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CO2排出量を約20%削減できるごみ袋
環境負荷を軽減するごみ袋の導入は、コストが障壁になることも少なくない。豊中市では取っ手付きタイプをつくるにあたり、「日本サニパック」の環境配慮型ごみ袋を採用。従来製品と同等のコストで、CO2排出量を約20%削減できるという。
※下記はジチタイワークスVol.36(2025年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]日本サニパック株式会社
豊中市
環境部 家庭ごみ事業課
左:課長補佐 坂口 治(さかぐち おさむ)さん
資源化推進係
右:係長 田中 隆雄(たなか たかお)さん
新たなごみ袋をつくろうと考えたが、承認事業者から難しいという回答が。
指定ごみ袋制度を、平成16年から導入している同市。従来は平袋のみだったが、住民から取っ手付きの要望が寄せられていたという。「結んで持ち運びしやすいことから、特に高齢者からの声が多く、令和3年より検討を始めました」と、家庭ごみ事業課の坂口さん。時を同じくしてジチタイワークスの記事を読み、兵庫県西宮市(にしのみやし)が環境配慮型ごみ袋を導入した事例を知ったのだそう。「先進的な取り組みだと感じました。せっかくつくるなら、CO2削減につながるごみ袋にしようと考えたのです」と当時を振り返る。
そこで、“CO2排出量10%以上削減”を掲げて9社の承認事業者に相談したところ、“そこまで減らすのは難しい”という回答が返ってきたそうだ。平袋には高密度ポリエチレンを使っており、これとは別に新たな素材を用意する必要がある点がネックだった。
「製造工程が煩雑になりコストも高くつくということで、色よい返事は得られませんでした。初めて指定ごみ袋をつくるというゼロからの出発であれば、事業者を募るのは簡単なのかもしれません。ところが既存製品に加えて素材を増やすとなると、ハードルが高いのだなと痛感しました」と、同課の田中さん。製造事業者が見つからず行き詰まる中で手を挙げたのが、西宮市の指定ごみ袋を製造していた同社だった。
同じ価格帯でCO2も削減できる、環境に優しいごみ袋を採用へ。
ごみ袋の開発から製造までを自社で行う同社。主力製品の「nocoo(ノクー)」は、独自開発した天然ライムストーン(炭酸カルシウム)を配合した環境配慮型ごみ袋だ。ポリエチレン100%の袋と比較すると、燃焼時のCO2排出量を約20%減らすことが可能※。しかも、国が推奨するバイオマスプラスチックを使ったごみ袋と比べて、コストが低いのも強みだ。
「バイオマスだと価格が2~3割ほど高くなると想定していたので、手に取ってもらえないのではという懸念がありました。同製品は、従来のごみ袋と比べてもわずかに高い程度で販売できます。しかも大手メーカーなので、安定供給をしてもらえるという期待もありました」と坂口さんは語る。
品質面に関しても、従来製品と同程度と話す田中さん。「厚さは当市の規格である0.02mmで製造しています。引っ張り強度に関しては、住民から“袋が裂けた”という声はありましたが、JIS規格を満たしていることを伝えると納得してもらえました」。素材は異なるものの、規格を満たした品質を維持することで住民の安心感を支えているそうだ。
販売店の最新情報を知らせて認知度を着実に向上させていく。
導入からおよそ半年。同社が販売店を開拓していることもあり、販売数は少しずつ増えているという。また、住民への周知を図るために、市のホームページに販売店を掲載。新たに販売店が増えた場合は課内で共有し、随時情報を更新しているそうだ。
「同社のおかげで無事に販売にこぎ着けられて安心しています。事業者ごとに強みが違うので、新しいごみ袋を増やすにあたっては各承認事業者にヒアリングして、どこまで協力してもらえるのかを話すことが大切だと実感しました」と田中さんは語る。
坂口さんは、「実は販売するとき、本当に売れるのかなという思いがあったんです」と打ち明ける。「焼却するものですから、環境よりも価格だけを見るのではと思っていました。ところが私の思いとは逆に販売量が増え、うれしい誤算でした」と笑顔を見せる。
2人は、“とって付きごみ袋”の種類がもっと増えれば、家族構成に合わせて使い分けがしやすくなると期待しているそうだ。「今後さらに販売店が増え、住民がより利用しやすいごみ袋になればいいなと思っています」と、共通の思いを話してくれた。
導入実績
自治体 兵庫県西宮市
令和4年に初めて指定ごみ袋制度を導入し、市花などを描いたnocoo(ノクー)を採用。分別方法の問い合わせが増え、住民の意識向上によりごみ収集がスムーズになった。
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● 兵庫県芦屋市
● 埼玉県戸田市
● 東京都渋谷区
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