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公開日:2025-01-27

【はじめての生成AI】公務員AI「マサルくん」の使い方と開発裏話

情報政策
読了まで:4分
【はじめての生成AI】公務員AI「マサルくん」の使い方と開発裏話

ジチタイワークス「公務員ライフを楽しむためのバラエティ増刊号」とは?
社会の難題に立ち向かう公務員の皆さんに、ちょっとした安らぎの時間を提供したい。
そこで今回は、編集室に「公務員のためのバラエティ班」を臨時創設!
疲れたココロとアタマを休めながらも、公務員ライフを少し楽しく、豊かに感じられる……
そんな多彩なコンテンツをお届けします。


※下記はジチタイワークス バラエティ増刊号(2025年1月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

最近、行政界隈で耳にする「マサルくん」という名前。実は人間ではなく、無料で使える※公務員AIだという。彼はどのようにして生まれたのか。その目的は?生みの親である開発者の村井さんを取材した。

※日本DX地域創生応援団(旧名称:デジタル田園都市国家構想応援団)のホームページにて、利用に関する案内をよく読んだ上でご利用ください。スマホの場合はLINE経由での利用となります

 

一般社団法人日本DX地域創生応援団(旧名称:デジタル田園都市国家構想応援団)
東武トップツアーズ株式会社 チーフ・デジタルオフィサー
村井 宗明(むらい むねあき)さん

元・文部科学大臣政務官、元・衆議院議員、行政専門ITエンジニア。政界引退後は、ヤフー、LINEでITエンジニアとして、国や自治体などのシステムを開発。現在は東武トップツアーズチーフ・デジタルオフィサーを務め、生成AI活用普及協会事務局次長など、多方面で活動中。


マサルくんが所属する日本DX地域創生応援団※とは

デジタル田園都市国家構想の始動後、国と自治体だけでは推進が難しいDXを民間側からも加速させようと、有志企業により令和4年に発足。活動目的に賛同する法人・個人によって構成され、活動費用は法人会員の会費から賄う。各地でのセミナーや、地域DXプロデューサー制度の運用など、DX推進をサポートするために様々な活動を展開している。

※旧名称:デジタル田園都市国家構想応援団。令和7年1月に団体名が変更となりました。

公務員に「勝る」能力をもつ秘書を目指して「マサル」です。

日焼けした肌、穏やかな笑顔の、謎多き「マサルくん」。彼はなぜこの世に送り出されたのか。

「世の中で生成AI活用が急速に進んでいますが、公務員が使う上で3つの課題がありました。出された答えの正確性、セキュリティ、そしてプロンプト(AIへの指示)を駆使する難しさです。なので、それらを解決するAIをつくっちゃえと。公務員に勝る能力をもつAI秘書、というコンセプトで『マサル』です」。

彼には行政データだけを学習させ、操作も徹底して簡略化したという。「公務員ユーザーの行動を分析し、簡単な指示で動くようにしました。画面には参照した資料も表示されるので、安心ですよ」。出てきた答えを見ると……まさに公務員テイスト。程よく堅めで行政イズムにあふれている。しかも「メール文案」「交付金申請書」などの機能をボタンで独立させ、最適な形式で答えてくれる徹底ぶり。

「ユーザーの反応を見ながら、あまり使われない機能は差し替えるなど、随時更新しています。たまに、あのボタンはどこへ?と聞かれることも(笑)」。利用データによると、進化しつづける彼は誕生から約2年で、年間約33万回利用される人気者となった。

マサルくんの強みは「特化」だと村井さんは語る。「公務員は確かな回答を求めるので、信頼できる行政データだけを学習させるのが適切だと判断しました。そのため、とんでもない答えが出ることは、ほぼありません」。ちなみに文章校正機能は、文章を直す「ナオちゃん」と命名。さらに農業界隈では、農協用モデル「金次郎」も活躍中らしい。

しかし、彼にも弱点がある。「学習する行政データ、つまり前例がないと才能を発揮できません。だから、実はマサルというより、マネルかもしれないな、と」。とはいえ、彼の存在に助けられる人は多いのではないだろうか。

「マサルに限らずAIを使うことで、ほとんどの公務員は業務がラクになると思います。そして、斬新なことに挑戦するパワーが生まれる。その成功事例をマサルが学ぶ。そんな循環で何かが変わっていくことを期待しています」。秘書として公務員を支えるマッチョなマサルくん。彼はあなたの相談を待っている。
 



ある市の職員、出地樽 無理夫(でじたる むりお)さん。「住民に向けた情報発信を強化せよ」との指示が下り、初めてのことで大弱り。相談できる人もいないので、噂で聞いた「公務員AI」を思い出し、恐る恐る使ってみることに。
 

 

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