ジチタイワークス

埼玉県戸田市

環境に優しい推奨ごみ袋で朝のごみ集積所を美しくする。

戸田市では、市のシンボルをデザインした環境配慮型ごみ袋「nocoo(以下、ノクー)」を推奨ごみ袋にすることで、予算をかけずにCO2削減の施策を実施。ごみ集積所の美化にも手応えを感じているという。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本サニパック株式会社

まちの美観やCO2削減のため他自治体の事例を参考に。

ごみ袋燃焼時に発生するCO2の低減を目指し、排出抑制につながる取り組みを模索していた同市。さらに、ごみに関してもう1つ課題になっていたのが、ごみ集積所の景観だ。「ルールを守らないごみ出しによって未回収のごみが残ることがあり、分別ルールの徹底や不法投棄対策が必要だと感じていました」と浜野さん。

そんな中で知ったのが、渋谷区とごみ袋メーカー「日本サニパック」が行っていた「渋谷区お花畑プロジェクト」だ。同区では、環境に優しい素材を使ったごみ袋「ノクー渋谷」を推奨ごみ袋として区内小売店で販売。環境に配慮できる上に、花柄をあしらったデザインが、まちの景観向上にも貢献していると話題になっていたという。「興味をもって話を聞いてみたところ、ぜひ当市でも取り組みたいと感じました。そこで公民連携提案制度にもとづき、環境に優しいオリジナルのごみ袋を製作販売する事業者を募集しました」。主な条件として挙げたのは、“温室効果ガスの排出を抑制できる素材を使用している”ことと、“市の特色が出るデザインにする”こと。希望する条件を全て満たしたのが、渋谷区と共同開発していた同社だったという。

公民連携提案制度を活用し“予算ゼロ”で課題を解消へ。

同製品は、原料に天然ライムストーン(石灰石)を配合した、同社独自のごみ袋だ。ポリエチレン100%のごみ袋と比べると、プラスチック使用量は約20%削減され、ごみ袋製造時や燃焼時のCO2排出量も約20%減らすことができるという。さらにバイオマスプラスチックと比較し、価格が抑えられる強みもあるという。デザインは、市花であるサクラソウが花開き、市の一大イベントである花火大会の光景を描いたものに決定。「戸田市推奨ごみ袋ノクー」が誕生した。

導入にあたり、浜野さんは“予算ゼロ”だった点は大きなポイントだと話す。「どの自治体でも、予算確保は課題だと思います。今回、公民連携提案制度で事業者を募集し、市は推奨ごみ袋として認定するのみなので、予算はかかりませんでした。同社に任せられるので、とてもスムーズでしたね」と振り返る。

令和4年秋から、市内のスーパーやドラッグストアなどの小売店にて販売開始。住民が手に取りやすいようにと、従来のごみ袋と同等の価格に設定されている。「販売開始前にごみ袋の市場価格が上がったため、やや不安はありました。でも、同社があらかじめ材料を確保してくれていたおかげで、予定通りに進めることができて良かったです」。

町会とも連携を図って周知しスムーズな導入に成功。

住民への周知に関しては、町会のネットワークも活用したという。同市には町会ごとに衛生自治会があり、ごみ集積所の維持管理や地域清掃にかかる費用を市が助成している。その制度を活用して町会が推奨ごみ袋を購入し、住民に配布したそうだ。ほかにも、同社から寄贈された2万4,000枚のごみ袋を環境イベントで配布。「そこで初めて知った人もいましたが、環境に配慮されている点やデザインなどが好評でした。私も、集積所に推奨ごみ袋が出されているのを見ると自然と目がいきますし、明るく感じます」と顔をほころばせる。

同市では、地球温暖化対策実行計画を含めた環境基本計画の改定を予定しており、今後もCO2排出量削減のための施策を進める考えだ。「環境に良い取り組みはたくさんありますが、実践するには簡単に取り組めることが重要です。そういう意味では、家庭で使うごみ袋をノクーに変えるだけで、CO2削減につながるのは大きな魅力ですね」。市内の小売店からは、「うちでも販売したい」という声が届き、今後も販売店が増えることに期待しているという。

環境への負荷を減らし、まちの景観を良くしたいという思いから生まれた同市の推奨ごみ袋。同様の思いを抱く自治体にとって、有効な選択肢となりそうだ。

環境経済部 環境課
環境経済部次長 兼 環境課長
浜野 康彦(はまの やすひこ)さん

環境配慮型ごみ袋「ノクー」の導入メリット

1.CO2やプラスチックの削減につながる

天然ライムストーン(石灰石)を原料に配合することにより、プラスチック使用量を約20%削減。ごみ袋製造時、燃焼時におけるCO2排出量も、ポリエチレン100%のゴミ袋と比べて約20%削減できる。

2.購入しやすい価格で住民の環境意識の向上に

ポリエチレンと比較すると価格に安定性があり、バイオマスよりもコストを抑えられるため、従来のごみ袋と同等の価格設定が可能。気軽に環境への配慮ができることで、住民の環境意識の向上につながる。

3.ごみ集積場の美化が進み、まちの景観向上へ

自治体のニーズに合わせ、市花やイベント風景など、まちの特徴が感じられるオリジナルのデザインを施すことが可能。ごみ集積所にデザイン性のあるごみ袋が集まることで、美化につながりまちの景観も向上する。

過去の記事はこちら

推奨ごみ袋として導入した事例
Vol.16 渋谷区

指定ごみ袋として導入した事例
Vol.20 西宮市

 

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