ジチタイワークス

東京都渋谷区

ごみ袋にもSDGsの視点を!自治体と地元企業がタッグを組み環境配慮型ごみ袋を開発。

地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の採択から5年以上が経過。その実施に向け、国や自治体、企業などの動向に厳しい目が向けられる中、渋谷区はこの流れを地域独自の課題と結びつけ、住民を巻き込んだ動きにしようとしているという。

※下記はジチタイワークスVol.16(2021年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本サニパック株式会社

区内のごみの集積所を少しでも美しく見せたい!

大規模な再開発で注目される渋谷区。しかしそれとは別に、全国の注目を集めてきたのが、いわゆる“渋谷ハロウィーン”だ。これによって同区が頭を抱えていたのが“ごみ問題”だった。来街者が数万人の規模になり、一部のマナーの悪さからごみのポイ捨てが増加。そうした状況を何とかしたいと手を挙げたのが、同区に本社を構えるポリ袋・ごみ袋メーカーの「日本サニパック」だった。同社は、平成29年、オレンジ色をベースにカボチャの顔をあしらったごみ袋3万枚を区へ寄贈。街頭では、ごみの持ち帰りを呼びかけながら配布をし、さらにこのごみ袋を清掃のボランティアにも配ったのだという。

こういった取り組みの中で、同区がアイデアを持ちかけたのが「家庭ごみ袋」の開発。「ごみ袋に花柄をあしらうことで、集積所の景観を少しでも美しく見せたいと考えました」と村山さん。これに対し同社は「せっかくやるならプラスチック削減やCO2削減にも貢献したい」と回答した。もとよりCO2削減に向けた動きを模索中だった同区はこの提案を歓迎し、“まちの美観向上・環境保護・地球温暖化防止”の3つに貢献できるごみ袋の開発が始まったという。

環境に配慮した独自素材でCO2排出量も削減可能に。

同区と同社は、理想とするごみ袋の開発に向けて打ち合わせを開始。景観アップをねらうといっても、ごみ袋としての機能を損なってはならない。「ごみ袋としては分別の観点で、ある程度、中が見えなければなりません。ですので、素材の半透明度や柄の大きさ、位置についてはデザインの試作を繰り返しました。花のモチーフには、“区の花”であるハナショウブを採用しています」。

素材については、同社独自の技術で環境面に配慮。石灰石の主成分である炭酸カルシウムを配合した素材で、プラスチックの使用量を約20%削減、燃焼時のCO2排出量を約20%削減できるという。これに加え、一般のごみ袋と同等の強度を持たせ、価格も同程度に抑えている。完成したごみ袋は、サイズによって3色に分けられ、名前は「nocoo渋谷(以下、ノクー)」に決定。この名前は、「No CO2」をもじったものだ。

令和2年11月、渋谷区と同社はCO2削減とまちの美観向上を目的に、ノクーの広報・普及活動に共同で取り組む協定を締結し、「渋谷区お花畑プロジェクト」を始動。日本サニパックは10万枚を同区に提供し、渋谷区ではノクーを推奨ごみ袋として、区の主催するイベントなどでPRも兼ねた配布を行っている。

ごみの集積所をお花畑に!

地域を越えて広がりを見せる「お花畑プロジェクト」。

コロナ禍で各イベントが中止となった影響も受けたが、区の美化推進委員会への配布、店頭での一般販売もあり、ノクーは徐々に浸透している。「通勤時に歩いていると、ごみ集積所にノクーがあるのが目に入ります」と目を細める。「どこで売られているのか、という区民からの問い合わせも入るようになりました」。

また、ノクーの知名度は区外にも少しずつ広がり、日本サニパックには今回の取り組みを知ったほかの自治体からの問い合わせがあるという。さらには、市の指定袋としてすでに採用を決定している自治体もあるそう。

官民のアイデアを合わせ、グローバルな潮流に乗りつつ、地域の課題解決も実現しようとする取り組みは非常にユニーク。「環境問題は大きな取り組みですが、自治体と企業、そして地域住民ができることを積み重ねていくことが重要だと考えています」。同区では今日も少しずつ“お花畑”が広がっていることだろう。

渋谷区 環境政策部 清掃リサイクル課
課長 村山 英樹(むらやま ひでき)さん

住民の使いやすさを優先して開発された環境に優しいごみ袋。

使う人が増えるほど環境保護の効果が高まり、まちの景観も良くなっていく。創業51年の日本サニパックが、新しいごみ袋のあり方を提案する。

渋谷区での導入スキーム

環境配慮型ごみ袋nocooの強み

1.環境にやさしい素材を使用

素材には炭酸カルシウムを配合。プラスチック使用量を削減できることに加え、製造時や燃焼時のCO2排出量を、ポリエチレン100%のごみ袋より削減できる。

2.破れにくい強度を実現

nocooに使用される原料は、欧州産の石灰石“天然ライムストーン”。国産のものに比べ粒径が非常に小さく、しなやかさ・伸び・強度を持たせることができる。

3.住民が購入しやすい価格設定

バイオマスプラなどの素材を使ったごみ袋は存在するが、通常のごみ袋より高価になることが多い。nocooは開発時に見直しを重ねて製造コストを抑え、通常のごみ袋と同等の販売価格を実現している。

環境施策に興味がある方へ

nocooの詳細情報についてはこちらからご確認ください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:日本サニパック株式会社

TEL:0120-328917
住所:〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷1-25-5

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