滋賀県守山市

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妊娠中から子育て期まで幅広くカバーする家事支援

こども
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妊娠中から子育て期まで幅広くカバーする家事支援

全国で展開する家事代行サービス

妊産婦の負担を軽減するための支援として、守山市では家事代行サービスに着目。妊娠中から使えるクーポンを発行し、サービス利用を後押ししている。先行自治体へのヒアリングのおかげで、制度設計と合意形成を円滑に進められたそうだ。

※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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守山市
こども家庭部 母子保健課
係長 田中 友浩(たなか ともひろ)さん


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守山市
こども家庭部 母子保健課
保健師 小倉 奏葉(こくら かなは)さん

先行自治体の実情を詳しく聞き庁内での判断材料を揃えていった。

双子や三つ子など、多胎児家庭への支援を検討する中で、家事代行サービスを活用した仕組みづくりを進めていた同市。その過程で見えてきたのが、産後の子育て家庭全般に対する支援不足という課題だった。「いわゆるワンオペ育児の家庭が多く、働く祖父母世代が増えていることから、実家のサポートも期待しづらくなっています。育児を一人で抱え込むことが一因となる産後うつや、子どもへの虐待を防ぐためにも支援できたらと考えました」と田中さんは振り返る。

制度設計のヒントを得るため、複数の自治体にヒアリングを行い、妊婦も対象にしている事例を知ったという。「例えば、つわりや切迫早産で安静が必要なときに家事をするのは大変ですし、産後は授乳や新生児のケアで精一杯でしょう。だからこそ、妊婦も対象に加え、妊娠中から産後4カ月後までをカバーできるような設計にしました」。

庁内での調整を進める中でネックになったのが、支払い方法や金額の設定だ。「利用者が立て替えて後日払い戻しを受ける償還払いにすると、何に使われたのか把握しづらいため、事業者から報告を受けられるクーポン形式としました。財政部門からは近隣市などの状況を問われます。そのため、先行自治体から金額や利用率を教えてもらい、予算の根拠として示せるよう準備しました」。


クーポン事業特有の煩雑さが登録事業者を探す壁になった。

令和7年9月より“親子の愛着形成”を目的に「守山市産前産後の子育て応援家事サポート事業」がスタート。掃除や洗濯などのサービスに使える紙のクーポンを交付している。クーポンは1枚1,000円分で、世帯状況により枚数を設定。1回の使用枚数に上限はなく、サービス内容に合わせて使うことができる。また、クーポンだけの支払いも可能だ。

ただ、登録事業者の確保は容易ではなかったという。「クーポンだとサービス提供後の支払いになりますし、事務処理が煩雑になるため、難色を示す事業者が多かったですね。人手不足やサービス提供エリア外であることを理由に断られるケースもありました」。そうした中で同市が声をかけたのが「ダスキン」だ。「自治体での導入実績があり、市内に店舗もあったため相談してみたところ、最初から前向きな返事をもらいました」。

同社は家事代行サービス「メリーメイド」を全国で展開しており、子育てを経験した女性スタッフが多数在籍。例えば訪問時間を決める際には、兄弟の送迎時間の妨げにならないように配慮するなど、保護者目線の細やかな対応が好評だという。

利用件数は着実に伸びていて、確かな手応えを感じている。

利用者は少しずつ増え、令和8年3月末時点で延べ利用件数は75件となった。クーポン交付者のうち実際に利用した人の割合は7.4%で、順調に推移しているという。利用後のアンケートには、“他人に家のことをしてもらうのは抵抗があったが、プロの業者だからこそ気兼ねなく頼ることができた”“家事をサポートしてもらえたことで大きな支えになった”など喜びの声が寄せられているそうだ。

一方で、利用者層の広がりには、まだ課題があるという。「クーポンを使わない人の中には、行政からの支援に頼ることをためらう人もいます。そのような人にこそ、民間サービスを活用したこの事業を使ってもらい、支援のきっかけにしてほしいと思います。今後は、声を上げづらい人にも、もっと使ってもらえる事業にしていきたいです」と小倉さんは話す。「愛着形成を目的に始めた事業ですので、これを通して、親子が触れ合う時間をもち、“子どもがかわいい”と思える余裕をもってもらえるとうれしいです」と、田中さんも期待を寄せる。



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