ジチタイワークス

愛知県大府市

外国語対応での“伝わりづらさ”を解消し、窓口の対応をスムーズにする。

自治体に特化した翻訳ディスプレイ

在留外国人やインバウンド需要が増える中、自治体で外国語対応が必要な場面は増えつつある。大府市では、透明のディスプレイ越しに相手の表情を見ながら会話ができる翻訳ツールを窓口に設置。導入の経緯や使い勝手について話を聞いた。

※下記はジチタイワークスINFO.(2024年7月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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給付金事業の開始で、外国人住民の窓口来庁が予想されたのがきっかけ。

中小企業が多いことから、技能実習生の受け入れが盛んで、近年、在留外国人が増えている同市。「実習終了後に、そのまま定住される方も多く、現在は約3,000人の外国人住民がいます。そのうち、約3分の1はベトナム国籍の方が占めており、ほかにもアジアを中心に約30カ国の住民がいる状況です」と小林さん。窓口で外国語対応が必要となった際は、スマホ型の翻訳機のほか、翻訳テキストやイラストを指差して意思疎通を図るコミュニケーションボードなどを用いて対応していたという。

そうした中、地域福祉課では令和5年12月から低所得世帯向けの給付金事業を実施。対象世帯には多くの外国人世帯が含まれており、窓口での外国語対応が増えることが予想された。その際、「ICTの活用による持続可能なまちづくりに関する包括連携協定」を結んでいる「ソフトバンク」から紹介されたのが、「TOPPAN(トッパン)」が提供する翻訳ツール「UCDisplay(UCディスプレイ)」だったという。同製品は、手元のマイクで音声を拾い、翻訳内容を透明の大型ディスプレイ上に文字で表示できるもの。「話す内容が瞬時に画面に表示されると聞いて、窓口でのやりとりがスムーズになるのではないかと考えました。そこで、まずは臨時に開設した給付金窓口に設置して、試すことにしたのです」と山本さん。
 

大府市窓口で活用中

地域福祉課の窓口に常設。準備が不要で、必要な場面ですぐに利用可能。

手元のタブレットでオンオフや文字サイズ変更などの操作、キーボード入力が可能。

互いに表情を見ながら会話でき、コミュニケーションが容易に。

一般的に使われているスマホ型などの翻訳機は、会話の際に視線が手元に落ちてしまう。一方で同製品は、透明のディスプレイ越しに相手の顔が見え、より自然なコミュニケーションができるのだという。「表情を見ながら会話をすれば、相手が内容を理解しているかがすぐに分かります。伝わっていないと思えば、簡単な日本語に言い換えることで、スムーズに会話が続けられます。また給付金事業では、支給要件などに理解の相違があってはなりません。正しく情報が伝わっているか確認できるのは、とても心強いです」。

さらに同製品は、総務省が所管する情報通信研究機構(NICT)が開発した国産翻訳エンジンを搭載しているのも強みの一つだという。英語・中国語・韓国語・ベトナム語をはじめ13言語に対応でき、「在留資格」「戸籍謄本」など、自治体で使用頻度の高い3, 000語以上が事前に登録されている。そのため、専門用語の多い窓口でも高い翻訳精度を誇るという。さらに、地域で使用する独自の固有名詞なども追加で登録できるそうだ。

同市では、2週間試してその効果を感じ、給付金事業が本格化する令和6年2月から正式に導入。現在は同課の窓口に常設し、年末まで実施される給付金事業での活用を見込んでいるそうだ。

※国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
 

全住民に向けたサービス向上に、今後もICT活用を拡大していく。

「操作は直感的にできるので、使い方の説明はほとんど不要で、どの職員も問題なく使えています」と山本さん。また、ディスプレイ型による思わぬメリットもあったそうだ。「給付金の相談には、複数人で来庁する外国人住民が多いのです。全員に共通する内容は、一緒にディスプレイを見て理解してもらえたので、それぞれに説明する手間が省けました」。

また、同市では外国語対応に使用しているが、同製品はさらに活用の幅を広げることが可能だという。マイクによる音声認識のほか、キーボード入力もできるため、発話が難しい人や耳に障害がある人との意思疎通をサポートできる。近年、需要の高まるユニバーサルコミュニケーションの観点でも応用でき、多様な窓口対応の実現を目指せるのだという。

ICT活用を様々な分野に広げていきたいと考えている同市。今後も、デジタルの力を適切に活用しながら、外国人を含む全ての住民へのサービス向上を目指していくそうだ。

左から
愛知県大府市
福祉部 地域福祉課
福祉政策係長※ 山本 真嗣(やまもと まさし)さん
市民協働部 文化スポーツ交流課
多文化交流係長 小林 木綿(こばやし ゆう)さん

※役職は取材時のものです


自治体用語の登録一例

使用頻度の高い専門用語は、事前に翻訳エンジンに登録されている。

●市町村民税非課税世帯
●外国人雇用サービスセンター
●固定資産税課税標準額
●労働者災害補償保険法
など

〈対応言語〉
日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語

自治体の声から開発した目隠しフードを無料提供

ディスプレイ上に個人情報が映る懸念への対応として、同社では新たに目隠しフードを開発。“記事を見た”と問い合わせると無料でオプション追加が可能。詳しくは問い合わせを。

※令和6年12月末まで

お問い合わせ

サービス提供元企業:TOPPAN株式会社

担当:野阪
TEL:080-1100-4892
E-mail:ucdisplay@toppan.co.jp
東京都文京区水道1-3-3

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