ジチタイワークス

【セミナーレポート】「マイナンバー交付率UP・受取勧奨促

総務省によると、全国のマイナンバーカード申請受付数は令和5年3月26日時点で、9,500万を超えて76.1%となっており、マイナンバーカードの普及は着実に進んでいる状況です。そこで今回は、マイナンバー交付率アップに向けた自治体の取り組みを、交付率全国上位の自治体に紹介してもらいます。

また、受取勧奨向上に役立つ官民連携サービスもご紹介します。「マイナンバーカード普及促進について、他自治体の事例を学びたい」、「効果的、効率的な普及、受取促進をしたい」、「できるだけコストと人件費をかけずに本事業を推進したい」などのニーズをお持ちの自治体職員の皆さんには、特にお勧めのセミナーです。

概要

■タイトル:「マイナンバー交付率UP・受取勧奨促進」事例紹介セミナー
■実施日:2023年5月26日(金)
■参加対象:自治体職員
■参加者数:87人
■プログラム
Program1
マイナンバーカードガイドブックを使った業務工数削減術
Program2
マイナンバー受取勧奨・引越しワンストップサービスの情報伝達のデジタル化
Program3
豊かで持続可能なスマートヴィレッジを目指して~兵庫県養父市のマイナンバーカードに対する取組み~


マイナンバーカードガイドブックを使った業務工数削減術

<講師>

株式会社ジチタイアド
地方協創事業部
佐々木 美鈴

マイナンバーの基本的な内容、FAQ、電子証明書の利用や紛失時の対応など、利用できるサービスなどをまとめたガイドブックを、ジチタイアドの佐々木が紹介する。また、ガイドブック配布で住民の満足度向上を実現させた自治体の、活用事例も紹介する。

「マイナンバーカードガイドブック」とは

弊社は、自治体の財源確保コスト削減を目的とする広告事業「SMART RESOURCEサービス」、「SMART CREATIONサービス」という2つのサービスを通じて自治体の資産を利活用し、財源を確保していただく取り組みを推進しています。今回提案するマイナンバーカードガイドブックも、その一つです。マイナンバーカードは2016年1月から交付開始されており、マイナポイント事業が決定したことで、市町村窓口に問い合わせが多数来ている状態です。

カード交付枚数は2023年5月時点で全国民の7割で、残り3割の新規交付を増やしたい一方、住民へ制度内容を判りやすく伝える手段が少ないことで、多数の自治体が「案内が十分に出来ていない」、「説明に時間がかかり、通常業務に影響を来している」などの悩みを抱えています。そんな状況下、自治体の要望を受けて製作したのが「マイナンバーカードガイドブック」です。

仕様については、下記を参照ください。

弊社は広告事業を取り扱っていますが、この冊子については基本的に広告掲載がありません。自治体から予算をいただいて作成しますので、個別に部数等に応じた見積もりをお出しします。

マイナンバーカードガイドブックの内容紹介

ガイドブックの内容について紹介します。全国統一のフォーマットになっておりますが、下記の図の赤枠で囲っている部分には、自治体名を入れることができます。裏表紙には、自治体名のほか問い合わせ先の電話番号を入れることもできます。

最初に見開きで、マイナンバーカードについての基本的な説明が入り、コンビニ交付の説明が見開きで入ります。マイナンバーカード利用促進として、各自治体の地域のコンビニでキャンペーンを行っているところもあると思います。市民の関心は高まっていますので、自治体はそれに応じた説明の責任があるかと思い、ガイドブックで2ページに渡り詳しく紹介しています。

実際に導入していただいた自治体からは、このページが非常に使いやすいという声を多数いただいております。コンビニ交付を行ってない市町村もありますが、その場合の自治体には、別のページに変更するか、メモのスペースで対応しています。次の見開きページは、健康保険証としても利用可、児童手当・子ども医療費制度の一部手続きが電子申請できます、などの内容です。

冊子導入のメリットと導入自治体の声

冊子導入の自治体側のメリットとして、「不要な問い合わせの軽減」、「説明時の資料として活用しやすい」、「同じ説明を求められることの軽減」、「基礎情報と利用情報を1冊で渡せる」などがあります。一方、住民側のメリットとしては、「マイナンバーカードのへの理解が深まる」、「パスワードが分からず再発行しなければならないことが減った」などがあります。

マイナンバーカードガイドブックの協働発行実績は、以下の7件です。
・奈良県奈良市
・東京都福生市
・福岡県宗像市
・千葉県古河市
・千葉県香取郡多古町
・群馬県沼田市
・神奈川県横浜市
導入自治体の声を一部紹介します。

●奈良県奈良市 市民課
交付時に独自作成の案内用紙を活用していたが、必要最低限の情報しか掲載しておらず、説明対応が負担となっていた。マイナンバーカードに関する情報を一冊にまとめたガイドブックは、市民に大変好評で、口頭で説明する手間も省けるため職員にも好評。すでに用意されているフォーマットを元に作成することで、スムーズに制作することができた。

●福岡県宗像市 市民課
市民への説明は口頭で行っていたが、マイナンバーカード交付事務費補助金を活用し、ガイドブックを作成。導入により1回の対応時間が大幅に短縮できた。時間のない市民でも冊子を渡すことで説明責任を果たすことになるため、時短になっている。庁内やワクチン接種会場などの人目に触れる場所に、冊子を設置し、市民への情報発信はもちろん、マイナンバーカードへの興味、理解を引き出すことができた。

マイナンバーカード交付事業の補助金を、窓口のコーナー設置や職員の残業代などに活用している自治体も多数ありますが、宗像市のようにツール面での活用にも補助金がおりるようです。予算面が気になる自治体は、国の補助金を活用する手もありますので、是非ご検討ください。窓口業務の時間短縮化や、市民へ適正な情報発信が、導入による最大のメリットです。

自治体との発行実績を多数持つ弊社だからこそ、独自のコンテンツを保有しており、財源確保やコスト削減につながる提案が可能です。こういう冊子を自治体独自に作ろうとする場合、相応の印刷費用やデザイン費が必要です。弊社なら、地元の印刷会社などより安価に提供することが可能です。

[参加者とのQ&A] ※一部抜粋

Q:ガイドブックを購入する際のロット数と購入金額を教えてください。また、カスタマイズは有料ですか。
A:金額の一覧表がありますのでお問い合わせください。カスタマイズする場合、自治体名や電話番号を変更する部分に関しては、料金は発生しません。基本は8ページ仕様ですが、自治体独自で1ページ追加したいなどのカスタマイズは別途制作費用が発生します。その際は見積りを用意しますので、是非お問い合わせください。

Q:今、ガイドブックを作成・配布し、すぐに運用方針が変わった場合、再校正が必要で効率的ではないと考えますが、どうでしょうか。
A:この冊子をどのように使うかによると思います。マイナンバーカードについての基本情報や、パスワードを記入するページがありますので、市民の理解度を高めてもらうものとして使っていただけます。運用の部分を入れずに制作することも可能です。お渡しする際に、現時点の制度の説明と、その後、市民の方々が保管して見返していただくようなご利用でしたら、今このフォーマットで事足りる情報は揃っていると考えています。弊社も、現状が完全形とは考えておらず、制度が変わればその内容を追記していく計画です。

マイナンバー受取勧奨・引越しワンストップサービスの情報伝達のデジタル化

<講師>

株式会社ジチタイワークス
ビジネス開発部長
種子田 宗希

デジタル化を利用した受取勧奨と引っ越しワンストップサービスを、弊社ビジネス開発部の種子田が紹介。デジタル化によって交付率UP、受取勧奨促進のためのプッシュ通知などを実現し、業務効率化を実現した事例も紹介する。

職員の業務負担を低減する「ジチタイSMS」

マイナンバーカード&引っ越しワンストップの担当者は、住民への連絡が業務負担や悩みの種になっているのではないでしょうか。今回のセミナー受講者に、現在の悩みを記入していただきました。

●受取勧奨
・受取り勧奨通知が、転居や施設入居等の理由で届かない。
・交付通知書送付後、未交付の申請者に対し勧奨通知を送付しているが、交付に至る割合が低い(3割程度)。
・過去2回受取勧奨を行ったが、リアクションが芳しくないので効果的な勧奨方法を知りたい。

●持参物の不足
・受取の案内を確認せず来庁し、持参物(主に本人確認書類)が不足することがある。

●申請不備
・マイナアシストで申請サポートした方が不備だった場合の連絡確認(メール)が取れない。
・交付通知書が返戻されてしまう住民への連絡。
・申請不備の際の連絡、外国人の有効期限等に関する意思疎通、転入時の継続利用。

これらの悩みを解決するアプローチの1つとして「ジチタイSMS」があります。マイナンバーカードの受取勧奨であれば、延長窓口の情報案内に。引っ越しワンストップサービスであれば、「申請書に不備があり連絡が欲しい」などの連絡に、様々な用途で使用できるデジタルツールです。

ジチタイSMSを活用するまでの流れは、2ステップの非常にシンプルなものです。現在、トライアルを含む全国70自治体以上で導入されています。

①「携帯電話番号」の取得・整理
② SMSの送信

A マイナンバー受取勧奨
B マイナンバーカード申請書不備連絡(折り返し電話の依頼)
C 引っ越しワンストップサービス「転入者」への事前連絡
D 引っ越しワンストップサービス申請不備連絡(折り返し電話の依頼)

ジチタイSMSの特徴について

SMSが支持されている理由の1つは、知らない番号からの電話は取らない、郵送しても毎日はポストを確認しないという方が増えていることが挙げられます。自治体アプリがあってもインストールしない方もいます。LINEやメールは受信本数が多く、目を通す前に埋もれてしまうこともあります。それらを解決するための手段として、SMSが改めて注目されているわけです。

特にアプリを持っていない自治体の場合、電話か郵送だけのアプローチよりも、SMSで連絡をして折り返しが受信できるツールを持っておくだけで、業務の効率化に繋がるのではないかと考えています。

「ジチタイSMS」の特徴は下記の3つです。
(1)圧倒的なカバー率。携帯電話番号さえわかれば、簡単配信
(2)郵送や電話等の連絡手段より安価。送信成功時のみ課金
(3)到達率99%以上。視認性/着眼率が高く、費用対効果大。効果測定も可能

「見てもらえる」というところがSMS最大の価値です。さらに、URLをクリックすることで、誰がいつ確認したかの測定も可能です。ここが紙媒体と比べて、業務の遂行しやすいポイントになります。また、全機能がLGWANで利用可能ですし、国内サーバーで対応するので安心です。すでに導入いただいている自治体の導入理由としては、「住民の利便性を重視」、「職員負担無くプッシュ通知したい」、「操作が簡単そうで定型文を作っておけば一斉リーチ」などが多いようです。

「SMS活用」のメリットは下記の3つです。
(1)印刷物作成と発送、架電など、人的工数の削減
(2)印刷&郵送費などのコスト削減
(3)業務スピードの加速やペーパーレス化/DX推進など

業務の効率化はもちろん、コスパにも優れています。

 

導入自治体の事例紹介

実際にSMSを導入した自治体の、導入のきっかけについて紹介します。

●導入自治体事例(1)(引っ越しワンストップサービス)
電話がつながらない、郵便が届いていない等の理由で、業務の滞りが発生。突然来庁されても困るなど、職員・住民の双方に不具合が発生。SMSでメッセージを送ることで、要件をスムーズに連絡できた。

●導入自治体事例(2)(引っ越しワンストップサービス)
マイナポータルだと、住民がアプリをインストールしなければならない。マイナンバーでログインしないとプッシュ通知が届かず、気づいてもらえない。SMSはスマホ画面に直接通知が届くので、気づいてもらえた。

SMSが最も多く活用されているのは、納税分野です。群馬県伊勢崎市の収納課でも導入いただいています。これまでは滞納者にはがきと電話だけの連絡手段でしたが、SMS導入後はメッセージを送信後、3週間以内に3割以上が反応し、2カ月で875万円分を回収できたそうです。
ジチタイSMSの月額送信費用は、何通送るかによって料金が変動しますが、SMS導入費用についてはマイナンバーカード交付事務費補助金10/10の対象となりますので、是非検討してみてください。

 

豊かで持続可能なスマートヴィレッジを目指して~兵庫県養父市のマイナンバーカードに対する取組み~

<講師>

兵庫県養父市
市民生活部市民課 参事
石村 嘉康さん


マイナンバーカード交付率が全国トップレベルである兵庫県養父市が行った、交付率アップに向けての取組み及び事例、地域活性化を掲げたマイナンバー普及推進について、同市の石村さんに紹介してもらう。また、参加者との質疑応答には、同市マイナンバー推進担当の西垣さんが回答する。

マイナンバーカード交付促進方法について

養父市は平成26年、国家戦略特区に指定され、中山間地域の農業改革に挑戦しています。中山間地域にこそデジタル技術が必要・重要と考え、30年後の養父市をデザインする「養父市まちづくり計画」を策定しました。デジタルグローバルな社会に必要不可欠なパスポート的役割を果たすのが、マイナンバーカードだと考えています。令和2年当初、マイナンバーカードの交付率は16.7%で、市民の心は全くつかめていない状況でした。そこで、カードを作ってくれない理由を来庁した市民に直接聞いてみました。

その結果、「メリットがあるのか?」、「個人情報が管理されるのはイヤだ」、「必要かどうか判らないから様子を見ている」が主な回答でした。

これを受け、カードの利便性、有用性、さらに安全性をしっかりと伝えることが普及への近道と考えました。そこで令和2年12月、ベテラン職員をマイナンバー交付推進担当リーダーに任命。人員を確保するため、会計年度職員2名を採用しました。リーダーは早速、本気でマイナンバー普及に取り組むことを全職員に伝達し、市民課の担当推進以外の職員も、市民に尋ねられたら最低限度のことが説明できるようレベルアップしました。同時に、どんな要件で来庁した方に対しても、全窓口で「マイナンバーカードを作りませんか?」と、声かけを続けました。職員同士の声かけも行い、声かけ漏れがないよう励みました。

本市の庁舎は交通の便が悪く、高齢者も非常に多いので、マイナンバーカードを作るためだけには市役所を訪れてくれません。仕事や学校が休めない人や、子育て中の方も同様です。そこで令和元年9月から、団体・企業への出張サービスを開始しました。5人以上の団体には出張サービスを行い、その後、3人以上の団体にまで拡げ、市民が集まると聞けば顔を出し、“攻め”の出張申請を展開しました。

さらに令和3年6月頃には、申請者がたった1人でも出張申請の受付を始めました。ひとり暮らしの高齢者の方、身体の不自由な方、小さいお子さんがいる世帯には大変好評でした。出張申請と併せ、毎月第2日曜日は休日申請窓口を開設し、その周知のためケーブルテレビや防災無線なども活用。口コミで来庁者が増え、職員3名体制で受付を行いましたが、会場がごった返すこともありました。

第1弾キャンペーン終了に合わせたクーポン券の配布

マイナポイント第1弾キャンペーン終了とともに申請者の減少が懸念されたため、本市独自で2,000円のクーポン券を配布。しかし70%あたりで頭打ちになりました。これまでも「窓口総力戦」を掲げていましたが、さらに本気の総力戦だ!ということで、地区の会合に出席することの多い全管理職を、マイナンバー推進員に任命。マイナンバー未申請の方にはダイレクトに声をかけ、申請を呼びかけてもらいました。管理職の活動結果は公表し、「管理職泣かせの施策や…」と言われながらも交付推進を行いました。

みなさんも、「ポイントって何のこと?」、「よく判らない」などの声を聞いてこられたと思います。本市はそういう方々に寄り添いながら、ポイント付与のシステム、使い方などを職員が完全サポートしました。この頃には市民から、「市役所に行ったら全部やってくれると聞いたから、来ました」と言われることも増え、マイナンバーカード交付推進に結び付いたと実感した瞬間でもありました。

さらに兵庫県南但馬警察署とコラボし、交通安全を祈念したマイナンバーカードケースを作成。

様々な施策を行い、マイナンバー交付推進担当設置以降、令和5年4月現在の交付率は、94.3%に。特別区・市町で全国第2位になることができました。

本市が行った施策は、他の自治体でも行われているものだと思います。どこでもできることを、とことんやることを、本市では「養父市スタイル」と呼んでいます。

養父市の未来とマイナンバーカード

市民がマイナンバーカードの可能性に期待していることを、私たち職員はしっかりと認識し、市民がメリットを享受できる責務を果たさなければなりません。そこで本市は、様々な利用方法の整備を進めています。ぴったりサービスの他、遠隔行政窓口での遠隔手続き、図書貸出運用等を可能にするほか、今後は避難所の入退管理や戸籍等のオンライン請求などの施策も展開し、市民の皆さんに有用性を実感してもらえるよう取り組んでいます。

マイナンバーカードの交付推進事業を通じ、私たち職員が気づいたのは、職員が一丸となって市民の声を聞き、市民目線で業務を愚直に進めてきたことが、今回の成果につながったということです。マイナンバーカードが豊かで持続可能な「スマートヴィレッジ養父市」への鍵となることを信じて、「養父市スタイル」を貫き、これからも交付率100%を目指していきます。

[参加者とのQ&A] ※一部抜粋

Q:交付通知を発送しても、受け取りの予約がなかなか入りません。養父市でやられたことや、気をつけたポイントがあれば教えてください。
A:「取りに来られない」というのは、どの自治体でも同じ悩みだと思います。通知が返ってくる場合には独自の案内文書を送り、期限を過ぎてもなかなか来られない方については、再度通知を送って対応しています。本市の場合、本人申請の受け取りがそれほど溜まっているわけではないため、比較的効果的にできているのではないかと思っています。

Q:身体が不自由で来庁が難しいなどの方に対し、特別な受け取り方法などは何か実施しておられますか。
A:ケースバイケースで対応していますが、本市はとにかく、出来ることは何でもやるということで、ご家族が本人申請をした場合で来庁できない場合は、こちらからご自宅に直接伺っています。その場で来庁時と同じ様に暗証番号を決めてもらい、役所に持ち帰って設定し、それをまたご自宅に持って行っています。他自治体の皆さんも、待っているだけではなく、こちらから出張する対応ができればと思います。

Q:交付の受け取り窓口は市役所以外に何カ所ぐらい、どのようなところに設置されていましたか。
A:これはどこの自治体も同じと思いますが、本市には本庁市民課以外に支所が3カ所あります。基本的に支所から発送していれば、受け取り窓口は支所になります。都合が悪い場合は連絡をいただいて、他の支所にカードを転送したり、日曜日の休日申請の時にカードを交付できるようにしたりしています。

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