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【セミナーレポート】徴収・滞納整理担当者必見!「経験知」を「組織知」に変える!業務効率化とは

入力作業や管理、住民からの問い合わせ対応、滞納催促……。積み重なるタスクに追われる中で効率化や業務改善の必要性は分かっていても「やり方が分からない」「属人化から抜け出せない」といった課題を抱える自治体も多いのではないでしょうか。
本セミナーでは「組織知」を構築するための仕組みづくりと、それを支える職員一人ひとりの心構えに焦点を当て、業務改善のノウハウをお届けします。
概要
■テーマ:徴収・滞納整理担当者必見!「経験知」を「組織知」に変える!業務効率化とは
■実施日:令和7年10月17日(金)
■参加対象:無料
■申込者数:155人
■プログラム
<Program1>組織に知をためる!税務担当者の持つべき心構えとは
<Program2>“伝わる”連絡が成果を生む!SMS活用で変わる徴収業務
<Program3>給報特化型AI-OCRで実現!住民税業務の効率化
<Program4>民間活用による新しい税業務の形
<Program5>税業務における行財政改革に寄与する民間委託のご提案
組織に知をためる!税務担当者の持つべき心構えとは
第1部に登壇したのは、組織マネジメント講師の藤井朗氏。組織の方針・目標を理解した上で、優先順位を考えて個人目標を明確に掲げて進めていくにはどうすればよいか。藤井さんの考える税務担当職員の心構えを始め「組織知」を蓄積するノウハウを伺った。

【講師】
藤井 朗氏
元東京都主税局特別滞納整理担当部長
組織マネジメント講師
1979年、東京都入庁。2000年より都税事務所の納税課長となり、そのその後要職を歴任し主税局特別滞納整理担当部長で定年退職。定年後は再任用所長として江戸川都税事務所長、荒川都税事務所長を終了し、現在は全国各地で年間約25件の研修講師を務める。著書に「地方税の徴収担当になったら読む本」「(改訂版)滞納整理と進行管理」など。
大切にしたい、仕事への取り組み姿勢
まず覚えていただきたいのは、皆さんは市町村民のため、市町村税確保のために仕事をしているということ。皆さんの仕事(財源確保)は黒子役であるということです。
そして、仕事への取り組み姿勢は、ぜひ「明るく、楽しく、前向きに」を実践してください。

税務担当で磨く3つの力
公務員は異動が当たり前です。今税務を担当している方は、数年後には福祉や建設など、全く別の現場に行くこともあるかもしれません。しかし、税務の現場で身についた知識はどこにいっても通用するはずです。そのためにも、ぜひ3つの力を磨きましょう。

税務担当として3年でやること
公務員として働く私たちは、常に学び、成長し続けることが求められます。その姿勢をあらわす言葉として「守破離(しゅはり)」があります。まず「守」は基本を徹底的に身につける段階です。「破」はその基本を応用し、自分なりの工夫やスタイルを模索する段階、「離」は自分自身の境地を確立する段階を意味します。
この「守破離」を、1年目、2年目、3年目にあてはめて考えてみましょう。1年目は「守」で、日常業務で頻繁に使う知識などの基本をしっかり身につけます。2年目「破」は、税務職員として視野と幅を広げる時期。後輩を指導する機会も出てくるので、指導を通じて自分自身も改善できます。3年目「離」は、いよいよ組織運営にも関与する段階。係や班、さらには課の運営に対しても自分の意見を持ち、積極的に関わってください。

ここで最も伝えたいのは、自分自身を磨き続けてほしいということ。切磋琢磨し、成長し続ける姿勢こそが、組織にとっても皆さんにとっても大きな財産になるはずです。
また、どんな圧力にも屈さず、公平公正に対応する視点も大切にしてください。もしもブレそうになったら、冒頭でお伝えした「誰のために、何のためにこの仕事をしているのか」という原点に立ち返りましょう。

職場内研修(OJT)の活性化
職場内研修にもぜひ取り組んでください。特別なことをする必要はありません。皆さん自身が、日々の業務の中で「これは学びにできる」というポイントを拾っていく。その積み重ねこそが、組織の力になります。
ここで重要になってくるのが、ベテラン職員にオブザーバーとして参加してもらうことです。これにより、若手は安心して学べるようになり、ベテランも自分の経験を活かしながら研修に関わることができる。結果として、組織全体の一体感が高まっていきます。皆さんの職場にも、経験豊富なベテラン職員、中堅職員が必ずいらっしゃるはずです。ぜひ、その力を「オブザーバー」という形で活かしてみてください。これは、どの自治体でも、すぐに取り組める方法です。

仕事はチームプレー
仕事は決して一人でやるものではありません。例えば、窓口から怒鳴り声が聞こえると黙って席を立ち、怒鳴られている職員の後ろに静かに立つ職員がいると聞いたことがあります。すると、怒っていた相手の声が、急にトーンダウンするのです。これを彼は毎回続けていたそうです。私は「まさに素晴らしいチームプレーだ」と心から感心しました。そして、こんなチームプレーの先には「組織知」があるはずです。
ぶら下がり(社会的手抜き)をやめる
人は集団になると、単独のときほど努力をしなくなります。これを「リンゲルマン効果」と呼びます。

大きな組織は、こうした“ぶら下がり”が起こりやすいと考えられます。知らず知らずのうちに自分がその一員になっていないか、常に自分に問い続けてください。
成功事例よりも失敗事例から学ぶ
失敗事例を分析し、情報を共有し、同じ失敗を繰り返さないことは組織における基本です。皆さんがこれまでに失敗した経験は、組織全体の財産。「その失敗は組織の財産になるね」と言える職場を、皆さんの手でつくってください。

失敗を財産としてとらえるには心理的安全性が保たれていることも大切です。管理職だけではなく、職員一人ひとりが安全な環境を意識しましょう。

広げる、つなげる、教え合う
カリスマ係長やカリスマ課長がいると、確かにその人が在任中は成績が上がります。しかし、その人が異動すると、組織の実績が一気に落ちるケースがあります。なぜなら、自分がいなくなった後のことを、その人が考えていないからです。組織は、誰が抜けても成果を維持できなければなりません。そのためには、組織の実践知を蓄積することが重要です。

最後に、ゲイリー・ハメル氏の『経営の未来』の一節を紹介します。
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繁栄が創造力にかかっている世界では、
情熱を持っている労働者の方が勤勉なだけの
労働者より一貫して高い成果をあげる
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“伝わる”連絡が成果を生む!SMS活用で変わる徴収業務
第2部に登壇したのは、株式会社ジチタイワークスの和田直樹。開封率90%超というSMSの特性を活かし、属人化しがちな徴収業務を仕組み化し、職員の負担軽減と納付率向上を両立する活用法を紹介する。

【講師】
和田 直樹氏
株式会社ジチタイワークス
ビジネス開発部 公共ビジネス課
2018年、自治体広告を取り扱う株式会社ホープへ入社。入社後一貫して自治体広報紙やバナー広告の企業向け営業に携わる。2023年4月より子会社のジチタイワークスにて、ジチタイSMSの販売を担当。これまで140を超える自治体の導入支援に従事。
ジチタイSMSとは
約200自治体、46都道府県で導入いただいている「ジチタイSMS」は、住民の方々の携帯電話に直接メッセージを送る仕組みです。職員が普段使っているパソコンからシステムを通してメッセージを飛ばすことで、確実かつ迅速に届けられる点がメリットです。
「ジチタイSMS」のポイントは3つ。1つ目は、到達率が99%以上。2つ目は、手間がかからない・コストを抑えられるという点です。3つ目は、普段お使いのパソコンから簡単に操作できるということ。LGWANにも対応していますので、セキュリティ面も安心です。

滞納者の方の中には、電話になかなか出られないケースが見られます。SMSなら内容を一気にお送りできますし、対応する職員の心の負担を避けられると考えられます。
ジチタイSMSを使うとどうなる?
以下は、導入いただいた自治体さまにヒアリングをした内容をもとに作成した参考例です。
「100件の通知を住民へ届ける」場合、これまでは全てが手作業で作業に約7時間かかっていました。ところが、SMS導入後は作業工程が減り、1時間で完了するようになっています。さらに、費用に関しては90%の削減が見込めます。

どの部署でも活用できる点も、ジチタイSMSの魅力です。徴収や滞納整理にも活用シーンはさまざまあると考えられます。例えば、滞納者の方への連絡。何度も電話してもつながらなかったり留守電にも切り替えられなかったりする場合、SMSとして送ることができるのは非常に便利です。また、テキストでのやりとりなので外国人の方ともコミュニケーションが取りやすいと考えられます。

以下は、ジチタイSMSを導入した伊勢崎市の職員の方からのメッセージです。こうしたリアルなお声はジチタイワークスWEBでも取り上げているので、ぜひご覧ください。

「ジチタイSMS」の機能
このサービスには8つの特徴があります。今回は4つに絞って紹介します。

1:LGWAN・国内キャリア直結で安心
サーバーは国内にあり、国内のキャリアに直接接続するので、しっかりと住民に届けられる安心したサービスです。

2:個人単位でURLクリックの追跡が可能
SMSはURLも送れます。また、送った後にはそのURLがクリックされたかどうかをシステム上で確認することも可能です。つまり「送って終わり」ではなく、「誰がいつ見たか」「どのくらい見てもらえているか」まで把握できるので、その後のフォローもしっかりできる、というのが大きな特徴です。

3:他人接続判定による誤送信防止
また、よく使っていただくのが誤送信の防止機能です。SMSを送る前に番号の所有者が変わっていないかを自動チェックできる機能があるため、送信前に誤送信を未然に防ぐことができます。

4:ファイル添付&アンケート送信も可能
JPEGやPDF、Excelなど、ファイル添付が可能です。そのため、今まで郵送していた申請書類もSMSで送信できます。また、他社のアンケートサービスを導入されているようであれば、そのURLをメッセージに貼り付けて送ることも可能です。

ジチタイSMSの料金プラン
基本料金プランは、初期費用・月額システム利用料・送信費用・オプション費用という形になります。初期費用がかからないお得なプランもご用意しております。導入後はスタッフが伴走サポートしますので、操作に不安がある方も安心してお使いいただけます。
導入まで・導入後の流れも非常にシンプルですので、ぜひ気になる方はお気軽にお問い合わせください。
給報特化型 AI-OCR で実現! 住民税業務の効率化
第3部に登壇したのは、高精度な文字認識を実現するAI-OCRソフトウェア製品「DynaEye」を提供する株式会社PFUの豊田裕史氏。住民税業務の効率化の可能性について伺った。

【講師】
豊田 裕史氏
株式会社PFU
DI事業本部 グローバル戦略統括部 シニアエキスパート
AI-OCRソフトウェア:DynaEyeシリーズの企画~開発を一気通貫で担当。お客さまの現場に訪問して業務課題を深く理解し、解決するAI-OCRソフトウェアを具体化する専門家。
給報を取り巻く環境の変化
紙の申請率は現在32.8%(令和5年度 総務省データ)にまで下がっています。紙が減ることで「効率化が進んで業務が楽になってきた」という面があるのは確かですが、実はそれに伴って新しい問題も生じてきています。それは、パンチ業者の体制維持が難しくなってきているという点です。この流れが進むと、これまでパンチ業者に依頼をしていた自治体は、庁内で対応せざるを得なくなってしまいます。

さらに状況はこれから加速します。来年度、正確には再来年度にかけて、eLTAXの要件がまた引き下げられ、30万以上・30人以上の事業者は電子申請が必須になります。これにより、紙はさらに減ります。つまり、パンチ業者さんの撤退は今後さらに加速するだろうと考えられるのです。
では、業者さんに依存できなくなったとき、庁内で対応しようとするとどうなるか。税務課の職員数は年々減っています。しかも1月〜3月は残業が非常に多い繁忙期。給報業務以外も忙しいため「人力で乗り切る」のはもう現実的ではありません。そこでオススメしたいのが、AI-OCRを活用して業務を効率化していくことです。
AI-OCRの可能性
令和6年、北海道の留萌市では約6000枚の給与支払報告書を弊社のAI-OCRを使って処理することで非常に大きな効率化を実現しています。

また、単に読み取るだけでなく、画像化して保存することで、住民の方から問い合わせがあったときに「紙を探す手間が一気に減った」という効果も出ています。つまり、すでにこうした仕組みを先行して取り入れている自治体は増えてきている、というのが今の状況です。
AI-OCRを活用する最大のポイントは、業務全体を一気通貫でデジタル化し、効率化できるという点です。導入前と導入後のフローを比較しながらご説明します。

【導入前】
1:紙の給報が届くと、総括表の枚数と明細の枚数が合っているか不備がないかを、紙をめくりながら目視で確認。
2:税務システムの画面を開き、紙の内容を確認しながら入力。
3:入力後にダブルチェック。
4:バインダーに閉じて保管。住民の問い合わせが来たら、またバインダーを開いて探す
【導入後】
1:紙をスキャナーに通すだけで「画像化→帳票仕分け→内容認識」が自動で実行
2:専用のソフトウェア上でチェックや修正ができるので、紙を広げて目線を移動させながら作業する必要がない。
また、データが税務システムに連携される際、最近の大規模システムでは画像データも一緒に登録できるところが多くなっているため、住民の方から問い合わせが来たらシステム上でそのまま画像を検索して表示できるようになります。つまり、単に「入力を楽にする」だけではなく、紙が介在していた各工程をデジタル化し、業務全体をトータルで効率化できるのがAI-OCR最大の魅力と言えます。

デジタル化の始め方のススメ
私たちの話を聞いて「これはぜひ使ってみたい」とおっしゃってくださるご担当者が多い一方で、やはり「パンチ業者さんに委託している部分をいきなり内製に切り替えるのは不安だ」という声も多くいただきます。ここで私たちがよくご提案している方法が資料合算後(パンチ業者さんへの委託が一通り終わった後)の期間を活用するというやり方です。

多くの自治体では、パンチ業者さんに委託した後でも20〜30%程度の給報が遅れて届くというケースがよくあります。この遅れてきた分については、職員の皆さまが紙を見ながら手入力で対応されているのが実態でしょう。まさにこの“遅れて届いた給報の処理”を、まずAI-OCRで一度やってみるというステップです。操作に慣れたり修正やチェックの流れがつかめたりするため「これなら業者に頼らなくてもできる」と感触をつかめるのではないでしょうか。「興味はあるけど、いきなり全部は不安……」という自治体様には、まずこの後半の期間からの導入を強くオススメしています。
また、利用額は最小で年額30万円からとなっており、無償評価版の貸し出しも行っているので、興味がある方はぜひ お問い合わせください。
民間活用による新しい税業務の形
第4部に登壇したのは、つくば市財務部市民税課の渡邉亮太氏。令和7年8月1日から納税課・市民税課・資産税課の3つの課の窓口を統合した「市税総合窓口」を開設し、アウトソーシングを開始したつくば市。その取組事例を伺った。

【講師】
渡邉 亮太氏
つくば市財務部市民税課
主任
2014年4月につくば市役所へ入庁し、現在12年目。障害福祉課、資産税課、納税課、企画経営課を経て、本年度市民税課に異動。法人住民税の調定業務等に加え、8月より本格稼働した窓口業務アウトソーシングの事前準備や稼働後の受託者との調整を行う。
税総合窓口導入の背景
こちらは、税務部署が入っているエリアの配置図です。「納税課」は、滞納処分や督促、徴収金の収納管理、還付金の事務を担当しています。「市民税課」は、個人・法人住民税、さらに軽自動車税など諸税の賦課に関する業務を担当しています。「資産税課」は、固定資産税および都市計画税の賦課事務を担当しています。

ご覧のとおり、これら3課は隣接していて、窓口スペースも同じように隣り合ったレイアウトです。委託開始前は窓口に面したオレンジ色で示しているエリアに、各課の窓口当番の職員が交代で座っていました。委託開始後は、そのスペースに受託者の方が常駐する体制となっています。
では、税3課でどのような課題があったのか、今回のアウトソーシング導入の背景を解説します。
1:組織の縦割りによる窓口対応効率の悪さ
来庁された方の用件が、直接の担当職員でなければ対応できないケースが多く、さらに各課で繁忙期が異なるため、ある課の窓口だけが非常に混んでいるのに別の課は空いているという状況がしばしば発生していました。そのため、窓口全体の有効活用と見栄えの悪さが課題でした。
2:行政需要の拡大と人員確保の困難さ
人口増加率ランキング2025では、つくば市は全国の市の中で人口増加率が1位となっています。それに伴って納税義務者数も毎年増加しており、税務部門の行政需要は拡大する一方で全庁的な人員不足に悩んでいました。
3:委託業務範囲の線引きのしやすさ
つくば市では「市職員でなくても対応できる業務は積極的に外注する」という方針を全庁的に推進しています。税務部門の業務は、税法により市職員が行うべき業務が明確に定められているため、委託できる範囲の線引きが比較的しやすいという特性があります。そのため、税務部門でのアウトソーシングは、庁内におけるモデルケースとして導入が進められていきました。
民間業者への委託に期待する効果とねらい
つくば市では株式会社アイティフォー・ベックス社に業務委託を行うことになりました。期待する効果とねらいは次の通りです。
1:他自治体での従事経験やデジタル化による業務改善提案
同社は多数の自治体で導入実績があり、他団体の事例をもとに効率的な方法を提案していただけることを期待しています。
2:部署を横断する利便性の高い税窓口の実現、職員の能率向上
窓口業務を包括的に委託することで、複数部署に用事がある来庁者に対し、シームレスな窓口対応が可能になります。これにより、窓口の待ち時間が短縮され、来庁者の利便性向上につながると考えています。また、職員側にとっても月に3~4回ほどまわってきていた窓口当番を委託することで負担が軽減され、コア業務に専念できるといったメリットもあります。
3:人員効率の高い職場の実現
人員不足への対応として、会計年度任用職員を増やす選択肢もありますが、採用準備などの周辺業務が職員の負担となってしまいます。一方で、税3課の業務を委託する場合は、受託業者がその時点の委託業務全体の量に応じて人員を柔軟に配置することが可能です。
まとめますと、業務改善による市民サービスの向上、そして外注可能な業務を切り離すことで職員が市職員にしかできないコア業務へ注力できる環境をつくることがねらいです。その結果として、適正な課税と税負担の公平性をより高めていくことができると考えています。
具体的な委託業務内容
一部抜粋する形になりますが、ここからは具体的な委託業務内容について説明します。

1:各課固有の業務
償却資産・法人市民税・軽自動車税の各申告書の受付、端末への入力に加え、償却資産は「対象法人や未申告法人の調査、現地調査資料の作成」、法人市民税は「申告時期の近い法人への申告勧奨通知の発送」、軽自動車税は「原付ナンバーの交付、廃車手続き、減免審査受付」などの業務を委託しています。また、毎月の収納データの消込や過誤納金の還付通知の発送、過誤納整理表の作成などの業務もあります。
2:税3課共通業務
委託業務の中でも特に大きな割合を占めているのが税証明発行事務です。また、税証明の手数料収納や市税の収納事務も委託しています。また、毎日の収納金の計数作業や金融機関への払い込みも含まれています。これらの委託業務に付随する窓口や電話、郵送対応も委託しているため、電話対応で作業が中断されることが大幅に減り、大きな負担軽減になっています。
より詳しく委託内容について知りたい方は、市公式ウェブサイトに本件の業務仕様書が公開されています。ページ下部にある「ページID検索」で22882と入力すると、最も簡単に該当ページへアクセスできます。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/
導入で苦労した点

検討当初、委託できそうな業務をフルパッケージで見積もりしたのですが、金額が想定の3倍超えとなり、大幅な見直しを迫られました。受託者・他自治体の事例を踏まえて処理フローを見直し、効率化した仕様にすれば、費用を抑えつつ委託範囲を広げられたのではという反省があります。
また、他自治体の仕様をそのまま活用できるのではと考えていましたが、実際には費用面の乖離が大きく、軌道修正が必要になりました。引き継ぎ開始時期が課税・納税部門の繁忙期と重なり、準備時間の確保にも苦労しました。可能であれば、もっと余裕のある時期や期間で準備することが望ましいと感じています。しっかりと準備を行えば導入当初から効果をより大きくできると考えています。自治体によって状況は異なりますが、今日の内容が同じ課題を抱える皆さまのヒントになれば幸いです。
税業務における行財政改革に寄与する民間委託のご提案
第5部に登壇したのは、つくば市の業務を受託している株式会社アイティフォー・ベックスの狩野聡氏。税業務の委託化によって解決できる課題など、実際の活用事例をもとに解説してもらった。

【講師】
狩野 聡氏
株式会社アイティフォー・ベックス
2003年から、地方自治体様向けに業務委託やソリューション営業に従事。2017年4月に株式会社アイティフォーに入社。滞納管理システム、催告システムなどソリューション営業や業務委託などコンサルティング営業に従事。
なぜ今、民間委託が求められるのか
私たちの主力事業は公共機関・金融機関・小売業やEC事業者向けのソリューションで、特に金融分野では日本で初めて債権督促を行う「オートコールシステム」(現在の「債権管理システム」)を開発、現在は地方銀行の約8割に導入していただき、債権回収会社向けシステムでも全国シェア5割という実績があります。こうした「お金を徴収するノウハウ」を公共分野にも活かせるのではないか、という思いから自治体領域に参入したのが出発点です。令和6年4月には、BPO・アウトソーシング需要の高まりを受けてスピード感と専門性を強化するため、新会社アイティフォー・ベックスを設立しました。
現在、税業務におけるBPO(民間委託事業)事業は全国64団体で稼働しており、5年前から約1.5倍に拡大しています。

特に、人口5万人以上の小規模自治体での導入が増加しており、複数業務の兼任による負担を解決する手段として採用が進んでいます。先ほど発表があった、つくば市様の取り組みにおいても税の公平性の確保に寄与しています。
「人口減」「公務員志望者の減少」など、自治体職員の業務環境は記載のとおり、大きく変化しています。こうした状況の中で、総務省も民間委託を積極的に推奨しているのです。業務効率化を推進するなら、委託業務は避けては通れないと言えるでしょう。


“作業代行”ではなく“提案型の業務遂行”
その中で、私たちがBPOを行う上で重視しているのは「提案型の業務遂行」です。

特に徴収業務は同じ運用を続けても数字は上がらないため、実績のある自治体のノウハウをもとに、変化を生む運用を提案しています。
イベントごとに業務を割り付け、必要な時に必要な人材をシフトすることでムダのない・成果の出る運用を実現しています。
品質向上のための3つの施策
私たちは、品質を向上させるために以下の施策をこうじています。
1:採用時の工夫
ミスマッチを防ぐため、募集要項の詳細や面談での具体説明を徹底しています。
2:マニュアルの作成
誰でも理解できるマニュアルと体系的な研修制度を整えています。
3:教育体制
弊社独自の研修制度により、個々のスキルアップだけでなく、現場全体のレベルアップを実現しています。

これらの取り組みにより、多くの自治体で改善が進み、住民サービスの向上・収納率アップに寄与しています。

ICT活用の取り組み
ここからは、弊社が進めているICT活用の取り組みを紹介します。弊社はもともと滞納管理システムを開発してきたIT企業であり、自治体業務のICT化は得意分野です。近年、自治体では職員数の減少が続き、従来の「人手で支える運用」から脱却する必要性が高まっています。そこで弊社は、業務をICTで再設計する提案を重視しています。

自社開発システム
公債権・私債権を一元管理できる標準化対応システムとしてお問い合わせが増えています。効率化のためにはリスク管理と実務最適化のバランスが重要であり、弊社ではその部分まで含めて業務設計を行っています。
RPA・AIを活用した業務改善
RPAについては、導入から運用サポートまで全て自社で完結する仕組みを整えています。標準化準拠後はさらに本格的に活用を推進できるよう準備しております。
生成AIを見据えた実証実験・高度分析
本年度は自治体向けのAI実証実験にも着手しています。

また、弊社では2013年から継続的に「徴収整理問題研究会」を開催しています。自治体同士の学び合いの場として、業務改善のきっかけづくりにつながることを目指しておりますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。










