ジチタイワークス

【﨑田恭平リーダー育成塾】成功の法則、負けない心。Vol.1

「ジチタイワークスアンバサダー」就任記念 特別連載企画

令和3年7月、元・日南市長の﨑田さんが本誌のアンバサダーに就任いたしました。今後は、自治体職員の皆さんを応援する様々な取り組みや企画を、ともに実施していきます。今回はその第1弾!若手リーダーの皆さんに向けた内容です。

※下記はジチタイワークスVol.16(2021年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

Vol.1 今回の悩める職員

様々なメディアで発信されている「先進事例」を活用し、上司に取り組みを提案するのですが全く通りません……。

最後は“情熱”だと思います。付け焼刃の提案は通らない。

これまでの知見を活かして自治体職員の方を応援したい。

この度、ジチタイワークスのアンバサダーに就任しました﨑田です。このマガジンには、全国各地の自治体の先進事例やユニークな事例が取り上げられており、たくさんの“気づき”が詰まっています。公務員の皆さんや行政・政策立案に関わる仕事をする人たちへの認知度もどんどん上昇している印象です。創刊以来、私が日南市長時代に取り組んだ政策やインタビューなどを何度も掲載していただいており、そのクオリティーは常に高く、当時から非常に親近感を持っていたメディアでした。

そのジチタイワークスさんから、アンバサダー就任の依頼があり、最初の気持ちとしてはシンプルに嬉しく、光栄に思いました。しかも、3期目の不出馬会見をした直後、最初にオファーをくださった企業でした。「様々な取り組みを通して日本と地域を良くしていきたい」という熱い情熱を持って口説いてくださり、私も同じ志でこれまで仕事をしてきましたので、大変共感し、お引き受けすることに。そして、このような連載が始まることになりました。

全国の“事例”をスムーズに“横展開”させることの重要性。

私は、宮崎県庁職員として社会人のキャリアをスタートしています。厚生労働省への派遣時期も含めて、公務員を8 年半していました。県庁や国で仕事をしていると“横展開”というワードが出てくることがあります。これはある意味、行政の業界用語だと思いますが、“先進事例をほかの自治体へ広げていく”という意味で使われます。実際に成果を上げた事例をモデル化し、国や県が「この通りにやれば、補助金出しますよ」という感じで、導入を促すわけです。

公務員時代、これら横展開を促す業務に携わっていく中で、本質的に最も貢献できる役割は、「モデル化される(真似をされる)事例をつくる」ことではないかと思うようになっていました。自治体で試行錯誤しながら新たに具体的なチャレンジをすることは、クリエイティブで面白い仕事だと思うし、自分にも合っているなと。ゆえに市長時代は、既成概念にとらわれず、前例がないことにも積極的に取り組んだのです。

迅速な行動によるメリットは驚くほどに大きかった。

日南市では当時、“全国初” “九州初”“県内初”というプレスリリースを多く出しました。これはシンプルに取り掛かりが早く、前例のないことに取り組んだ結果であるわけですが、副次的な効果も多くありました。まず、メディアに取り上げられやすいということです。自治体が良い取り組みをしていても、なかなか取り上げてもらえません。でも、“初めての試み”という文言は、それだけでニュース性があるわけです。

次に、メディアに取り上げられると、結果的により多くの住民へ周知することができます。例えば、役所の広報紙に詳細を書いても、読むのは行政に関心がある人にとどまってしまいますが、夕方のテレビニュースに流れることによって、多くの人に知ってもらえます。さらに、役所が一生懸命頑張っていることを多くの住民に知ってもらうことにつながります。それをきっかけに、担当職員は、まわりから応援の声をかけられるようになりますから、非常にモチベーションが高くなっていきます。もう本当にメリットばかりです。

しかし、日南市のように、新たなチャレンジをすることを“良し”とする組織文化がなく、石橋を叩いて渡るような進め方をしている自治体が多いのも現実です。そこで、現場の行政職員も経験した立場から、現場の停滞した雰囲気を打破する方法を下欄にまとめてみました。ぜひご活用ください!

“先進事例”は最大の武器!上司に提案を通す方法

まず、個人の信頼力と情熱を蓄えていこう!

仕事はチームワークが全て。独りよがりな仕事の進め方をしていると、職場から信頼を得られないのは言わずもがな。上司に提案を通すには、応援してもらえる環境であることが大切。

先進事例の本質を確実につかみ切ること

事例を取り入れた提案をする前に、その取り組みがうまくいった本質の部分をつかみ切る。例えば、民間人マネージャーの登用事例。登用さえすればうまくいくような簡単な話ではない。

事例は必ずローカライズする

本質をつかんだら、自分のまちに落とし込んで考える。弱い部分があれば補う仕組みを。事例とは異なるアプローチで補うといった発想も大事。コピペ企画では、上司の突破は到底無理だ。

先進事例のような“予算”がとれない!

1.小さくてもいいので、とにかく始めよう!
スモールサクセスを積み上げ、次年度に予算獲得を目指すイメージを。

2.国や県が拠出する補助金を調べてみる!
国や県が拠出する補助金を調べてみる!

3.自ら敷居を高くせず、外部知見を取り込む!
スタートアップ企業との対話がオススメ。全国レベルでアプローチを!

 

モチベーションの低い“同僚”の目が気になる!

1.同僚の仕事を見て良い点を伝える。
気になるからこそ身を引かないこと。自ら積極的に褒めることから。

2.周囲の業務を広い視野で把握!
やりたいことだけでなく、職場全体のパフォーマンスを上げる意識を。

3.ふてくされ厳禁!良好な関係を維持
障壁があるからこそやる意味がある!あきらめずに理解を求めていこう。

第2回目は11月下旬にWEB上で掲載予定!

専用サイトはこちらから

※本連載は、WEBと交互に掲載予定。第3回目は本誌次号で掲載します。

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