【4STEPで分かる!未来のお金特集】
STEP1 公務員の人生に必要なお金
STEP2 資産づくりの不安と疑問Q&A ←今回はココ
STEP3 投資のキホンと押さえたいコツ
STEP4 どう投資すればいいの?重要キーワードは、長期・グローバル分散
初めての投資では誰もが不安を抱くもの。「投資って怖いイメージがあるけれど大丈夫?」「そもそも公務員に投資は必要なの?」「必要ならいつから始めればいいの?」など、資産づくりを始める公務員からよくある疑問について、STEP1に引き続き林さんがアドバイス!
※下記はジチタイワークス公務員特別号(2021年3月末発行)から抜粋し、記事は取材時(同年2月)のものです。
■監修・アドバイザー:埼玉県所沢市 財務部長 林 誠(はやし まこと)さん
Q.職が安定し、退職金や年金が出る公務員にも資産づくりが必要ですか。
A.資産づくりは自らの意思で行うもの。今後受け取る給与の総額と人生にかかるお金を計算し、退職時の資産額を予測した結果、必要ないと判断したのなら不要でしょう。大切なのは、資産づくりが必要かどうかを“自分で考える”こと。定年後、自宅の大規模リフォームを行う際や、親や配偶者が要介護状態になった場合でも資産は足りそうでしょうか?少しでも不安があるのなら、現在の資産状況の把握から始めましょう。資産とローン、それぞれの総額がいくらあるのかを可視化し、さらに将来予想される支出額を負債に加えます。資産から負債を差し引き算出された額がマイナスであれば、その額を退職までに用意できるよう、投資商品などを上手に活用してお金を増やしておくと安心です。
Q.公務員でも貯蓄ではなく投資を重視する必要がありますか。
A.貯蓄より投資を選択するべき、ということはありません。貯蓄と投資、どちらが自分のライフプランに合っているのかを考えて方法を決定しましょう。とはいえ現在は金利が低く、貯蓄のみで資産を大きく増やすのは難しいといわざるをえません。投資を始める場合は、リスクとリターンの関係を知り、自分にふさわしい商品を探しましょう。資産状況や年齢、必要な資産額に合わせて、組み合わせを考えるといいですね。コツコツ楽しみながら投資するなら、長いスパンでみていくといいでしょう。
Q.投資にはギャンブルのような「怖い」イメージがあります。
A.投資商品は元本が保証されないこともあるからか、ギャンブルのようなイメージを持つ方が多いようです。投資をして資産が減ってしまうのが怖いと感じることもあるでしょう。投資を行う際は、減らしたくない資産から投資資金を捻出しないよう気をつけましょう。減っても困らない、家計の余剰金を投資にまわせば少々の損失が出ても大きな不安は生じません。短期的に損失が出ても、長期的にはプラスに転じることもあります。
Q.投資しようにも元となるお金がありません。
A.「とても投資をするようなお金はありません」という方がいますが、本当にお金がないなら、なおさら投資が必要かもしれません。以前は株式投資といえば100万円単位の資金が必要でしたが、最近ではごく少額から行えますから、お小遣いの範囲でも十分に始められます。また、公務員の給与は安定しているので、毎月一定の金額を投資や積立にまわしやすいという特徴もあります。数千円からでも投資は可能ですから、一攫千金をねらわずに、無理のない金額から始めるといいでしょう。
Q.資産運用はいつから始めればいいのでしょうか。
A.資産運用を始めるのに、いつまでに始めなければならないということはありません。始めたいと考えたときが始めどきです。ただし、なるべく早く始めた方が、無理なくお金を貯めていけるのは確かです。なぜなら、投資期間が長期になるほど複利効果によるメリットを得やすくなりますし、毎月一定額を投資する場合、月々の投資額も少額で済むからです。だからといって、50代以上からの投資は遅すぎる……ということはありません。お金や経済について学びたい気持ちで投資を行うのであれば、何歳から始めてもいいと思います。まず一歩を踏み出しましょう。
Q.具体的にいくら資産をつくればいいのでしょう。
A.いくらぐらいの資産があればいいのか、その額は一人ひとり異なるものです。未婚か既婚か、子どもは何人いるのか、両親は健在か、持ち家か賃貸か、めざす生活水準はどの程度か……状況や理想によって、将来必要になるお金の額は変わります。まずは定年までにどのくらいの資産を持てばいいのかを計算してみましょう。夫婦で公務員、定年まで共働きというケースであれば、もしかすると資産運用は必要ないかもしれません。今から資産づくりを始めるとしたら、いつまでにいくらあればいいのか。それを自分で考えるところから始まるのです。
その他のQ&A
Q.投資してみたのですが、値動きが気になって仕事が手につきません。
A.未来の安心のための資産づくりなのに、お金に振りまわされては本末転倒。どうしても株価が気になり勤務時間中に何度もチェックしてしまうようであれば、投資ではなく貯蓄を選択しましょう。もしくは、積立式の預金のように毎月定額を投資にまわせる投資信託やiDeCoなら、不安なく行えるかもしれません。これらを入口にして慣れていくのも手です。
Q.お金に関することをどうやって勉強したらいいのでしょう。
A.まずは株式を1銘柄だけ買い、しばらく保有してみてください。実際に株式を持つなかで、その株式を発行している企業の動向、業績等を調べるようになり、自然とお金についても理解できるようになるはずです。また、経済新聞やテレビの経済番組をチェックするだけでも勉強になります。気になる企業の株価や業績もこまめに確認するとよいでしょう。
Q.家は買った方がいいのでしょうか、借りた方が得なのでしょうか。
A.家を買うと家賃はかかりませんが、ローンと固定資産税の支払いが発生します。賃貸に暮らし続ける場合、定年後も家賃を支払い続けなければなりません。どちらも得する面もあれば損する面もあるのです。住宅に関しては、損得ではなく今後どのような生活を送りたいのかを主軸に考えるといいでしょう。
Q.まわりに投資している先輩はいなかったので、今一つピンときません。
A.以前の公務員は退職金や年金などで優遇されていたことから、投資に関心を持つ必要性が低かったのでしょう。時代が変わり公務員の退職金や年金が減額されている今、改めてお金としっかりと向き合うべきだと思います。同世代の人たちは同じような心配を抱えているはずですから、ざっくばらんに相談してみてはいかがでしょうか。