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被害を抑える窓ガラスで避難所の安全を守り抜く。

防災・危機管理
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被害を抑える窓ガラスで避難所の安全を守り抜く。

中間膜で飛来物の貫通を防ぐ防災防犯ガラス

災害が激甚化する昨今、避難所の機能を維持する備えが求められている。特に重要な役割を担うのが“窓ガラス”だ。窓ガラスの破損による被害の実態と対策の重要性について、「機能ガラス普及推進協議会」の池田さんに聞いた。

※下記はジチタイワークスINFO.(2026年7月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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機能ガラス普及推進協議会
事務局長
池田 直輝(いけだ なおき)さん

担当者の声

災害時に避難所の機能を維持するためには、万が一の事態に備え、窓ガラスの対策も進めておくことが大切です。

窓ガラスの破損による二次被害を防ぎ避難所の継続的な利用環境を保つ。

災害が起きると、多くの地域で学校が避難所として活用される。令和7年6月に文部科学省が発表した調査結果によると、全国の91.7%の公立学校施設が避難所に指定されているという(※)。防災拠点となる施設には、安心して過ごせる室内環境が求められるだろう。しかし実際には、“窓ガラスの破損”をきっかけに、施設が避難所として使えなくなるケースもあるそうだ。

「地震の揺れや、台風による飛来物の衝突で窓ガラスが割れると、飛散した破片で避難住民がけがをするおそれがあります。さらに、割れた窓から強風が吹き込み建物内の圧力が高まると、ほかのガラスや屋根まで破損することも。過去には、体育館の屋根全体が風圧で吹き飛ばされた事例もありました」と、池田さんは警鐘を鳴らす。

令和7年時点では、公立学校施設の7割以上に強化ガラスや飛散防止フィルムを貼ったガラスが採用されている。「強化ガラスは破損時に破片が粒状になるため、けがのリスクが低く、長年にわたり広く普及してきました」。しかし、近年の台風の激甚化により、飛来物によるガラス貫通という新たなリスクへの対応が求められるようになってきたという。「たとえ外で強風が吹き荒れようと、避難所機能を維持し、その生活環境を守るためにも、窓ガラスに穴が開かないようにする対策が不可欠です」。


※文部科学省「避難所となる公立学校施設の防災機能に関する調査の結果について(令和7年6月25日)」より

飛来物の貫通を防ぐ強靭さをもつ窓ガラスへの転換を促進する。

そうした背景から、同協議会では、飛来物が当たっても貫通しにくく、穴が開かない「防災防犯ガラス」への転換を呼びかけている。同製品は、2枚のガラスで厚さ約1.5mm以上の中間膜を挟んだ構造だ。「自動車のフロントガラスと同じ構造で、耐貫通性に優れています。約2kgの木材を秒速12.2m(時速約43.9km)相当で衝突させる実験でも、ガラスにヒビは入るものの貫通せず、穴が開きませんでした。仮に破損したとしても、破片がほとんど飛び散りません」。この構造は、ボールが当たったり児童・生徒が衝突したりするなど、日常的にガラス破損のリスクがある学校施設の安全対策としても効果的だろう。

導入の際には、既存サッシを活用し、ガラスのみ交換できるケースが多い。ただし、厚みが増すため、既存サッシの溝幅によってはサッシの交換が必要になる場合もあるという。「導入検討時には、事前に既存サッシの状況を確認しておくとよいでしょう」。

交付金活用や防災意識の啓発で学校施設への普及を後押し。

避難所として機能させるためには、快適に過ごせる室内環境も大切だ。「快適な室内にするには、断熱性の確保も重要です。例えば窓ガラスの断熱改修を行う場合、大がかりな作業を伴います。そのため、施設の大規模改修のタイミングで窓ガラスを見直すことがオススメです」。そこで提案しているのが、“複層ガラス”の活用だという。「ガラスとガラスの間に空気層を設けた構造で、その1枚に防災防犯ガラスを採用しているため、防災性と断熱性を確保することができます」。また、全国で進む学校施設への空調整備においても、効果を発揮させるためには断熱性の確保が欠かせないという。なお、こうした複層ガラスへの交換を、学校体育館への空調整備と併せて実施する場合には、「空調設備整備臨時特例交付金」が活用できるそうだ。

また、同協議会では認知度の向上や防災意識の啓発を目的に、平成29年から自治体や学校施設に防災防犯ガラスの寄贈を行っている。「寄贈先で出張授業を行っています。学校で実施した際には、通常のガラスと防災防犯ガラスを子どもたちに実際に割ってもらい、強度の違いを体感してもらいました。万が一の場合に“備えていてよかった”と思ってもらうためにも、平時のうちから避難所の窓対策を進めてほしいですね」。



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