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今こそ“仮設対応”の見直しを。公共空間の電源確保を“長期視点”で考える。

都市整備・上下水道
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今こそ“仮設対応”の見直しを。公共空間の電源確保を“長期視点”で考える。

公園や広場、庁舎周辺などの公共空間において、電源が必要となる場面は多い。多くの現場では、その都度、発電機や延長コードによる仮設電源で対応しているのが実情だ。

しかし、仮設電源は安全管理に懸念が残るほか、設営・撤去にかかる人的負担やコストも積み重なりやすい。こうした公共空間における電源確保の課題解決に寄与する製品を開発・普及している「パナソニック」の担当者に話を聞いた。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

[PR]パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社

interviewee

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
電材&くらしエネルギー事業部
マーケティングセンター
商品営業企画部 配管企画課
右:清水 友哉(しみず ともや)さん
左:松下 陽日(まつした はるひ)さん

必要になるたびに仮設対応を続けてきた、公共空間における電源の現状と課題。

屋外の公共施設では、地域活性化に向けたイベントだけでなく、日常的な維持管理でも電源を必要とする場面は多い。芝生の手入れや、公園内に設置される自動販売機の電源確保、さらには災害時に避難所となる際の屋外電源確保など、その用途は多岐にわたっている。

しかし、常設設備がない場合は、発電機や延長コードによる仮設対応に頼らざるを得ないのが実情だ。「夏祭りなどの地域行事では、屋外電源が必須といえます。しかし、発電機の騒音が大きく、『せっかくの雰囲気が台無しになる』『会話に集中できない』といった苦情につながることがあります。また、地面をはう延長コードは歩行者の転倒リスクがあり、空中配線は景観を損なう上に、接触事故の危険も伴います。安全対策が最優先される中で、こうした仮設対応に限界を感じている自治体は多いようです」。

さらに、仮設電源には運用面での課題もある。設置・撤去や安全対策にかかる人的コストは、担当者の負担にも直結する。「仮設とはいえ電源工事を行うケースもあります。その場合、発電機の調達だけでなく、設営や撤去にも人員が割かれるため、長期的に見ると多くの費用が必要になってしまいます」。

このような問題が表面化していても、常設電源の設置に二の足を踏む自治体は多い。その背景には“予算の仕組み”があるという。「単年度予算の中では、都度の仮設電源費用と比較して常設設備のイニシャルコストがネックになりやすい傾向があります。また、配管の長さや設置規模によって工事費が変動するため、トータルコストが読みづらい点も課題です」。

そのような事情から、多くの現場では、発電機や延長コードによる“仮設対応”が繰り返されているが、安全性や運用負担、コスト面の課題を踏まえると、現状の運用を続けることには限界がある。必要な場所に、恒常的に安全な電源を確保できる仕組みが求められている。

壁面がなくとも設置できる電源で、日常利用から行事対応・EV充電も。

屋外電源は従来、建物の外壁など壁面への設置が主流であった。しかし、公共空間には駐車場や広場など、そもそも壁面が存在しない場所も多い。物理的な制約から、仮設電源に頼らざるを得なかったケースも少なくない。こうした課題に対応するのが、「パナソニック」が提供する屋外電源コンセント支柱「Dポール」だ。

Dポールは、建物から離れた場所にも電源を設けることができ、必要な場所にピンポイントでコンセントを配置できる。同製品は「防水コンセント用(100V)」と「EV・PHEV充電屋外コンセント用(200V)」の2タイプを用意。防水コンセント用は、イベントや清掃・維持管理など日常的な活用に、EV・PHEV充電屋外コンセント用は、公共施設や駐車場など、EV充電のニーズへの対応を想定した設置が検討できる。

雨風にさらされる常設の屋外電源は、設置後も安全に、安定的に使い続けられることが前提だ。Dポールは、アルミ素材にアルマイト処理を施すことで、優れた耐食性を備えている。「アルミ表面に強固な酸化皮膜をつくるアルマイト処理は、公園にあるローラー滑り台の滑走面などにも使われています。雨風にさらされる環境でも腐食に強く、鉄製ポールのように塗装が剝がれて、さびる心配が少ないのがメリットです」。

鉄製ポールに比べて軽量でさびにくく、長期間にわたり美観と安全性を維持できるため、再塗装や老朽化による交換頻度を抑えやすい。結果として、維持管理を含めたトータルコストの抑制が期待できるという。

多様なニーズに応えられる電源で、将来の“欲しい”を低コストで構築。

屋外に電源を設ける際には、電気設備そのものだけでなく、施工条件や周辺環境に応じた仕様の選定が欠かせない。特に、公園や広場など人が多く集まる場所では、景観や安全性への配慮が重要となる。また、施工期間も重要な検討要素の一つだ。コンクリート基礎を用いる場合、養生期間を含めて工期が長期化しやすく、スケジュール調整が難しくなるケースもある。

こうした課題に対応するのが、コンクリートを使わない施工技術だ。EV・PHEV充電屋外コンセント用を設置する場合、Dポールの「アンカーフレーム用」を活用すれば、土中埋設(掘り起こした土を埋め戻すだけで固定)が可能となる。

「通常、コンクリート基礎では固まるまで約1週間の養生期間が必要で、その間はバリケードで囲うなどの安全管理も発生します。しかし、アンカーフレーム用なら、そうした手間を抑えられ、即日施工・即利用が可能になります」。

工期が限られる年度末の工事や、イベント直前の整備にもスムーズに対応できるスピード感は、現場にとって大きなメリットとなるだろう。

なお、この技術はもともと“コンクリートなしで施工できないか”という防水コンセント用への要望から生まれたもの。防水コンセント用では、ポール下部に支持部材を装着し、土の中で安定させる「根かせプレート」を併用することで同様の施工性を実現している。

メリットは施工性だけではない。「環境面でも、掘り起こした土を埋め戻すため、残土処理が減らせます。加えて、廃却処分時にもコンクリートを使用しないため、分別廃棄が容易になります」。施工のしやすさに加え、環境負荷の低減が見込める点も、導入検討時における判断材料として整理できるだろう。

一方、電源を引き込む距離が長くなる場合には、電圧降下への対策も欠かせない。広い公園や駐車場など、建物から離れた場所に電源を確保するケースでは、配線条件に応じた電線の選定が求められる。「建物から20〜30m程度であれば細い電線でも対応できますが、100mほど離れると電圧が落ちてしまうため、断面積が大きい電線が必要になります」。

従来は、こうしたケーブルを接続するために中継ボックスを設け、細い電線に変換する必要があった。しかし、中継設備の設置は景観を損ねる場合もあるだろう。こうした課題を踏まえ、「端子台内蔵タイプ」のDポールは、最大22mm²の電線をポール内部へ直接引き込める構造となっている。「余計な中継設備や点検口が不要になり、配管を全て地中に埋設できるため、景観を損なうことなく電圧降下を考慮した給電が可能になります」。

さらに、ポール本体はそのままで前面パネルをスライドさせて付け替える「交換プレート方式」を採用。ねじ部を見せないすっきりとしたフォルムで景観に配慮しつつ、充電機器の入れ替えも容易に行えるため、導入後のニーズ変化にも柔軟に対応できる。「導入当初は3kW充電用として導入し、将来的に倍速充電が必要になった場合には6kW充電への変更も可能です。機器の入れ替えのみで対応できるため、改修コストを抑えられます」。

このようにDポールは、施工性、景観性、拡張性のバランスを重視した設計により、長期的な運用を見据えた電源整備を可能にしている。

便利で快適な公共空間をつくるために“必要な場所に安全な電源”を。

公共空間における常設電源の需要は、今後も拡大が見込まれる。特に近年では、道の駅やキャンプ場、RVパーク(車中泊施設)の整備においてニーズが高まっている。国も補助金制度などを通じてEV充電インフラの整備を後押ししており、導入を検討する自治体にとっては、こうした制度の活用が導入のハードルを下げる一つの選択肢となる。

公共空間に電源を設ける以上、その設備は一時的なものではなく、長期的な利用を前提に設計されていることが望ましい。安全性の確保に加え、点検や改修、更新にかかる手間や人手は、施設運営の持続性にも直結する重要な要素だ。

「電源は設置して終わりではありません。点検や清掃にかかる負担が少なく、現場が安心して使い続けられること、そしてランニングコストを抑えられることも重要です。仮設対応を続ければ、安全対策や設営・撤去などに多くのリソースが割かれることになります」。

これらを踏まえると、公共空間における常設電源の整備は、単なる設備投資ではなく、将来を見据えた基盤づくりの一つと捉えることができるだろう。 安全性と運用性、そしてコスト面のバランスを踏まえた“長期視点”での電源整備。Dポールは、その実現に向けた選択肢の一つとなりそうだ。

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