ジチタイワークス

山梨県南アルプス市

膨大な数の介護認定審査会で紙資料を廃止し効率化を図る。

介護認定業務を効率化させるペーパーレス会議システム

コロナ禍を経て、議会と介護認定審査会にペーパーレス会議システムを導入した南アルプス市。膨大な紙資料を扱う業務を実質2カ月でペーパーレス化したという。その背景と導入成果について、担当者に話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]富士ソフト株式会社

時間外業務を生む1,000枚の紙資料をペーパーレス会議システムで撤廃へ。

超高齢社会に突入し、介護認定にかかる業務はその規模と重要性がますます増大する一方だ。特に、要介護認定については、一人が複数回の申請を行うパターンも多く、さらには“申請から30日以内に認定を行う”というルールもあるため、準備や運営に頭を悩ませている自治体は少なくない。この状況下で、介護認定審査会を効率化するための取り組みが活気づいているという。

同市で導入されたのは、「富士ソフト」が提供するペーパーレス会議システム「moreNOTE(以下、モアノート)」だ。介護福祉課の若尾さんは「導入前は、介護認定審査会に必要な資料は全て紙で作成しており、委員の皆さんにはそれぞれ郵送をしていました。一度の審査会だけで1,000枚以上必要で、それが年間約90回開催されることから、コストも膨大にかかります。さらに、業務時間内に印刷機器を占有することを避けるため、資料作成は時間外で対応。時間外労働が慢性化していて、改善の必要があったのです」と話す。

折しもコロナ禍の影響もあり、議会のペーパーレス化も検討していた同市。このように庁内全体で機運が高まっていたことも、同システムの導入を後押ししたという。

セキュリティ面と機能性を確保し、使いにくさを感じさせない工夫を。

介護認定審査会にペーパーレス会議システムを導入するにあたり、同市で最も重要視されたのはセキュリティ面だった。「多くの個人情報を取り扱うため、高度なセキュリティが担保されていないと話になりませんでした」と若尾さん。同システムは類似サービスの中でも特に自社のデータセンターをもつ点が評価されたという。「それ以外にも端末認証機能によって、万が一I Dやパスワードが流出しても、別端末からはログインできないなど、細かいセキュリティ対策が講じられている点が安心でした」。

また、委員からのネガティブな反応も懸念されたが、問題はなかったという。「その理由としてまず、医師が電子カルテになじんでおり、ペーパーレス化に抵抗がなかったこと。次に、システムが使いやすかったことが挙げられます。また、使い方への問い合わせに職員がすぐ答えられるように準備するなど、デジタル化を障壁と感じさせないよう先手を打っていました」と柴田さん。

こうしてたった2カ月でのスピード移行がかなった結果、約2時間かかっていた準備が約5分に短縮。時間外労働を減らすことができ、働き方改革につながるなどの成果が上がっているという。

慢性的な委員不足解消のため、次に見据えるオンライン開催。

同市ではモアノートの通常サービスを導入していたが、現在は令和5年4月にリリースされた「moreNOTE介護認定審査会デジタルパック」を活用しているという。

事前の判定入力や、申請者ごとに資料を分割登録できる自動解析機能など、介護認定審査会に特化したもので、「これらを活用し、今後は審査会をオンラインで開催予定です。オンライン開催が実現すれば審査会のための来庁は不要で、審査時間も短縮されます。過去には来庁がネックで再任を辞退された委員もいたので、当市としてもオンライン開催は切望していました。どの自治体でも悩みの種である審査会委員の担い手不足についても、良い方に向かうのではと思っています」と次なる展開に期待する。

「全庁を挙げてペーパーレス化に取り組むにはハードルが高いという場合でも、まずは認定審査業務から始めるのはオススメだと感じました」と2人が口を揃えるように、これらの業務からペーパーレス化に取り組めば、大きな成果につながるのではないだろうか。

また、同システムはデジタル田園都市国家構想交付金の対象になるという。増えつづける介護認定申請数と業務負担を見越し、システム導入などの動きは今後ますます重要になるだろう。

 南アルプス市
保健福祉部 介護福祉課
左:主幹 若尾 貴洋(わかお たかひろ)さん
右:副主幹 柴田 真吾(しばた しんご)さん

「介護認定審査会デジタルパック」の機能

■事前判定集計機能

委員が資料を見ながら、各申請者に対する事前判定を入力。前もって判定結果を確認し、効率的に審査会を進行できる。

■ファイル自動分割/登録機能

複数の審査対象者情報がまとまったPDFをシステムにアップロードすると、申請者ごとに資料が分割される。そのため、審査会の資料確認がスムーズに。

お問い合わせ

サービス提供元企業:富士ソフト株式会社

プロダクト事業本部 moreNOTE事業部

TEL:0120-937-467
E-mail:morenote@fsi.co.jp
東京都千代田区神田練塀町3

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