管理計画(抽象)をアクションプラン(具体)へ。公共FMの“はじめの一歩”である包括管理について、検討から実施までの流れを改めて整理しましょう。
各フェーズのポイントについて、全国で様々な自治体の包括管理を手掛ける「日本管財」のマーケティング推進部 部長の中島さんと管理運営企画部 部長代理の深日さんにお話を聞きました。
※下記はジチタイワークス特別号 June 2020(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 日本管財株式会社
①包括管理はあくまで“手段”。それによる横断的な施設情報の蓄積が公共FMの基盤に。
包括管理は、各自治体の公共施設等総合管理計画をもとにした施設の最適配置、施設の効率的な利活用といった公共FMを推進していくための一つの手段に過ぎません。そのメリットは、専門的かつ横断的に施設管理をすることにより、施設の状態や活用に関するデータを正確に集約・蓄積できること。
例えば当社では、日常的に行う施設管理において、保守点検結果や巡回点検結果など、劣化情報の収集などに加え、施設の保全の優先順位を判定する調査を実施しています。これらが統廃合や複合化といった施設の最適配置を検討するに当たっての“土台”となるのです。
⑦合意形成と周知徹底のために庁内のセミナーも開催。
包括管理の導入に当たっては、所管課との合意形成が必須です。例えばある自治体では、庁内向けのセミナーを開催。住民の安全確保や自治体の財政危機といった現状から、「コスト」「導入フロー」「導入後の課題」といった項目に対する質問まで、参考事例を挙げつつお答えしています。座学による研修だけではなく、自治体職員様が実際の建物で劣化の評価方法を学ぶ実地研修も実施しています。
⑧包括管理の対象範囲のポイントは「小規模修繕」まで入れること。
委託業務の範囲では、小規模修繕を入れるかどうかがポイントです。ドアの建付けが悪い、電球が切れた、などの日常的に発生する、小規模な修繕の対応から管理までを任せれば、事務の負担が大幅に減ります。具体的な負担軽減効果は、各自治体の施設の数や状態によって異なるため、個別の状況に合わせて試算をしています。
⑮始める前のルール設計・関係づくりが円滑に進めるカギ。
包括管理は、所管課とのリアルタイムな連携が必要です。事業のスタート前には、問い合わせのフローや報告方法、報告内容などを綿密な打ち合わせを繰り返して整備していきます。また、多くの所管課や施設のご担当者様は新しい手法に不安と戸惑いを覚えるもの。そこで当社では、事業開始前に改めて各施設や所管課にご説明や挨拶に伺うなどして、スムーズに連携が取れるような関係づくりを意識しています。
⑰自治体様と物理的・心理的な距離の近さで、ともに公共FMを。
管理が始まると、包括管理業者は、担当課や施設の所管課と常に連携が必要になります。そのため当社では、庁内や近場に拠点を置いています。情報のタイムラグを生まない物理的な距離の近さや、情報共有するための仕組みの構築が重要です。また、包括管理業者と信頼関係を築けるかどうかも、業者を選ぶ際の重要な要素です。
⑱定例会で情報共有。
各施設の保守・点検・修繕などの個別案件の進捗報告は、システム上で随時行われます。そのため、月1回の包括管理担当課様との定例会では、それらの報告は不要。各施設状況を横断的に把握・分析し、施設の利用状況や大規模な修繕に関わる事象のみを報告・相談しています。これらの蓄積が施設の最適配置の判断材料となっていくのです。
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包括管理はまだまだ事例が少ない分、決まった正解があるわけではありません。当社では各自治体様の事情や特性に合わせたご提案・業務構築を行っております。包括管理をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
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