2020年6月に発行した「ジチタイワークス特別号~公共FM~」。好評の声を受け、臨時企画として新たに3つのコンテンツをご用意いたしました。今回は第2弾のご紹介です。
ジチタイワークス特別号 本編はこちらから
臨時企画 第1弾:「公共施設管理 自治体ニーズ調査2020」はこちらから
臨時企画 第3弾:「“デジタル管理推進”で地域の施設を未来に活かす」はこちらから
“公共FM”の概念は行政において浸透しつつある。しかしコロナ禍によって公共施設の運営も影響を受け、施設マネジメントの取り組みを先送りにする自治体も目立ち始めた。果たしてこれでいいのだろうか。東洋大学客員教授の南さんは、こうした風潮に対し「自治体がシフトチェンジできなければ、地域の未来は閉ざされる」と警鐘を鳴らす。本稿では、コロナ禍で公共FMの何が変わり、どう対応すればいいのかを伝えていく。
コロナ禍によって突き付けられた公共FMの新たな課題とは?
コロナ禍は、社会全体を巻き込みながら様々な課題を浮き彫りにした。自治体においても同様で、現場は“新しい生活様式”の対応に追われている。その流れの中で置き去りにされがちな公共FMだが、南さんは「コロナ禍は公共FMの分水嶺になるでしょう。ここで歩みを止めてはいけない」と力説する。なぜなら、公共FMにおいてもコロナ禍の影響は大きく、自治体もそれに応じた意識の転換と迅速な対応を迫られているからだ。南さんは主な影響として、以下の2点を挙げる。
(1)公共施設の本質が問われるようになった
人を集めて行政サービスを提供することで“機能”を果たしてきた公共施設だが、新型コロナ対策では長期間の休校、休館など人が集まることが否定された。“機能”は施設(ハコ)なしには成り立たないのか、公共施設の新様式はどのようなものが考えられるか、という議論が必要とされる。
(2)財政状況がさらに悪化した
公共FMは本来「全ての公共施設を建て直し続ける財政的余裕はない。優先順位を付け、新たな活用法を考えていこう」というのが出発点だ。そこへさらにコロナ禍による経済の悪化がもたらす税収減、赤字国債の乱発による国の財政ひっ迫という問題が上乗せされる。地方創生臨時交付金が確保されたといっても、一時のことで未来からの借金でしかない。
こうした現実は、自治体にとっては頭の痛いところだが、問題を直視しなければ公共施設に未来はない。南さんは現状を乗り越えるための思考プロセスを次のように整理してくれた。「自治体はまず、公共施設が過去の税金で形成された社会資産なので、最大限に活用し、時には現金化することも考える。また、現在の税金を効率的に使う。その上で将来の税収を予測し、優先度を客観的に判断しながら効果的な資金配分をしていくことが必要です」。
これらによって、“未来の税金の先食い”に歯止めがかかり、新たな展望が開ける。ここからは、ポストコロナ社会における具体的な公共FMのあり方を述べていきたい。
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続きはホワイト―ペーパーにて。ダウンロードご希望の方は下記問い合わせ先よりご連絡ください。
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【特別号JUNE2020臨時企画①】公共施設包括管理 治体ニーズ調査2020 アンケートから読み解く公共施設包括管理の現状
【特別号JUNE2020臨時企画③】地域の施設を未来に活かすための “デジタル管理推進”の意義とは