ジチタイワークス

千葉県いすみ市

移動式エアコンで、体育館の熱中症対策を低予算かつ迅速に。

災害発生時に懸念される避難所環境の問題。特に夏場の熱中症対策に頭を悩ませる自治体も多いだろう。いすみ市はこの課題を解決するべく、令和4年に移動式エアコンを導入。その経緯を詳しく聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]信越空調株式会社

台風被害で浮き彫りになった避難所の熱中症対策ニーズ。

同市では、令和元年9月に房総半島台風の被害にあった経験を受け、避難所に空調設備が必要だという声が議会などから上がっていた。当時、まだ真夏の暑さが残る中で最大1,500人もの市民が避難を強いられたが、避難所となった体育館では空調設備が整っておらず、熱中症への対策が十分とはいえなかったという。

「避難当時は停電が長引いたこともあり、扇風機すら使えずにあちこちで“暑い”という声が聞かれました。しかし、災害時に避難所となる体育館は、もともと空調設備が導入しづらい施設です。固定式のものだと何億という費用がかかってしまいます」と吉清さんが話すように、体育館空調の整備費用は高額になることが多く、導入への障壁が高い。そのため、検討当初から移動式の空調設備を導入してはどうかという意見が出ていたそうだ。そこで名前が挙がっていたのが「信越空調」の移動式エアコン「ヒエスポ」だった。

しかしその後、新型コロナ流行の影響もあり、検討が進められず2年ほどが経過。そんな中、危機管理課の担当者が偶然、近隣のワクチン接種会場で稼働しているヒエスポを発見したという。実際に使われている様子を目の当たりにして、これならすぐに導入が可能かもしれないと、検討が再開されることとなった。「台風被害の後、発電機の導入が先んじて完了していました。停電時にはその発電機を利用してエアコンが使えるという点も、導入の決め手になりました」。

複数施設で使える柔軟性と設置の早さ、簡単さが際立つ。

令和4年7月に正式導入となり、市内3つの中学校に各5台、計15台が設置された。同製品は施設の広さや用途によってパワーの違う6種類から選ぶことができる。同社や代理店が現地調査から担当し、製品選定や設置などのサポートを行ったという。「問い合わせから導入まで問題なくスムーズに進み、対応はとてもスピーディだと感じましたね。当市の場合は200Vコンセントの電源工事を行いましたが、製品の正式発注から工事、納品までは約1カ月で完了しました」。

災害時使用を想定した導入ではあったが、平時での活用についても教育委員会と協議。「部活動や集会などでも熱中症対策として役立てられるように、ルールを定めました。大型扇風機よりもピンポイントでしっかり体を冷やせると、生徒や教員からの評判も良いです」。

また、1~2人で簡単に運ぶことができるため、使用しないときには倉庫などに保管している。複数の施設間を移動させることも簡単で、状況に合わせた柔軟な運用が期待できそうだ。

平時にも災害時にも活躍する移動式エアコン

いすみ市が導入したヒエスポ

3馬力相当、200V電源
5台×中学校3校▶計15台導入

予算情報
約1,890万円
・ヒエスポ15台と3校の工事費、備品購入費の総額
・B&G財団の「防災拠点事業」支援金を活用

近隣自治体で相互支援できる体制づくりに力を尽くす。

幸い、導入後に同市で避難が必要になるような災害は起こっておらず、実際に避難所としては未稼働だが、「令和5年度以降は避難訓練の場で設置して利用するなど、市民向けの周知を図っていきます。少しでも避難への不安を軽減してもらうことで、有事の際の安全確保につながれば」と吉清さん。

また、同市は3町の合併で誕生したため、市内に公共施設が多く存在しており、この点でも移動式の空調設備は理想的だという。「今後、市民への周知が進む中で要望が多ければ、追加の導入も検討していきます。ただ、当市は人口減少が進んでいるため、導入後に施設が統廃合されることも大いにあり得る。そんなときでも、移動式ならば整備費用がムダにならずに済みます。同様の課題を抱える自治体も多いのではないでしょうか」。

今回の導入には、災害時に周辺自治体の支援拠点となる仕組みづくりの一環として、B&G財団の支援金が充てられた。「大規模な災害が起きた際に、近隣市町村で相互に協力して災害支援活動ができるよう、支援体制の強化に努めています。設備を充実させるとともに、人材育成にも力を入れているところです。今後も地域全体での防災力アップへ向け、全力を尽くしていきます」。

いすみ市 危機管理課 課長補佐
吉清 丈司(きちせい じょうじ)さん

必要なときに必要な場所で!全国各地のヒエスポ活用例

沖縄県読谷村 ほか
ワクチン接種会場

冷房はもちろん、地窓からの排気で換気ができ、冷気はワクチン保管にも活用できる。

長野県信濃町
木造の小学校

除湿された空気を廊下から各教室に送り、セントラル冷房として活用。

自衛隊武山駐屯地(神奈川県)
約3,000㎡の体育館

大型ファンなどに比べ静音性が高く、式典での音楽隊の演奏も静かな環境で快適に。

日比谷大江戸まつり(東京都)
イベントテント内

夏場のイベントで、テント内の熱中症対策として2週間レンタルで利用。

ヒエスポの強み

●豊富なラインアップ

冷房・暖房・除湿・送風運転が可能で、広さや電源の種類に合わせて選べる。

●スポット利用も可能

購入のほか、短期レンタルやリースも可能。予算や利用シーンに柔軟に対応できる。

●サポートも安心

全国に代理店網をもつため、導入時の現地調査やメンテナンスのサポートも得られる。

 

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お問い合わせ

サービス提供元企業:信越空調株式会社

TEL:026-247-8100
住所:長野県須坂市米持町174-1

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