ジチタイワークス

国が推奨し、WHOも勧告している最適な“教室環境”の実現に向けて。

平成27年にSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以降、その目的意識は、日本の教育の現場においても浸透しつつある。ところが、それらを学ぶ場となる“学校の教室”にも、SDGsの観点から改善が求められる課題があるという。

※下記はジチタイワークスVol.15(2021年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社LIXIL

意外な“盲点”になっている教室温度と学習意欲の関係とは。

教室において最適とされる室温は、文部科学省の学校衛生基準によって、“冬期の最も学習に望ましい条件は18~20℃”とされており、国際機関のWHOにおいても“冬季室温が18℃未満は不健康リスクが上昇する”と強く勧告している。しかし、100%に迫る勢いで、あらゆる施設に冷暖房の設置が進んでいるにもかかわらず、これらの基準を満たさない教室がいまだに多くあることは、あまり知られていないという。

「子どもの頃に過ごした、冬の教室を思い出してみてください。教室そのものは暖かくても、席に座ると、足元が寒くて勉強に集中できなかったという記憶がある人は多いはずです。実は、暖房の有無に関わらず、今でもこの状況は続いているのです」と、「LIXIL(リクシル)」の黒坂さんは指摘する。

実際、平成28年に実施された「冬の防寒対策に関する意識調査」では、98.7%の学校で暖房が設置されていながら、それでも74.5%の子どもたちが寒さを感じているという結果が発表されている。現在は、新型コロナウイルス対策のため、定期的に窓を開ける時間を持つ学校も多く、寒さを感じる時間も長くなっているという。これらが、学習効率や集中力の低下につながることは想像に難しくない。

環境問題への取り組みは、子どもたちの未来を考えること。

ではなぜ、暖房が設置されているにもかかわらず、学校の教室は寒いのだろうか。同社が九州北部で行った実証実験では、その理由が分かりやすく結果として出ている。「調査を行った学校では、熱の約58%が窓の開口部から流出していました。つまり、せっかく暖房を使って、暖かい空気を教室に入れても、窓の伱間などからどんどん熱が逃げ、逆に冷たい空気が流入していたのです」。現在の学校のほとんどは、人口が増加した昭和40年代後半から50年代に整備されたものが多いため、最近の設備に比べ気密性が低く、改修も進んでいないといった状態が影響しているという。

やむを得ない事情があるとはいえ、これは、エネルギーの無駄使いといわれても仕方がない状況だ。SDGsの観点においてはもちろんのこと、教育的観点においても大きな影響があるのではないだろうか。

「環境問題に関心を持っているのは、むしろ子どもたちなのです。自分たちの未来である、地球のこれからのことを真剣に考えています。彼らの将来に直結するこれらの課題に対し、率先して取り組み、改善する姿勢を見せることが大切だと思います」と語る。特に、CO2の削減・排出を総量のバランスで考える「カーボンニュートラル」の取り組みは、ヒトがCO2を排出する側である以上、当然の行動だと考える子どもたちが多いとのこと。「教室の問題も根っこは同じです。身近なエネルギー問題を通じて、この問題を自分たちのこととして考えるきっかけになればと、私たちは思っています」。

断熱内窓を設置することでカーボンニュートラルに貢献。

では、環境に負荷をかけぬよう教室内を快適にするためは、具体的にどのような対策ができるのだろうか。「設置が簡単でありながら効果的なのは、断熱内窓の採用です。導入により、高い断熱性を保てるようになるので、暑さ・寒さの改善につながります。また、窓からの熱の放出も防ぐので、省エネ効果が期待できます」。これらはカーボンニュートラルの実現に向けたCO2削減に寄与すると同時に、経費の節約にも大きく貢献するという。

別の方法として、校舎そのものを建て替えるというやり方があるが、予算的に現実的ではない自治体がほとんどだろう。エネルギーをさらに消費してしまうことにもなる。できることからスタートし、持続可能な範囲で努力を続けることがSDGsだとすれば、現状の設備を活用するこのような取り組みは、有効的な手段の1つといえるだろう。

LIXIL
ハウジングテクノロジージャパン
営業本部 リフォーム推進部
黒坂 幸二(くろさか こうじ)さん

有識者の声

持続可能な社会に向けて、具体的なアクションを!

最新の学習指導要領では、校種を問わず“持続可能な社会の創り手”を育む教育が求められています。気候変動を肌身で感じる今、学校教育の現場では、当事者意識の醸成や、解決に向けた具体的な行動を創造する教育実践が急務となっています。

LIXILの取り組みは、教室から未来の持続可能な社会を考える「挑戦・研究・具体的な行動」が実現している素晴らしいアクションだと思います。学校と企業がパートナーシップを組んで、持続可能な社会を目指す新しい教育デザインとしても魅力的だとも思います。

新渡戸文化中学・高等学校 統括校長補佐
一般社団法人 シンク・ジ・アース コミュニケーター
山藤 旅聞(さんとう りょぶん)さん

最適な室温を教室で保つために有効とされている断熱内窓とは。

気候変動による猛暑やコロナ禍の影響が広がる中、教育現場の環境がどのような状況になっているのかを把握するため、同社は令和3年1月に実証実験を行った。

断熱内窓の実証実験

調査対象校:九州(北部)

[調査内容]小学校のクラスに防音・断熱内窓を設置し、未設置のクラスとの温度差などを計測。

断熱内窓を設置していないクラスの温度(左)と設置済みのクラス(右)の比較。室内の平均温度と足元の温度が、かなり上昇しているのが確認できる。

1.内窓設置により適性温度を保持

開口部からの熱の流失が抑えられたことで、室内温度が低下せず、適性温度である18℃を上まわる時間が約2時間30分増えた。

2.適性温度への回復速度が向上

換気をした後、適性温度18℃まで戻りにくかった教室が約10分で快適になるようになった(未設置の場合、1時間近くかかっていた)。

3.室内の上下温度が均等化

暖められた室内に窓から冷気が入ることで、胸元と足元の温度に大きな差が出てしまう「コールドドラフト現象」を、内窓の設置によって軽減。

カーボンニュートラルにも直接寄与

断熱性を上げることで無駄をしっかりシャットアウト。設置状況によって異なるが、エネルギー消費(電気使用量)を約30%削減することが可能。内窓の設置で、カーボンニュートラルだけでなく、コストの削減にも寄与できる。

LIXILが提供する断熱内窓製品

防音・断熱内窓製品「インプラス」は、現在ある窓の内側から設置することが可能な製品です。足場の設置など、大規模な工事をすることなく設置できますので、教室の窓などへの施工をオススメしています。結露を軽減する効果などもあります。

お問い合わせ

株式会社LIXIL

ハウジングテクノロジージャパン 営業本部 リフォーム推進部
住所:〒136-8535 東京都江東区大島2-1-1
E-mail:kouji.kurosaka@lixil.com(担当:黒坂)

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