今回は、公共FMサロンの会員による特別企画!意欲的な取り組みを展開する3自治体の職員がオンラインで集い、公共FM座談会を開催。それぞれの事業内容と、担当者としてのリアルな思いを語ってもらった。
※下記はジチタイワークスVol.18(2022年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本管財株式会社
公共FMサロンとは?
日本管財が運営する、公共施設管理(以下、公共FM※)に特化したWEBサロン。公共FMの専門家も、パートナーとして、全国の事例や知見をもとにアドバイス。課題解決と仲間づくりを応援している。参加は自治体職員限定で、会員数は100自治体、延べ123人(令和3年12月末時点)。
※FM=Facility Management
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なるほど公共FM知恵袋
自治体職員による寄稿企画。地域の悩み、課題解決に向けた挑戦などが本音でつづられる。
講座、セミナー、オンライン交流会
公共FMの専門家を迎え知見を共有。施設管理のプロに無料で相談できる機会は見逃せない。
公共FMサロン限定記事
有識者や、気になる先進自治体へのインタビュー記事など、ここでしか読めない記事が満載!
ほかにも、全国から寄せられる情報を続々発信中!
参加は無料!ぜひこの機会にこちらより参加ください。
※ジチタイワークスVol.14では、パートナー専門家による座談会の記事も掲載しております。
WEB版:https://jichitai.works/article/details/679
Talk Members
鳥取県 鳥取市
市民生活部 協働推進課(元資産活用推進室 係長)
宮谷 卓志(みやたに たかし)さん
【鳥取市】複数施設の一括管理、休止施設の売却、不要品販売会、民間提案制度による施設再生などを実施。合言葉は“FM魂”。
沖縄県 南城市
企画部 政策調整室
前城 尊志(まえしろ たかし)さん
【南城市】複数の公園や体育施設を包括した指定管理者制度を導入。トライアルサウンディングも実施し、事業者との連携を重視する。
岡山県 津山市
総務部 財産活用課
川口 義洋(かわぐち よしひろ)さん
【津山市】レジャープールの民間利活用、グランピング施設立ち上げ、廃園のリノベーションなどを実施。FM新聞でも注目を集めている。
座談会テーマ:“庁内を横断して事業に取り組むにはどうしたらいい?“
―皆さんは、公共FMの取り組みをどのように始めましたか?
宮谷:私が取り組みを始めた平成25年当時は、まだ公共FMという言葉も知られておらず、積極的に推進しているのは一部の先進自治体のみでした。そんな中、担当になって気づいたのは、FMは自分が担当する数年間で片がつく課題ではなく、みんなを巻き込まないといけないということです。そこで、市長を交えて協議し、市のFM方針を成文化。その総論を職員研修などで伝え、FM推進を全庁的に認識する。そうした庁内の風土づくりから始めています。
前城:南城市が公共FMに着手したのは、令和元年度です。当初は、FMの必要性などについて共通認識を図ることに苦慮しましたが、今はほかの部署も興味を示してくれて、少しずつFMが浸透してきた感じがあります。今後は庁内だけではなく、施設利用者や議員も含め、宮谷さんのいう“総論”を共有できるようにしていきたいと考えています。
川口:津山市におけるスタートは平成27年度。まずは地道な計画づくりから始めました。そんな中、当時の上司たちの提案で、特別な会計として積み立てていく“FM基金”をつくったんです。施設を“減らそう”というばかりではなく、“予算をつける”“直してあげる”と伝えることも大切。基金があれば、そうしたアクションもできます。そういうところからFMという言葉が浸透していったと感じていますね。
―最初の一歩は、賛同者も少ない状況だったと思います。どのように横の連携を進めていきましたか?
宮谷:FMといえば施設削減と思う人も多いですが、まずは施設の清掃業務や消防設備点検の契約を一本化しました。その際「契約や支払事務はFM担当が担うので事務が楽になる」と伝え、FMのプラス面を感じてもらい賛同を得ました。また、時間外には有志での座談会を開催、お酒を飲みながら議論しました(笑)。そこでは「本当に苦しいのは20~30年後。つまり子どもたちの未来に向けた取り組みなんだよ」と語り続けました。そうするうちに、各課にも志をともにできる人があらわれ始めたんです。
川口:確かに、役所にもいろんなタイプの人がいて、一緒に汗をかいてくれる人もいれば、遠巻きに静観している人、興味のない人もいる。比率では一緒に取り組んでくれる人が一番少ないですが、「これを実行できたらいいね」という話を楽しく共有できる誰かを見つけたら、仲間としてつながることができます。
前城:賛同者は様々な部署にいますが、少数派なので発言しづらい空気があると会議の席上などで感じます。その現状を変えていきたいですね。また、自分たちの部署が一番頑張らないと、誰もついてこないということも実感しています。
宮谷:行動とともに、情報の発信と吸収も重要ですね。FM担当者に限らず、他部署の職員と話す中で出たアイデアを実現してみる。例えば、不要品販売会がそうです。すると「私が言ったことが実現した」とFMへの理解・関心が高まります。また、それを庁内広報紙として発信すればさらに広まる。そうした身近な部分での努力も大切だと思います。
川口:お二人は、自らが先頭に立って動いている。そういうアクティブなところは職員も見ていますからね。逆に、指示は飛ばすれけど自分たちは動かない……という方法だと孤立して失敗してしまう印象があります。
―事業者や地域住民、議会との連携で工夫した点はありますか?
前城:私は事業者とのコミュニケーションが最も重要だと考えます。例えば、屋外空間を利用して、事業者と一緒に何かイベントをやりたいとなったとき、まずは客としてお店に行って常連になる。そこから話が膨らんで、キッチンカーなどがトライアルで来てくれることもあります。住民への発信は、SNSの活用と広報紙に加え、ニュース番組や新聞に取り上げてもらったこともありました。
川口:私たちの取り組みで響いていると感じるのは、庁内で発行している公共FM新聞「つやまFMだより」です。間もなく創刊から4年目に入りますが、自分たちの取り組みを赤裸々に出し続けているんです。この積み重ねが、職員に情報を届ける役割を果たしていると感じます。住民への発信については、SNSは拡散力が強いので利用価値は高い。でも同時に、年配の方にもしっかり伝えなくてはなりません。そこは広報紙に載せたり地元新聞に協力してもらったりと、日々知恵を絞っています。
宮谷:市民に対する情報発信としては、啓発マンガや出前説明会など色々しました。また、県外からの議員視察を受け入れる際、議長が「鳥取市はFMを推進しています」とあいさつされます。その言葉は、議員にも職員にもしっかり根づいていきます。事業者については距離を置かないといけない部分もあるので、事業者や議員が自由に参加できるPPP勉強会を開催し、情報をできるだけオープンに。公平性を保ち誤解を生まないよう工夫をしています。
―公共FMサロンに期待していることをお聞かせください。
宮谷:アドバイザーの先生たちは公共FMのエキスパートですが、構える必要はないと思います。書き込みは気軽な雰囲気でいいし、小さなことや近況報告でもいい。その中で、誰もがフラットな関係になれたら楽しいですよね。多彩な色をもった仲間が集まって盛り上がっていけたらと思います。
川口:サロン会員のプロフィールを見ると、公共FMで1年目の方なども多くいます。だから、最初は「今、こんなことで悩んでいます」といった、ちょっとした書き込みでもいいんです。むしろそういう質問が飛び交って、身近な意見交換をできるほうが、さらに面白くなりそうですね。
前城:同感です。時には公共FM以外の話があってもいいと思います。オンライン飲み会を企画して、雑談などもアリでしょう。沖縄県内で公共FMはまだまだ進んでいないので、こういう場所はとても助かります。コロナで研修などが難しくなった今、公共FMサロンで今後も勉強させてもらおうと思っています。
まとめ
●方針を明確化し全職員で共有する
●指示だけではなく自ら行動する
●積極的に情報発信し仲間とつながる
3人の詳しいお話はサロンからご確認いただけます!
公共FMサロンでは、様々な公共FMに関する情報を多数掲載しております。今回、誌面で紹介しきれなかった“こぼれ話”などもサロン内限定でご覧いただけます。参加は無料!ぜひこの機会にこちらより参加ください。
※ジチタイワークスVol.14では、パートナー専門家による座談会の記事も掲載しております。
WEB版:https://jichitai.works/article/details/679
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