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水道事業の維持・発展のため自動検針の安定運用に挑む。

スマート水道メーターによる自動検針
将来的な担い手不足に備え、水道検針を自動化する自治体が増えはじめているという。名取市は令和5年にスマート水道メーターの運用を開始。検針業務の効率化と住民サービスの向上を目指し、市内全域での導入を進めている。
※下記はジチタイワークスINFO.(2026年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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名取市
水道事業所
土屋 智広(つちや ともひろ)さん
電力検針の仕組みを共同利用して水道の使用量を遠隔で確認する。
同市が水道検針の自動化を検討しはじめたのは、庁内で行われている新規事業の提案制度がきっかけだった。令和2年、水道事業所が“水道検針の自動化”に着目。他自治体の事例を踏まえて、新規事業として提案したという。「業務を効率化するだけでなく、住民の暮らしにも役立つと考えました。提案が採用された後、まずは実証実験を行い導入を検討することになったのです」と土屋さん。
本実験は、データ取得の通信方式が異なる2社から提案を受けて実施。電子式の水道メーターと無線端末を接続したスマート水道メーターを、市内の一般住宅や工場などに設置し、数カ月間にわたって効果を検証した。その結果、「東北電力ネットワーク」の「自動検針サービス」を導入することになった。同サービスは、電力会社が先行して構築した電力の自動検針の仕組みを水道検針にも活用するものだ。24時間分の検針データを1日1回の頻度でスマート水道メーターから最寄りの電力スマートメーターに送信。そのデータを近隣住宅の電力スマートメーターを中継しながら、最終的に同社が構築しているシステムへ集める方式を採用している。「同サービスであれば、すでに整備されている電力の通信網を共同利用するため、データの収集が容易ですし、ほかの通信方式と比較して通信費を抑えられました。さらに、24時間365日体制で通信ネットワークが監視されているため、不正アクセスの防止などセキュリティの安全性が確保されていることも導入の決め手となりました」。
国による財源支援制度
交付金・補助金の活用例
- 国土交通省は「上下水道DX推進事業」において、水道DXにかかる財政支援を実施。名取市の自動検針も、同事業に採択されている。
- 同市は導入時に「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用した。
- 「地域未来交付金」の活用も検討できる。

長期的な視点で費用対効果を考え市内全域への設置を目指す。
令和4年12月に同社と「自動検針サービス利用基本契約」を締結し、令和5年3月に自動検針を開始。まず初めに、工場など水を多く使用している施設を中心に設置した。2030年までには市内全域で約3万5,000軒の設置を完了する予定だ。
導入にあたって最大の課題となったのは初期費用だった。そこで同市は、導入時にデジタル田園都市国家構想交付金を活用し、その後は上下水道DX推進事業の採択を受けて財源を確保しているという。「導入時は、費用対効果を長期的な視点で判断しました。同サービスを導入すると、検針委託料や水道利用の中止・開始時に必要な指針確認の委託料を削減できます。さらに、同サービスと小規模区画で水道使用量を管理するブロック化事業を組み合わせて進めることで、漏水調査が効率化され、料金徴収できない水を減らせます。また、水道使用量を把握・分析することによって、水道管の大きさの適正化など将来的には設備投資の合理化も期待できると考えました」。
さらに、同社のサポート体制も充実しているという。「最寄りの事業所から導入・運用の支援が受けられるため、顔が見える関係性を築くことができ、安心感につながっています。スマート水道メーターを設置する施工業者に同社が設置方法の説明会を開催してくれたことも、ありがたかったですね」。

取得したデータを分析・活用し住民サービスの向上につなげる。
導入から3年ほど経過し、検針業務の効率化では効果が得られているという。「検針時の誤針と対人トラブルの心配がなくなりました。また、アラート機能により、漏水を早い段階で発見し、使用者に早く周知できることで住民サービスの向上にも役立っています。同社には、通信改善の相談にも丁寧に対応してもらっているので助かっています」。
今後は水の使用量や料金などを住民がWEB上で確認できる、“見える化サービス”の導入を検討していく予定だという。土屋さんは「今後はデータを活用して、新たな取り組みにつなげていきたいですね」と次の展望を語ってくれた。
充実のフォロー体制
東北・新潟エリアに62の事業所を整備
- 自治体の困り事に対して迅速な対応が可能。
- 施工業者に向けて施行方法の説明会を開催。
CHECK!
名取市が考える今後の展開
高齢者などを対象に水道の利用状況で安否を確認できる“見守りサービス”を、福祉部門と調整・連携しながら導入の検討を進めている。
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サービス提供元東北電力ネットワーク株式会社











