ペーパーレス会議システム
自治体DXの推進に伴い、あらゆる資料のペーパーレス化は、コストと業務量の両面での負担減に効果的だ。そんな中、青梅市では介護認定審査会運営のペーパーレス化に取り組んでいる。その背景や詳細について担当者に話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.31(2024年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]富士ソフト株式会社
コロナ禍で委員が参集できなくなり審査会資料をペーパーレスに改革。
進む高齢化により、各自治体が頭を悩ませている問題の一つが、介護認定に係る業務の増大だ。同市も例外ではなく、年間約150回実施される審査会のたびに資料の作成や印刷、郵送などの事務作業が発生し、負担が大きかったという。さらに「特記事項などがある場合に追加の資料が必要になると、配付の手間もかかります。時には職員が直接審査委員のもとへ出向いて、差し替えをすることもありました。これらの業務負担軽減だけでなく、審査会の効率化という面でもほかの自治体と同様に、ペーパーレス化やオンラインでの実施へ徐々に移行する必要性を感じていました」と飛沢さん。しかし、体制面や審査委員の合意形成などに課題があり、実現には至っていなかったという。
そんな中、コロナ禍に突入。「審査委員が参集できない状況になり、急遽、審査会をオンラインで実施しなければならなくなりました。審査体制を一気に切り替えるのは難しいとはいえ、早急にペーパーレス化し、オンラインで対応しながらコロナ禍を乗り切る必要に迫られたのです」。
委員ファーストの審査会運営で徐々にオンラインへと移行した。
審査会をオンラインで実施するにあたり導入したのは、「富士ソフト」が提供するペーパーレス会議システム「moreNOTE(モアノート)」だ。「導入の決め手となったのは、データセンターが国内にあることや端末認証機能など、私たちが求める仕様や機能をもったサービスだったことです。特に認定審査資料の取り扱いには慎重を期すため、セキュリティ面の要望をクリアしていたことは大きかったですね」と、当時選定に関わった小笠原さんは話す。コロナ禍という緊急事態下とはいえ、急な体制変更に審査委員からの反発はなかったのだろうか。
「私たちも懸念しましたが、予想よりも好意的な意見が多く、混乱はありませんでした。事前に会長をはじめとする皆さんに同意を得ていたこと、導入時に同社に研修会を開いてもらい、操作方法などのレクチャーを実施した上でのスタートだったことも、スムーズに移行できた要因だと思います」。
実際に使用した委員からは“想像より使いやすい”“文字が拡大できるので読みやすい”という声が上がっているという。付箋機能など、紙と同じように直感的に操作できる仕組みが分かりやすく、よく活用されているそうだ。
「事務局業務に関しては、基幹システムと同システム間のデータ移行だけで済み、印刷や郵送、シュレッダー作業の手間が確実に減っているので助かっています」。
審査会運営の効率化&簡素化で委員不足の問題も解消していく。
同システムの活用は継続しつつ、現在は新型コロナが5類に移行したことで、再び参集スタイルで審査会を実施しているという同市。しかし、改めてオンライン化に向けての動きは進めていきたいとのこと。
「資料のペーパーレス化は進んでいますが、オンライン会議に使用するWEBカメラなどの設備の問題や、会議進行上の不安もあり、完全に移行できていないのが現状です。しかし、審査委員は、なり手不足の問題が深刻。一方で、申請件数は増加の一途をたどっています。早急に手を打たなければ、審査会のキャパシティーもどんどん不足していきます。事務局から審査会簡素化の提案をしていきたいと考えています」。
また、コロナ禍を経験したことで、多くの委員がオンライン化、ペーパーレス化のメリットを感じているようだ。飛沢さんは「今を過渡期として環境を整備しつつ、同システムに追加されている“事前判定集計機能”なども活用すれば、審査会自体を大幅に簡素化できると見込んでいます。今後も委員の皆さんの合意を得ながら、オンライン移行を進めていきたいですね」と展望を語ってくれた。
東京都青梅市 健康福祉部 介護保険課
左:係長 飛沢 和人(とびさわ かずひと)さん
右:小笠原 正人(おがさわら まさと)さん
便利な機能を活用することで審査委員の仕事をもっとラクに!
1. オンライン審査会機能
審査会の日程を選択すると、審査会資料とオンライン会議ツールを同時に起動。すぐに審査を開始できる。
2. 事前判定集計機能
委員が資料を見ながら、各申請者に対する判定結果や有効期間を記載。自由記載欄もあり、スムーズに審査できる。
※一部機能を令和6年3月にリリース
青梅市での成果
紙削減枚数
年間約6万枚※
※同市提供データより算出
CSV出力にも対応
審査会の判定結果をCSVで出力可能に。議事録として流用できるので、業務効率化につながる。
※令和6年3月リリースの新機能
お問い合わせ
サービス提供元企業:富士ソフト株式会社
プロダクト事業本部スマートワーク事業部
TEL:0120-937-467
E-mail:morenote@fsi.co.jp
東京都港区東新橋2-15-1
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