柔軟に変更できる自動音声応答システム
住民からの電話が多いと、対応に追われてしまう。年間約4万件を受電していた前橋市の国民健康保険課では、業務負担を減らすため、自動音声応答システムを導入。職員対応件数が約31%も減り、手応えを感じているという。
※下記はジチタイワークスVol.35(2024年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社電話放送局
左から
前橋市
健康部 国民健康保険課
左:主任
兒島 航也(こじま かずや)さん
右:主任
柄本 洋祐(えもと ようすけ)さん
住民からの問い合わせが多く、時間外業務が発生していた。
多いときは1日200件以上の電話があり、負担になっていたという同課。「電話応対に時間を取られてしまい、通常業務が思うように進んでいませんでした。必然的に時間外業務が増え、新しいことに取り組みにくい状況につながっているのではと気づいたんです。そこで、自動音声応答システムを導入できないかと考えました」と兒島さんは振り返る。
早速、庁内の受電数を調査したところ、同課に加え、社会福祉課と介護保険課が特に多かったという。「そのほかにも15課がシステムに興味を示したため、管理部門と相談し、受電数が多く、なおかつ簡易な問い合わせが多い当課で試験導入することになりました」。
プロポーザルを実施し、4社のサービスを比較する中で重視したのは“番号が変わらないこと”だ。「フリーダイヤルや050から始まる番号に変えねばならないサービスが多いようですが、住民にも職員にも負担がかかるため、そのままの番号が理想でした」。さらに“音声の滑らかさ”も重視したそう。「機械特有の不自然さがあると聞きづらいので、イントネーションやスピードを含め、自然に聞こえるものを探していました」。検討の結果、最も条件を満たしていた、「電話放送局」のシステムを導入することになった。
対応する件数が約3割減り、同じ話をするストレスも軽減。
同社のサービスは、ノーコードで簡単にコールフロー※の設定・変更が可能で、音声テキスト化やSMS送信など、様々な機能を自由に組み込むことができる。また、創業から45年にわたり電話の自動化に特化してきたという豊富な経験を活かした伴走支援を行っている。
「導入時のコールフロー作成までは行う会社も多いのですが、同社はその先のサポートも手厚いのが魅力です。毎週の打ち合わせで一緒に状況を検証しながら、より簡潔で離脱しにくいコールフローを目指しています」と柄本さん。また、並行して取り組んだのが、ホームページの見直しだ。「どんな問い合わせが多いのかを調べたところ、国民健康保険(以下、国保)の加入や脱退がほとんどを占めていることが分かったんです。そこで、ほかの項目とはページを分け、より分かりやすい説明に変更しました」。
令和6年6月から試験導入して約3カ月の時点では、昨年度と比較すると職員の対応件数が約31%減り、電話応対が約211時間分も減ったのだそう。「音声ガイダンスのほかにも、ホームページを見て疑問を解消する人が増えたことで、職員の負担軽減につながり、まさに相乗効果が出ていると考えています」。現場からも“毎日何度も同じ説明をするストレスがなくなった”“専門的な対応に専念できる”といった声が寄せられているという。
“そぎ落とす”勇気をもつとうれしい成果が待っていた。
同社と改善を重ねてきたコールフローは、すでに6バージョン目。いつもアドバイスをもらうのは“とにかくシンプルに”ということだそう。「役所は説明が漏れることを恐れ、説明が冗長になりがちです。例えば、当初は冒頭のメッセージに“職員への転送は午前8時半から午後5時15分まで”という案内を入れていましたが、指摘を受けて削除しました」。
その結果、心配していたクレームやトラブルは0件だったそう。「業務については私たちの方が当然詳しいですが、同社はコールフローのプロ。その視点で情報を削ってもらえるので参考になり、実際に離脱も減りました。勇気をもってそぎ落とすことの大切さを実感しています」。
十分な成果が得られたため、本格導入を目指し予算獲得に向けた準備を進めているという同課。興味をもっている課を対象にした勉強会も予定されているという。「自動音声応答システムは業務負担を減らすサービスだと実感していますが、自治体に広がっていないのが現状です。まずは当市の庁内で横展開し、さらに全国に広がればいいなと思っています」と兒島さんは抱負を語ってくれた。
創業から45年のノウハウで自治体の課題解決に寄り添う
同社では、多様化する住民ニーズや問い合わせに対応するサービスを提供し、自治体の課題解決を支援している。
■柔軟な対応により様々な業務で活用しやすい
1. 多彩な機能で自由にコールフローを設定
SMS送信のほかにも、音声合成、音声認識、API連携など、様々な機能をコールフローに組み込むことができる。また、通話で取得した情報をもとにSMSを送信し、名前や住所などのデータを修正できる機能も備えている。
2. カスタマーサクセスチームが伴走支援
システム導入が決まると、各種サポートを行う専任チームが結成される。導入後も、構築代行や操作説明トレーニング、コールフロー設計などの幅広い支援により、各課の実情に合った自動化を目指す。
3. 生成AIによる電話応答のプロジェクトも進行中
自動音声応答システム分野でも注目されている“生成AI”。同社でも標準搭載を視野に入れて、プロジェクトを進行中だ。ユーザーの自然発話に高い精度で応答するなど、よりスムーズな応対が可能になるという。
■ドラッグ&ドロップで簡単に操作できる
コールフローが視覚化されており、着信後の項目を、ドラッグ&ドロップで簡単に組み替えできる。自然災害などの外部要因で変更を余儀なくされた場合も、迅速な対応が可能だ。
導入前に、デモ視聴・体験ができる!
初めて自動音声応答システムを導入するとなると、使い勝手が気になるもの。簡単な利用登録をするだけで、デモ視聴や体験が可能。詳しくはこちらから。