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市民の暮らしに身近な場所を、再エネと防災の拠点に。

窓やひさしに使える太陽光発電ガラス
再エネ活用や災害に強いまちづくりは、多くの自治体に共通する課題だろう。静岡市では、シェアサイクルステーションの屋根に建材一体型の太陽光発電ガラスを設置。生まれた電力を平時だけでなく災害時にも活かす仕組みを構築している。
※下記はジチタイワークスVol.43(2026年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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静岡市
総合政策局 企画課
参事 鈴木 健一(すずき けんいち)さん
大型台風による想定外の被害を受けて災害への備えが課題となっていた。
市街地が平たんな地形で自転車との親和性が高い同市は、“世界水準の自転車都市”を目指し、令和2年に産学官連携によるシェアサイクル事業「パルクル」を開始した。約700台の自転車と、サイクルステーションを約250カ所展開し、市民の足として定着しているそうだ。
「バス路線の維持が難しくなる中で、市民向けと観光客向けの両方で、公共交通を補完する役割を果たしています。私も近場を移動するときによく利用しています」と鈴木さん。普及が進む中、同事業を担う一社である「TOKAIケーブルネットワーク」から、同市に対して、駅前のステーションを多機能な拠点にリニューアルする提案があった。
その内容は、太陽光による発電と蓄電ができる仕組みを導入し、生み出した電力を電動アシスト自転車の充電や大型サイネージによる情報発信に活用するというもの。平時の利便性と災害時の備えを両立するのがねらいだ。「令和4年の台風15号では想定を超える被害が生じ、行政の情報発信が後手にまわってしまいました。市民が求める情報を的確に発信する必要性を痛感していたので、タイムリーな提案でしたね」。



部署の壁を越えた調整を重ね、官民連携で再エネ拠点づくりへ。
太陽光発電の仕組みに選ばれたのは、総合素材メーカー「AGC(エージーシー)」の建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール®」だ。合わせガラスに発電セルを組み込んだもので、窓や建物のガラス部分に施工可能。耐震性や強度試験などもクリアしている。「駅前は多くの人が行き交う場所です。災害時を想定した場合、安全性の担保は大前提でした。その点、自治体での導入実績も多い製品だったので、安心して検討できました」。
歩道への設置にあたっては、屋根やサイネージを備えた新たな構造物となることから庁内では“道路占用許可を出すのが難しい”“屋外広告物の条例との調整が必要”といった慎重な検討を求める声が出たという。しかし、台風15号の教訓を踏まえ、部署の壁を越えて検討すべき案件だと位置付け、合意形成に向けた調整を行ったそうだ。「行政だけで課題を解決できる時代ではないという認識のもと、当市では“共創”を掲げてまちづくりに取り組んでいます。提案内容から、単なる企業収益のためではなく、本気で当市の将来を考えてくれている熱意が伝わり、一緒に進めていくことを決めました」。

景観に溶け込むデザイン性とまちに必要な機能性を両立。
令和5年12月、屋根に同製品を採用したステーションが誕生した。発電した電力は自転車の充電やサイネージの稼働に活用。余剰電力は蓄電池にためられ夜間の電力源として利用されるほか、災害時に開放される充電ポートや、サイネージによる災害情報の発信にも活用される仕組みだ。発電電力量やエネルギーの流れをサイネージで可視化しており、子どもたちの環境教育にもプラスになるのではと期待しているという。
鈴木さんが特に印象的だったと語るのが、意匠性の高さだ。「駅前にはガラスを多用した近代的な建物が多く、まちの玄関口だからこそ、新たな構造物を加えることによる景観への影響が懸念されました。ところが、同製品はガラスを使っているため周囲に違和感なく溶け込んでいて、感動しました」。リニューアル式典に参加した市長からも“構造はシンプルだが、様々な機能が詰まっている”と高評価が寄せられたという。
同市では今後も、再エネを活用した持続可能なまちづくりを進め、防災力の強化にも力を入れる考えだ。「現在、新しいアリーナの建設や新スタジアムの整備に向けた検討を進めています。今回得られた学びを活かし、災害時にも機能するまちづくりを進化させていきたいです」と語ってくれた。






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