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街路灯の倒壊から住民を守る “基礎を流用して設置”という選択肢。

都市整備・上下水道
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街路灯の倒壊から住民を守る “基礎を流用して設置”という選択肢。

公園や道路、施設などに設置された“街路灯”。住民の安全を守るために欠かせないインフラだが、照明に注意が向けられ、それを支えるポールが見落とされることも少なくないようだ。

街路灯のポールは、万が一倒壊してしまったら大事故につながるリスクをはらんでいる。しかし点検、更新に投入できる自治体の財源にも限界がある。こうした“ポールの保全問題”について、街路灯のサービスを長く手がけてきた「パナソニック」の担当者が、課題とソリューションについて解説してくれた。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
ライティング事業部 営業企画部 屋外営業企画課
宮薗 愛美(みやぞの あいみ)さん

住民生活を支える街路灯が抱えるリスク。

街路灯はあらゆるまちに設置され、夜間の視界確保や防犯など重要な役割を果たしている。その保全は自治体が担う大切な業務の一つだ。また、政府が示した「2030年までに高効率照明(LED、有機ELなど)のストック100%」という目標を目指して、官民一体となったLED照明への移行も進められている。そうした流れの中、宮薗さんは「当社でもLEDの照明器具を提供していますが、明かりを支えるポールは二の次だと考えられている節があります」と懸念を示す。

「街路灯のポールは屋外に常設されている以上、風雨をはじめとする様々なストレスにさらされ、経年劣化は避けられません。放置すると腐食が進み、いつか倒壊する可能性があります。台風や地震で急に倒れる場合もあるのです」。

実際、ここ数年だけを見ても、歩道に設置された街路灯が強風で倒れ、小学生が巻き込まれて大けがをする事故や、同じように倒壊した街路灯が走行中の自動車を直撃した事故なども報道されている。こうした事故はどのまちでも起こり得ることを踏まえ、定期的な点検と対策が重要だ。

専門事業者の視点から見た「劣化ポール放置」の危険性

街路灯ポールで劣化しやすい場所は、ポールの下部(特に地際部)と、開口部周辺だが、劣化の進行には個体ごとにばらつきがあり、年数を基準にして安全性を判断するのは難しいのだという。「鋼製照明用ポールでは、設置後6~10年程度で腐食が進行し、最も危険度が高い“ランクA”に至った事例が確認されています。例えば、海が近いエリアでは腐食が早まりますし、植栽部周辺では湿潤状態が続きやすく、見た目では分かりづらいまま腐食が進行するケースも少なくありません。住宅地でも犬の散歩中にマーキングをされるといった環境要因が働きます。しかも、景観保護のために上から塗装をされたりすると劣化に気づくのが遅れることもあり、非常に厄介なのです」。

こうしたリスクに加え、LED化で照明の長寿命化が進むと、器具交換のスパンも長くなり、ポールをチェックするタイミングが減ってしまう可能性がある。では実際に自治体での現状はどうなのか。街路灯ポールに関する実態調査アンケート結果から、現場の実情を探っていく。

アンケート結果から見える自治体の実態。

ジチタイワークスが令和7年10月に行ったアンケート調査の結果では、「街路灯ポールに劣化がある」と回答した自治体は73%にのぼった。また、「街路灯ポールの交換に課題がある」という回答は27%。「課題はない」という回答は56%だった。なお、「課題はない」と回答した自治体の中には、点検を「未実施」または「不明」としたケースも含まれているため、必ずしも点検結果にもとづく判断であるとは限らない。具体的な課題の内訳では、「予算・コスト面」が78%と最も多く、「工期・施工体制」は6%という結果だった。

更新を阻む現実的なハードル

街路灯はどのまちにも多数設置されており、更新対象は広範囲に及ぶ。それらを点検し、リスクのあるものを更新するには、相応の予算や期間、体制の整備が必要になる。

宮薗さんは「こうしたコスト負担に加え、工事の規模が大きい点や、地域住民に負担を強いる可能性があるという点も、対策が進まない要因の一つかもしれません」と分析する。「通常の工法では、重機でポール周辺を掘り起こし、コンクリートの基礎を撤去した上で、新しい街路灯ポールを設置し直すという手順を踏みます。掘削に始まって養生を終えるまでに2日程度は必要です。その間、施設や道路の利用が制限されることになります。工事コストの負担も軽くはありません」。

こうした課題に対し、必要なのは更新の“実効性”だという。点検をして危険度を判定し、優先順位をつけた上で、危険箇所から更新を進めていくことができれば、ポール倒壊のリスクを大きく低減できる可能性がある。その発想から同社が開発したのが「QQ(キューキュー)ポール」だ。

既存の基礎を活かすという発想から生まれたポール。

同製品は、従来2日程度を必要としていたポール交換工事を約4時間にまで圧縮できる、「リニューアル専用の街路灯ポール」。

「既存ポールの基礎部分をそのまま流用することで、工数をできるだけ抑えています。名称のQQは早急・迅速に(Quick)、倒壊リスク低減(Quality up)に由来しており、施工スピードと安心・安全の品質を両立させるものとして開発しました」。

工法は非常にシンプルで、「切って、差して、固める」という3ステップに要約される。「まず、既設のポールを根元で切断します。その穴を清掃した上でQQポールを挿入し、垂直調整を行った上で速硬性モルタルを充填して固定すれば施工完了です」。

この方法を採用することで、基礎の掘り出しや重機の稼動が不要となり、廃材の減少にも貢献する。施工がシンプルなので工期を短縮することができ、コストの低減も期待できるという。「工期の短縮は、住民サービスを止めないということにもつながります。日中に工事が完了できれば夜間の照明が途切れるのを防ぐことができますし、通行規制や施設の利用制限が短縮されれば住民の負担も緩和されるはず。こうしたトータル面での有用性が評価され、QQポールの導入事例が増えているのです」。

“自分たちのまち”で進めるための適用条件と導入事例。

このように導入メリットが多いQQポールだが、もちろん万能という訳ではなく、設置するには適用条件をクリアすることが必要だ。「施工後の安全を確保するため、基礎の健全性や既設部分のポール径など、一定の条件を設けています。導入前にチェックリストに沿って確認いただき、これらの適用条件さえ満たせば施工が可能です」。

また、以前は受注生産だったが、現在は工場在庫品となっており、より迅速な納品が可能に。商品ラインナップも拡充されているという。「例えば、角型ポールの場合、以前は丸型を成形加工して納品していたのですが、こちらも今は標準在庫品となっており、幅広いニーズにお応えできるようになっています」。

さらに、このQQポールは特許も取得済みだ。国土交通省が運用する新技術活用のためのデータベース「NETIS」や、東京都環境局データベースにも登録済みとなっている。

実際の導入事例として、熊本県のある小学校では、校舎脇に設置していた街路灯が腐食の進行と台風被害により倒壊した。復旧では児童の安全を考慮して平日を避け、短工期でリニューアルできるQQポールを採用。土日で工事を完了し、敷地を大きく傷めることなく、コストも抑えられたと評価されている。

ほかにも、スポーツセンターや県立病院の敷地、市営団地の歩道脇など、公営施設での採用も進められている。すでに導入している自治体からは、採用の理由として「基礎工事が不要で工期を短縮できる」といった声が上がっており、現場の実行性を高める手段として評価されていることがうかがえる。

事故が起きてからでは遅い! 高リスク箇所から進める更新。

照明のLED化が急速に進む今は、屋外の街路灯についても見直しを進める絶好のタイミングだといえる。「照明器具だけでなく、同時にポールの点検・更新を行うと考えると合理的です。予算や工期の問題がある場合はQQポールの特徴が実行性を高めるという意味で貢献できると考えています」。

また、設置する地域の環境に調和するものが必要だというニーズにも、同社は応えているという。「頭部に付ける灯具を含め、デザインも複数のバリエーションを用意しているので、景観に配慮したリニューアル照明が選択可能です」。

まちを照らす街路灯を支え続けるポール。その機能を維持するためには、各ポールの点検を進め、危険箇所を把握して優先順位をつけ、対応できるところから更新に着手することが求められる。QQポールを選択肢の一つとして考えれば、その取り組みにおける予算、工期といったハードルを下げてくれる可能性が高くなる

大切なのは、ポールの劣化を放置する危険性を把握していただくことです。事故が起きてからでは取り返しがつきません。QQポールのことを知っていただけたら、自治体における課題解決の近道になるかもしれません」と宮薗さんは期待を込める。まずは適用条件を確認し、導入について相談してみてはいかがだろうか。

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