異動を生かす働き方とは?『公務員の「異動」の教科書』著者、堤直規さんの教える仕事術。
第1回|上司との『人付き合い』
第2回|自治体の未来をつくる仕事術とは?
第3回|同僚との『人付き合い』 ←今回はココ
第4回|2部署目と3部署目以降の違いとは?
第5回|異動に備えて準備すべき引継ぎのコツとは?
第6回|失敗しない業務引継ぎの受け方とは?
第7回|異動はキャリアデザイン
第8回|一歩進んだOJTの受け方とは?
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.8(2019年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
1.「同僚との関係」は幅広く複雑
上司に比べると同僚についての相談は少ないように見えます。しかし、同僚との関係は、上司よりずっと複雑なものです。
あなたが主任だとしたら、上司は係長・課長補佐・課長・部長の4人ぐらいでしょう。
しかし同僚は、職場を中心に職場外も含めた幅広い先輩・同期・後輩がいて、濃淡様々な人間関係があります。しかも、将来の上司や部下は、その中にいるのです。
2.「弱点」を一つ見せておく
「仕事ができること」が大事だと思っている若手が少なくありません。しかし、「かわいげがあること」も大事です。職場で頼りにされる若手が、会計には疎くて頼ってくる。その方がいい感じですよね。
同僚に強がっても意味はありません。警戒され、ねたまれても仕事がやりにくくなるだけです。だから、自分から「弱点」を一つ見せておきましょう。すると、自分の「強み」も出しやすくなります。
3.「借り」を作ってから「返す」
仕事では「借り」は作らないほうがよいと思っていませんか?でも、職場では「借りを返す」人が信頼されるのが本当のところです。
仕事は一人ではできません。大きな仕事には多くの人の協力が必要になります。誰でも「借り」は嫌なもの。ちょっと助けてもらったら、それよりも少し多く返す。そんな積み重ねの中で、今の自分は誰々のおかげという「おかげ経験」をストックしていけると、将来に向けた大きな信頼につながっていきます。
参考:『公務員ホンネの仕事術』 p.3-5、16-47
2017年に学陽書房から『公務員の「異動」の教科書』を刊行。若手からベテランまで役立つ引き継ぎの方法や仕事の作法などを解説する。
講師PROFILE
小金井市企画財政部行政経営担当課長 堤 直規
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