カーボンニュートラル実現を目指し、照明のLED化が急がれるが、費用や手間に悩む自治体が多いのではないだろうか。リースを活用した一括LED化では、省エネ・節電にとどまらないメリットが生まれるという。
※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社あかりみらい
リースの活用で初期費用を抑えLED化を迅速に進める。
環境省の掲げる2050年のカーボンニュートラル実現に向け、全国で様々な施策が行われている。中でも照明のLED化は、毎日の電気消費量を抑え、日常生活から脱炭素社会を目指す取り組みとして、政府や自治体をはじめ民間企業や家庭でも進んでいる。しかし、自治体は膨大な数の施設を保有するため、1つずつ照明を交換するには費用も手間も積み重なる。さらには既存の蛍光灯器具の生産終了で修繕費がかさみ、LED照明の供給不足も課題になりそうだという。
こうした状況に対し、エネルギーコンサルティングを手がける「あかりみらい」は、自治体単位で全ての照明をLED化するサービスを行っている。「一般的には建築工事の施設改修入札として、工事業者への現地調査・見積もり依頼、稟議、議会後に競争入札、業者選定を行うのが主流。この方法で全施設をLED化すれば大変な時間と費用がかかります」と越智さん。
その点、リースを活用すれば手間が減り導入費用もかからないという。10年間の分割払いで、リースの支払い期間が終了すると照明器具が無償譲渡されるため、短期的にも長期的にも財政メリットが期待できる。「当社の試算では、LEDにすることで照明の電気消費量の約7割が削減できます」。民間のノウハウを活用する“民活手法”で省エネと節電に加え、費用や手間を抑えられるとして、全国各地で導入が進んでいるそうだ。
見積もりや手続きを一任して職員の業務負担は最小限に。
同社は大手または各地のリース会社、地元の工事業者やLEDメーカーと契約を結び、施設や設備のLED化にかかるやりとりを自治体に代わって行う。工事前の見積もりも、同社が独自に開発したプログラムで行うため、自治体の担当者は施設の照明配置図を提出すれば済む。工事が始まってからも、必要な業務は立ち合いと完工検査だけだという。「通常は、現地調査後に施設の照明を設計積算して見積もります。それに対し、当社の見積もりは、照明配置図をスマホで撮影して送るだけ。自治体の保有する全ての施設に必要な工事費を自動積算し、早くて数日で提示します」。
また、照明のLED化で目指しているCO2の削減量も、想定点灯時間から試算する。対象施設が200以上ある自治体では年間のCO2削減量が数千tになるという。また、対象施設が約40の小規模自治体でも、年間で約300~1,000tの削減が見込めるのだそう。「限られた予算の中で決定打がなく、悩んでいるカーボンニュートラル担当にとっては朗報でしょう」。
公共工事ではなく行政改革でより良いまちづくりを目指す。
省エネや節電といった主目的にとどまらず、様々な課題の改善につながるのが同サービスの強みだろう。各種契約や手続きを一括で任せられるので、自治体職員のマンパワーと人件費が抑えられる。さらに初期費用がかからないため、財政負担も少なくて済む。自治体のメリットだけでなく、工事を地元の事業者に委託することで、地域経済の活性化にも貢献するという。
「当社はLED化を修繕工事ではなく、行政改革のための事業として提案・アドバイスします。費用を削減した分、財源をほかの事業に充てられれば、行政サービスの向上にも貢献できる。目の前に迫る課題に対処しながら、持続的にまちを良くしていけることが理想です」。
同社ではすでに全国で250以上の自治体にレクチャーを行い、30自治体のLED化が完了しているそうだ。「電気料金も社会課題も、全ての地域で同じということはありません。課題に合わせて適切な対策を進めていく必要があります」。環境問題への対策は一朝一夕にはいかず、経済や教育、福祉など異なる分野の発展なくしてSDGsの達成は見込めない。電気料金や物価の高騰など、様々な変化に対応しなければならない時代だからこそ、長期的に複数のメリットが生まれる対策が必要になるだろう。
あかりみらい
代表取締役・エネルギーコンサルタント
越智 文雄(おち ふみお)さん
ビジネス特許取得
自治体の担当者は、照明配置図をスマホで撮影して同社に送るだけ。独自に開発したプログラムで、照明の数から資材ごとの工事費用が短期間で割り出される。
ほかに試算できるもの
・財政メリット
・リース計画
・CO2削減量 など
※蛍光管はグロータイプ。電気料金は北海道電力 令和5年下期の業務用電力を想定、基本料金値上げ分は除く(あかりみらい調べ)。
長期的な財政支援につながる
LED化により削減した電気代の一部をリース額の分割払いに割り当てるため、新規予算を組む必要はない。電気代が削減できるだけでなく、通常購入とリース額との差額も財政メリットに。さらに、リース期間完了後は照明器具が無償譲渡される。
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