内で使える商品券などと交換できるというものだ。高齢者の社会活動への参加を促すことで、心身の活性化、ひいては認知症や介護予防にもつなげようという取り組みだが、開始当初からのアナログな運用方法による職員の負担増が課題となっていた。また、増え続ける高齢者の数に比例して、ポイント原資がかさむことも運用の障壁となりつつあったという。

同市は、制度を持続可能にするための仕組みを模索。その過程で「ベスプラ」が提供する認知症・介護予防を目的とした「脳にいいアプリ」と出合い、令和3年10月から3年計画の実証実験をスタートさせた。

実証実験で見えてきたのは、驚異の成果と発展への課題。

アナログからの脱出は、限りあるリソースで制度を持続させていくための必要条件だ。同アプリを導入したことで、今まで手作業で行ってきたポイント管理・付与の業務が自動化でき、運用効率は格段に上がったという。また、利用者にはボランティア参加でのポイント付与に加え、同アプリを使った食事の記録や目標歩数の達成、脳トレゲームでもポイントを付与。これにより、認知症予防に効果的とされる“運動・食事・脳刺激・ストレス緩和・社会参加”を促すことにもなり、今まで以上の包括的な支援につながっている。

辻さんは「運用3カ月の時点で、アプリ登録者の平均BMI値が約20%も下がるなど、予想を超える成果を上げています。一度登録した高齢者の約90%が何らかのアクションを起こし3カ月利用し続けていることも、希望が見えるデータです。ただ、初年度ということで登録者数を350人程度に絞っているため実現できている部分も多いと思います。市が抱える15万人の高齢者に対するアプローチという面では、課題も見えてきています」と話す。

八王子市のアプリ活用 ✖ ポイント制度


 

地域循環型プラットフォームで理想の支援制度を目指す。

取り組みを発展させるには、ポイント利用先の拡充が急務だ。当初は地域内の買い物やサービスとの連携を目指していたが、協力店として手を挙げる市内の事業者が少ないという課題が浮き彫りになったという。「なるべく地域内の消費活動につながればと考えていましたが、ICTになじみがない、新しい仕組みを導入する余裕がないなど、事業者側の負担が大きいということが分かりました。そこでまずはポイントを利用できる手段を増やすために、「PayPay」との提携を開始しました。今後協力店については、手間を減らすことで拡充を進めたいと考えています」。また、利用する高齢者からは“来年度も参加したい”“知り合いにすすめたい”といった声も聞こえてきており、これらの声を参考にした市民同士の紹介システムの構築なども検討中だ。

「今後は地域の事業者との連携や広告収入などで、ポイント原資の獲得につなげ、運用経費をまかなえる仕組みをつくろうと計画しています。さらに機能拡充で高齢者にとって魅力あるプラットフォームへと発展させていきたいです」と展望を語る。持続可能な仕組みを構築することで、ほかの自治体が追随するモデルケースとなるか、今後も注目し続けたい。

八王子市
福祉部 高齢者いきいき課 主査
辻 誠一郎(つじ せいいちろう)さん

脳科学にもとづいたアプリ活用で健康習慣が身につき、医療費抑制効果も!

アプリが自動的に取得するユーザーデータで、活用度合いや効果を可視化。集計や分析に人の手を掛けず、効率的な運用を実現している。

八王子市のデータでみる実証実験の効果

ユーザーのアクティブ率だけでなく、医療費抑制予測額も算出される。費用対効果が明確で、定量的な効果測定が可能。

医療費抑制予測額 ※1歩あたり0.061円で試算

平均BMI値

3カ月で減少傾向に!
順調に理想的な体重に近づいている様子。

平均付与ポイント数

3カ月で増加傾向に!
アプリの活用が進み、ポイントを獲得している。

“脳にいいアプリ”が選ばれる理由

1.科学的根拠にもとづいたサービスの提供

アプリの開発は、認知症研究の世界的権威であるカロリンスカ研究所の研究※がベースとなっている。効果測定は認知機能検査の点数をもとに行うなど、脳科学的な視点からのアプローチで認知症・介護予防に取り組んでいる。

※食事指導・運動指導・認知トレーニング・生活スタイル指導などを組み合わせることが、軽度の認知機能障害進行の抑制に有効であることを世界で初めて証明した研究

2.高齢者の使いやすさを追求した設計

複雑な操作や情報を排除し、高齢者が直感的に操作・理解できるように設計。楽しく記録することで習慣が身につく工夫がされている。アプリ操作に対する相談窓口も設置しているが、問い合わせは少ない。

3.導入コストの大幅な削減

自治体が負担するコストは、ポイント制度を導入する場合のポイント原資のみ。アプリを運用するためにかかる費用は発生しない。利用者に比例した従量課金もないため、継続的な利用が可能だ。

“脳にいいアプリ”の実証実験に参加しませんか?

脳と体の健康維持アプリを活用した実証実験に参加する自治体を募集しています。各自治体が抱える課題解決や、高齢者支援の施策づくりのお手伝いをいたします。まずはご相談からでも気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:株式会社ベスプラ

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-18-10 エクサスペース3C
E-mail:info@bspr.co.jp

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