ジチタイワークス

広島県

住民の“本音”を見える化し、子育て支援を加速させる。

アンケートの自動集計・分析システム

紙で集めるアンケートは、集計の負担が大きい上、結果を活かし切れていないという自治体も多いようだ。そこで広島県では、子育て関連のアンケートを電子化。集計や分析に要していた時間を短縮し、施策の検討に役立てているという。

※下記はジチタイワークスINFO.(2025年9月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]日本情報通信株式会社 

広島県
健康福祉局 子供未来応援課
左:主任 長井 渉(ながい わたる)さん
右:主事 加藤 丈登(かとう たけと)さん

アンケート結果をすぐに確認でき、施策改善に活かす体制が必要だった。

同県では、保健師や保育士などの専門職が、妊産婦や子育て家庭の不安や悩みに寄り添い、見守りや支援を行う仕組みづくりを進めている。これは「ひろしまネウボラ」として展開され、県内23市町のうち21市町が参加。それぞれの相談窓口では、定期的な面談などを通じて、子育て家庭の心のよりどころとなる場所を目指しているという。

「施策の見直しや効果検証のため、面談時や施設の利用時にアンケートをお願いしています。かつては紙でアンケートを実施しており、市町から回答用紙を集め、集計は外部に委託していました。結果を受け取るまで3~4カ月かかるので、施策改善が後手にまわってしまうことが課題でした」と長井さん。「紙のアンケートは設問数が少なく、得られる情報が限られていたため、住民の困り事や支援ニーズの把握は、市町への聞き取りに頼っていました」。

そこで「日本情報通信」が提供するアンケートシステム「クアルトリクス」を導入し、これらのアンケートを電子化。スマホで二次元コードを読み込んで回答する仕組みだ。集計作業の効率化に加え、自由記述設問の追加や、市町ごとの設問カスタマイズも可能になったという。

住民のリアルな声を可視化し、市町ごとの施策を後押しする。

こうして県では、任意のタイミングで集計結果を把握できるようになった。「月平均で330件ほど寄せられる回答は、即座にダッシュボードへ反映され、グラフなどの見やすい形で表示されます。県では週に1~2回程度、集計状況を確認しています」。一方、市町には月に1度、メールで集計結果が自動配信される。結果に関して問い合わせがあった際には、ダッシュボードを確認し、データの提供や助言に役立てているそうだ。

同システムの導入により、地域ごとのニーズを丁寧に拾い上げられるようになった。「子育て支援における課題は地域ごとに異なります。市町からは、“独自の設問を追加して動向を見たい”との声もあるので、これらに応え、施策の後押しにもつなげたいです」。さらに、住民にもメリットがあるそうだ。「日々忙しい子育て家庭でも、時間や場所を気にせず回答できるので、率直な意見を寄せやすいのではないでしょうか」と加藤さん。

また、自由記述の回答は、AIが感情を読み取ってスコア化してくれるという。「時間に関する記述が多くあり、そこから、スムーズかつスピーディな面談や健診を望む傾向が読み取れたので、施策改善のヒントになりそうです」。市町においては、住民からのポジティブなコメントが、相談対応に当たる職員にとって大きな励みになっているそうだ。

既存の調査データを取り込み、経年での変化も追跡できる。

システムの導入・運用においては、同社のサポート体制も手厚い。職員が自走できるようなマニュアルの提供に加え、月2回の定例会議で情報交換を行っている。操作方法や、アンケートの分析方法についてアドバイスを受け、議論を重ねることで、活用の幅が広がっているそうだ。また、今後は市町でも集計結果を随時確認できる体制を予定している。「県が全体の状況を見守りながら、市町独自の施策も展開しやすくなることを期待しています」。県・市町それぞれが、年単位での評価や変化を追跡することで、長期的な傾向の把握や事業計画の振り返りにも役立てていく方針だという。

同システムには、ほかの調査データを取り込むことも可能だ。「別で実施している、子育てに関する意識調査で得た回答を取り込み、経年での変化を分析することも検討しています」。アンケートで集めた声は、住民の希望をくみ取るための貴重な財産だ。集めて終わりではなく、これらを活かし、さらなる施策の改善につなげていくことが期待される。

他分野における活用も

1つのアカウントで複数の部署がアンケートを作成できるので、他分野への展開もしやすい。


   

お問い合わせ

日本情報通信株式会社

東京都中央区明石町8-1
聖路加タワー15F

TEL:090-2738-3234
Email:public_information@niandc.co.jp

お問い合わせ・詳細はこちら

メールで問い合わせる

※は必須項目です
記事タイトル
自治体名
部署・役職名
お名前
電話番号
メールアドレス
ご相談内容

ご入力いただきました個人情報は、ジチタイワークス事務局がお預かりし、サービス提供元企業へ共有いたします。
ジチタイワークス事務局は、プライバシー・ポリシーに則り、個人情報を利用いたします。

上記に同意しました

このページをシェアする
  1. TOP
  2. 住民の“本音”を見える化し、子育て支援を加速させる。