ジチタイワークス増刊号「感謝劇場」とは?
行政マガジン編集室が、事例紹介を中心とした通常号とは趣の異なる「増刊号」をつくりました。
「感謝・ありがとう」をコンセプトにした、その名も「感謝劇場」。略して、カンゲキ号です!
公務員の誰もが主人公になり得る、様々な視点での「ありがとうのドラマ」を取材し、紹介しています。
※下記はジチタイワークス 感謝劇場号(2024年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
●ジチタイワークス編集室で派遣研修に挑戦した公務員が、1年を振り返り、気づき・学び・感謝の思いをコラムに!
井上 朋(いのうえ とも)さん
東京都世田谷区 経営改革・官民連携担当課
2023年4月から1年間、ジチタイワークス マガジン編集室で派遣研修として編集業務を経験!
外に出たからこそ分かる「公務員のすごさ」。
公務員として働きはじめて5年目になりますが、これまで他自治体との関わりはほとんどありませんでした。そんな中、行政マガジンを発行するジチタイワークス編集室へ派遣研修に行くことに。マガジンを制作する上で行う取材では、全国各地の公務員と接する機会も多く、その中で「すごい!」と気づいたことがあります。
まず、皆さんの目の前の業務や思考の先には必ず「住民」の存在があるということ。公務員は「住民に叱られることはあっても、感謝されることは少ない」といわれがちですが、それでも本気で「住民が幸せに暮らせる地域づくり」を目指している。そんな職員の皆さんに、取材活動を通じて出会うことができました。
住民は役所に来たくて来ているわけではなく、困って来ている人が大半。申請をしたい、住民票を受け取りたい、税金を支払えないから相談したい……など、困り事は人によって全く異なります。それらを網羅的に支援すべく、様々な部署が懸命に業務にあたっている。もちろん熱量に個人差はありますが、地域が好きで、住民のために汗をかく職員がほとんど。もしも、この派遣研修に来なければ、全国の職員がもつ熱量に触れることはできなかったかもしれません。
全国で「つながり合える強み」を活かしたい。
行政マガジンの中身は、全国の自治体の「事例紹介」が中心。つまり、「どこかの自治体の事例を、その他の自治体の学びにしてもらうこと」がコンセプトです。そんな媒体づくりに携わることで、「公務員は、地域を越えてつながり合える仲間である」ことを実感しました。
民間でいう競合企業のように「他自治体は競う相手」ではないので、同規模の自治体が先進的に進めている取り組みがあれば、それを「倣う」「まねする」ことができる。どんな取り組みも先例がある方が、庁内や議会での説明がしやすいはずです。そして、全国には自分と類似の仕事をしている自治体が1700以上、つまり1700人以上の職員がいることになります。この「横のつながり」を広げるほど、公務員としての大きな強みになることが、編集室で働いているとよく分かります。
日々、目的を考えず目の前のことだけに目を向けていると、事務作業や苦情対応などに疲れてしまう。私自身、やりがいを見失うこともありましたが、派遣研修を通じて、改めて自治体で働くことの素晴らしさを実感しました。業務の向こう側にいる住民に届ける、満足を提供するということを考えながら、全国の職員の皆さんともつながって一緒に走りつづけたい。
日本という大きなまちの基盤をつくる、唯一無二の存在である地方自治体。住民のために働く全国の公務員の皆さんへ、心からありがとうございます!
客観的な気づきを与えてくれたジチタイワークスにも感謝(外に出てみることも価値)!