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【セミナーレポート】 デジタル田園都市国家構想 交付金活用解説セミナー<Day2>

前回のセミナー<Day1>では、交付金のタイプに関する解説を軸に情報提供を行った。

この<Day2>では、デジタル田園都市国家構想実現会議事務局の菊池氏が登壇。“Digi田甲子園”で受賞した事例の紹介を中心に講演を行い、自治体のデジタル化を支援する企業からも交付金活用のヒントを語ってもらった。

 

<Day1>のセミナーレポートはこちら

概要

□タイトル:デジタル田園都市国家構想 交付金活用解説セミナー[Day2]
□実施日:2023年3月23日(木)
□参加対象:自治体職員
□開催形式:オンライン(Zoom)
□申込者数:122人
□プログラム:
 第1部:Digi田甲子園 表彰事例について
 第2部:自治体内部事務の変革と地域企業のDX支援
 第3部:山でも海でも自営で始まるIoT通信革命
 第4部:LINEを活用した行政DXの最新事例


Digi田甲子園 表彰事例について

セミナーの第1部では、令和4年度から始まった“Digi田甲子園”の解説と、その表彰事例を紹介。事業を運営する側から、交付金の活用を検討している自治体に向けて貴重な情報が共有された。

<講師>

菊池 雄太氏
デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 参事官補佐

プロフィール

2003年日本銀行入行。2021年7月から内閣官房に出向。現在、Digi田甲子園事業、地方創生カレッジ事業(内閣府補助事業)を担当。


デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(以下、デジ田事務局)では、デジタル田園都市国家構想(以下、デジ田)の実現のために様々な施策や支援を行っています。ここでは「Digi田甲子園」という事業について、表彰事例を中心にお伝えします。

「デジ田」における「Digi田甲子園」の位置付け

デジ田は、“新しい資本主義”の重要な柱の1つとして位置付けられており、デジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる“全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会”の構築を目指す取り組みです。国は基本方針を通じて中長期的な方向性を提示し、地方の取組を支援することとしています。

こうした取組を進めていくためには国民の理解が不可欠であり、デジタルによる利便性を理解してもらう必要があります。デジ田事務局では、デジ田への関心を高める目的で令和4年度からDigi田甲子園を開催しています。
Digi田甲子園は、これまで2回実施しましたが、ここからは、それぞれの概要と表彰事例について紹介します。

まず、令和4年4月から9月にかけて実施したのが“夏のDigi田甲子園”です。自治体が対象で、その規模別に、指定都市・市・町村、加えてアイデア部門という4つのカテゴリーを設け、それぞれ提案・広報で競い合い、国民によるインターネット投票を開催して約2万4,000票の投票をいただいています。優勝者には内閣総理大臣賞が授与されました。

“夏のDigi田甲子園” 受賞事例紹介

「指定都市部門」の優勝は福岡県北九州市の「北九州市DX推進プラットフォーム創設、北九州市ロボット・DX推進センター開所等による市内中小企業のDX支援の加速化」でした。北九州市はものづくりのまちである一方、中小企業の労働生産性向上を課題として認識していました。そうした中で、DXを使った生産性向上を進めていこうという取り組みです。特徴の1つは、DXを推進したい企業と、サポートしたいIT企業を中心としたマッチングシステムを整えたこと。また、センターを設け、専門家による無料相談や現場派遣、人材育成などの支援を一気通貫で行えるようにして、中小企業の生産性向上の支援をするということです。全国で参考にしてほしいモデルだと考えています。

「市」部門では、山形県酒田市の「飛島スマートアイランドプロジェクト」が優勝しました。酒田市に飛島という高齢化率が約8割の有人離島があり、島に商店がない、冬は海が荒れて船が欠航しやすい、通信環境も脆弱である、といった課題に対する支援のプロジェクトで、海底光ファイバーケーブルで通信環境を整備し、新設した店舗ではスマホで注文できるスマートオーダーシステムを開発。島内を小型e-モビリティで商品配達する仕組みも整えて、高齢化対策や過疎化対策を実現しています。

「町村」部門は、優勝が群馬県嬬恋市の「観光・関係人口増加のための嬬恋スマートシティ」。スマホでビッグデータを分析し、観光情報をプッシュ型で配信するもので、観光客の増加につなげた取り組みです。

「アイデア」部門の優勝は群馬県前橋市の「めぶくEYE:視覚障がい者歩行サポートシステム」です。視覚障害者の方が、スマホを胸にさしておくと、カメラがAI画像認証で障害物を発見し音声で知らせてくれるというもので、障害者も外に出歩きやすくするというアイデアが評価されています。

“冬のDigi田甲子園” 受賞事例紹介

続いて、冬のDigi田甲子園です。こちらは令和4年10月から開催したもので、民間企業を対象にしています。企業・団体から172件の応募があり、このうち46件でインターネット投票を行い、4万623票の投票をいただきました。Digi田甲子園は2回目ということで認知度も上がっていたようです。

優勝は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の「デジタル(テレマティクス)技術を活用した新たな交通安全対策」です。同社の保険者・協力者の車に装置を搭載し、急ブレーキを踏みやすい、よく事故が起こる、といった場所のデータを収集し、危険なエリアを示すマップを作成。地域の小学校などに配布したり、県警に情報提供したりして、先手で事故を防ぐためにデータを利活用するという取り組だという点で高い評価を得ました。

以上、各部門で優勝した取り組みを紹介しました。より詳しい情報はDigi田甲子園の公式ホームページで紹介しています。候補となった取り組みも掲載しており、1分間の紹介動画もあるのでご覧ください。また、これらの事例は「デジ田メニューブック」として、ジャンルや地域などの検索機能を付けて掲載しているのでこちらもご利用ください。

デジ田甲子園は令和5年度も開催するので、ぜひご応募いただき、投票へも参加いただければと思います。

自治体内部事務の変革と地域企業のDX支援

第2部は、DX支援を行う企業からの事例紹介。自治体のデジタル化推進で得られるメリットは何か、地域企業を巻き込んだ取り組みに広げていくポイントも含めて解説してもらった。

<講師>

長谷 大吾氏
株式会社コンカー

プロフィール

2005年大学卒業後、電機メーカーにて営業に従事。2016年コンカー入社、大手民間企業向けの営業に従事。2020年から部長として公共領域の営業、並びにパートナーアライアンスをリード。

リソース不足が深刻化する前に業務削減と時間の創出を。

ここからは、当社が提案している自治体の内部事務の変革と、それがどのように地域事業のDXへつながっていくのかということをお伝えします。

簡単に当社、コンカーの紹介をします。本社は米国にあり、日本法人は2010年に設立されました。SaaS型の国内経費精算ベンダーでは売上高1位で60%のシェアとなっています。提供するサービスの範囲は、予算執行業務と旅費精算、海外出張手配の3つで、2024年には国内データセンターを開設し、ISMAP登録の準備も進行中です。

自治体とは、2019年頃から14の実証実験を進めてきた経緯もあります。この実証実験の結果を踏まえ、業務効率化について説明したいと思います。

自治体を取り巻く環境では、人口減少と共に職員数も減っていくという2040年問題や、住民サービスの複雑化があり、さらに昨今のコロナ禍のように突発的に発生する業務もあります。それを乗り越えるため、仮に職員数が半減しても業務継続が可能なありかたへの変革が求められているのです。そこで、自治体の内部事務で人と紙を前提としている部分を、デジタルを起点とした業務プロセスに再構築していくことで、業務削減と時間の創出が可能になります。

まず当社が提案しているのが、身近な業務からDXしていくということです。対象は、作業量が多くてルールが明確で、かつ多くの職員が関わるノンコア業務。ここで、具体的な実証実験の事例を通して紹介します。

2自治体における実証実験の取り組みと、その業務削減効果。

栃木県は、会計処理の業務改革が必要だと感じていました。まず非定型業務から着手しようということになり、そのテーマが当社の予算執行とマッチして検討いただいています。

また、前橋市では情報政策課が業務改革のプロジェクトに関心があるということで、実証実験を通じて検証されました。結果は、栃木県・前橋市共に、アナログベースの作業をしていた部分をデジタルに置き換えるだけで約70%の業務削減効果があると出ました。ほかの自治体でも同様の業務削減効果が出るという見込みです。

ここで、予算執行業務とは具体的にどんな範囲なのか、ということについて掘り下げて説明します。

上図がコンカーの役割範囲を示すものです。左側の部分が財務会計システムの範囲で、当社は歳出管理、支出負担・支出命令をクラウドサービスで最適化します。財務会計システムに手を加えるのではなく、財務会計システムとデータ連携をするという方法です。

図右側の通り、電子見積・電子請求書のオンライン申請や、それをベースに支出負担・支出命令の自動化、業務の効率化を行っていき、システムチェックを通じながら電子決済をまわして、最終的には可視化・データ活用します。その結果、ペーパーレスやテレワークにつながるというものです。

コンカーで最終審査・決済されたデータは、財務会計システムに結果だけを連携します。一方財務会計システムに入っている予算情報、債権者・組織・職員などといったマスター関連は、財務会計システムからコンカーに連携するという形で、双方で補っていくというものです。具体的には下図のようなサービス提供イメージとなります。

これまでの実証実験をどう進めて来たかという流れですが、まず当社で現状分析を行います。具体的には各自治体の規則などのドキュメントをいただいて業務フローに起こし、どのように業務が流れてどう処理を変えるかを可視化する。それをベースにToBe=あるべき像をお見せして、実際にCanBe=実現可能なところはどこかというのを検討する。それに対して実際に実機を操作してもらい、操作がうまくいくか、どのくらいの効果が出るかを測定して課題を抽出。それらを通じて検討結果をまとめます。

ある自治体で検証した結果、現状で会計部門が45項目をチェックしているのに対し、コンカーでロジック化した場合はどの程度省力化できるかを検証した結果、45項目中41項目がシステム化でき、人がやるべきは4項目となりました。

自治体主導でデジタル化を進め地域内エコシステムを構築!

以上は内部の事務変革ですが、地域の企業に対してもDXを通じた貢献が可能です。

行政内部事務の効率化に関連して、地域の企業との取引も電子請求書でデジタル化していきます。地域企業は電子請求書の発行を始めると、次は請求書を受け取るステージに進んでいきます。こうして電子請求書の発行・受け取りの環境を整えると、企業間のやりとりでも電子化が活発になり、自治体を中心としたデジタルエコシステムが構築できると考えています。

結論として、まずは自治体が自ら変革していくことが求められます。その効果が地域に波及し、地域DXにつながる効果が出てくるのです。私たちもこのような将来像を目指して、引き続き自治体に提案していきます。

山でも海でも自営で始まるIoT通信革命

地域のデジタル化においては、都市部におけるイノベーションだけでなく、情報通信網が脆弱な地域の支援も忘れてはならない。山間部などでの通信インフラ整備を進めるフォレストシーの担当者が、デジ田採択事例をまじえて取り組みの重要性を語る。

<講師>

藤本 晶史氏
株式会社フォレストシー

プロフィール

1988年 栃木県生まれ。静岡大学情報学部卒業後、2011年に特殊包装資材メーカーのジオパックに入社。2016年から社内ベンチャーとして立ち上がったフォレストシーに所属し、独自のIoT通信を核に中山間地域の課題解決に取り組む事業に携わる。

森林地域で働く人のために“IoT通信圏外ゼロ”の実現を目指す。

フォレストシーは、独自の長距離かつ双方向対応のIoT通信規格「GEO-WAVE(ジオウェイブ)」を使い、山や海などの通信困難な地域でもつながる自営の広域IoT通信インフラづくりを支援している企業です。今回は我々の技術・製品について説明しつつ、デジ田交付金を活用してサービスを導入した浜松市の事例を紹介します。

日本の国土は、67%が森林です。この山間部に携帯圏外エリアが非常に多く、様々な課題を解決するIoT製品・サービスがあっても肝心のつながる通信手段がない、という現状があります。さらに山間部では貴重な通信手段である3Gのサービスが順次終了し始めています。しかし、そうした場所では獣害対策や林業の労働安全対策、自然災害対策、高齢者の見守りなど課題が山積。また、市街地でも大規模災害が発生した際には、通常の通信インフラが途絶する可能性があります。これらに対し、我々が掲げているのが“日本の隅々まで、IoT通信圏外をゼロへ”というスローガンです。

当社は、独自の長距離IoT通信規格GEO-WAVEによって、前述のようなシーンでも最低限の通信インフラを広域で整備し、地域課題の解決を目指すことを提案しています。

このGEO-WAVEは、低消費電力なので通信設備も小型かつ低コストでありながら、長距離通信が可能なIoT通信規格です。基本的に地域で自営可能なので、通信料金がかからないという点も特徴です。山あり、海あり、まちありといった環境で様々な貢献ができますが、中でも今までに取り組んできた“獣害対策”と“林業の労働安全対策”について紹介します。

獣害対策・林業に携わる人々をIoT通信技術で支援!

野生動物による農林業の被害は全国的な問題ですが、わなをかける対策では捕獲従事者のわなを見回る負担が大きいという課題があります。これに対し、当社がGEO-WAVEを活用して開発したのが“オリワナシステム”です。わなが作動したときに、遠い山奥からでも知らせが届いて早期の駆け付けができ、わなを見回る方々の負担軽減に役立ちます。現在はGeoWana(ジオワナ)と名称が変わっており、全国80以上の自治体や森林管理署などに活用されています。

また、獣害対策の次に当社が取り組んだのは林業の労働安全対策の支援です。林業の現場は携帯電話も繋がらないような山奥が多く、過酷かつ危険である反面、事故などの際の緊急連絡手段が十分に確保されていません。

そこで我々はGEO-WAVEを活用し、GeoChat(ジオチャット)というSOS送受信デバイスを開発しました。GeoChatはスマートフォンの専用アプリと連動することで、短いテキストメッセージと位置情報を送信でき、オプションを組み合わせれば、利用者の脈拍などのバイタル情報も、携帯圏外の現場から携帯圏内の事務所で見守る方々等に共有することができます。現時点では自治体や森林組合、演習林を持つ国立大学などで利用されており、最近では電力会社など民間での使用も増えてきています。

このGEO-WAVEを活用したインフラは、下記のようなGeoBase(ジオベース)という機器で構築します。

GeoBaseは、手に持って取り付けできるサイズの機器です。複雑な操作も不要で、電源を入れるだけで広域のIoT通信インフラを構築できます。下図はクラウドにつながる出入口となる親機の設置イメージです。

コストを抑えつつ複数課題を同時に解決できるデジ田交付金。

こうしたインフラ構築では、費用対効果を上げるためにも単一の目的に使うのではなく“獣害対策と林業と防災と見守り”といった複数分野の課題解決に共有していくことが重要です。しかし従来の補助金では、申請時の事業目的以外には活用できないというハードルがあり、広域・多用途の利用が難しい部分もありました。そこに登場したのがデジ田です。

デジ田の幅広なテーマの中には、例えば「ICTを活用した森林施業の効率化や高度な木材生産」、「森林における通信の確保」といったテーマがあり、当社のサービスと一致します。

静岡県浜松市と岡山県西粟倉村では、デジ田交付金を活用したGEO-WAVEによるIoT通信網の整備を含む事業が採択されました。ここでは浜松市の事例について紹介します。

同市では市内北部の林業が盛んな地域において、当社のIoT通信インフラ網を整備し、GeoChatを活用した林業見守りサービスを開始しました。地域内には携帯圏外も非常に多いのですが、この取り組みによって林業者の位置情報が常に把握でき、いざという時の連絡が取れる安心・安全な環境が整備されたと評価いただいています。

また、同市では令和4年度のデジ田交付金を活用し、データ連携基盤の整備を開始しています。この広域IoT通信網とデータ基盤を活かした今後の展望として、GeoWanaとの連携による獣害対策への活用や、河川水位、気象情報、土砂崩落情報などを収集して、自然災害の早期警戒や、高齢者の見守りなどにも水平展開が可能だと考えています。

我々はこのGEO-WAVEを活用し、獣害対策や林業の労働安全といった分野で多くの自治体と実績を積み重ねてきました。デジ田との連携についても、我々の技術を活用いただいて、地域課題の解決につながるIoT通信インフラおよびサービスの実装ができると確信しています。

LINEを活用した行政DXの最新事例

多くの自治体が運営しているLINE公式アカウント。その機能を活かせば、自治体からの情報発信だけでなく、住民サービスの向上にも、業務効率化にも有効だ。Day2の最後は、多くの自治体へLINE活用の支援サービスを提供してきたプレイネクストラボの担当者が、全国での事例をまじえて自治体へアドバイスする。

<講師>

三田 誠氏
プレイネクストラボ株式会社

プロフィール

ITベンチャーにてLINE公式アカウント運用、カスタマーサポートに従事。2020年にプレイネクストラボに参画、スマート公共ラボのコンテンツ導入と運用サポートを担当。

全国の自治体で7割が導入済爆発的に広がったLINE公式アカウント

このパートでは、LINE公式アカウントの活用法を、最新活用事例を中心にお伝えします。

当社は、自治体公式LINEで“スマート公共ラボ”というサービスを運営しています。LINE Fukuokaが提供するGovTechプログラムの導入と運営をサポートするもので、オープンソースの公開から3年、すでに60以上の自治体が利用している状況です。実際、自治体のLINE公式アカウントの開設は非常に進んでおり、アカウント開設数は1,200以上。全国の約70%の自治体が参入しています。

このLINE公式アカウントは、標準機能に加えてシステムの連携をすることで、様々な機能を追加することができます。例えば当社のGovTechプログラムを導入いただくと、通常の情報配信や1on1のチャットとは別に、より細かなセグメント配信や、複雑なチャットボット、予約やアンケートに使えるフォームの作成、災害に特化したコンテンツの表示なども可能です。これらの機能を必要に応じて組み合わせることで、様々な行政サービスの提供が実現できます。

ここからは、当社のスマート公共ラボ、GovTechプログラムを実際に使ったLINEアカウント活用事例をいくつか紹介します。

GovTechプログラムの全国での活用事例について。

まずは電子申請です。こちらの機能は福岡県大川市で導入され、出産子育て応援給付金の申請受付を令和5年2月上旬から開始したのですが、1週間で約100件の申請と、予想以上の反響をいただいています。住民票や給付金の申請をLINEのみで行うことができ、マイナンバーカードの読み取りもLINEのアプリ内からスマホをかざすことで完結し、公的個人認証にも対応しています。決済もLINEペイ、ペイペイ、クレカなどに対応しており、さらにLGWAN対応なので、自治体職員は業務用のPCから操作が可能です。

続いて、防災関連の機能です。自治体では個別に整備した防災メールを運用しているケースも見られますが、近年はメールの開封率が数%~数十%と言われており、それに対してLINEは70~80%ほど。確実にユーザーへメッセージを届けるという意味でも、防災のお知らせというのはLINEに適していると思われます

。岐阜県では、LINEの通知を希望する方に対応する取り組みをしており、令和4年台風14号の際にはLアラートと連携し避難警報をLINEでも発信しています。

ちなみに、防災コンテンツには“災害時モード”という機能もあり、プッシュ通知を行うと同時に災害専用のリッチメニューに即座に切り替えることが可能です。

次は山形市の事例です。同市では児童遊戯施設の予約をLINEで実施しました。コロナ禍中の施設オープンだったこともあり、予約は全てLINEからの受け付けで、オープン予約開始から2週間で5,000件を超える予約をいただきました。感染拡大対策として、密を緩和するという部分にも貢献した事例です。

また、同市では通報機能も活用いただいています。道路や河川、公共物が破損していた際や、不法投棄があった際に、LINE公式アカウント内から自治体に通報ができる機能です。一連の流れをチャットボットが案内するので、スムーズな通報が可能になっています。

最後は、北海道千歳市のキャンペーン事例です。地元の商店と連携したキャンペーンで、クーポンやプレゼントを提供する事業者を募集し、LINEの公式アカウント内でそのクーポンやプレゼントをユーザーが使うという仕組みになっています。

地域振興という面でも大きな成果を上げており、同市のLINE公式アカウントは開設当初のともだち数が3,000人くらいだったのですが、この施策を開始してから登録が5倍以上に増え、1万7,000人ほどになっています。

以上、いくつかの事例をピックアップしました。デジ田の交付金について、LINE関連の案件は33件ほどあります。政策的優遇措置を検討する場合の参考ですが、当社の機能だと表のようなものがあります。

今回説明したスマート公共ラボのシステムについてはデモ版を用意しています。最新情報や活用事例も希望の方にお送りしているので、興味のある方はLINEの方からお申込みいただければと思います。スマート公共ラボ、GovTechプログラムに関しての導入や見積もりなども気軽に問い合わせください。

お問い合わせ

ジチタイワークス セミナー運営事務局

TEL:092-716-1480
E-mail:seminar@jichitai.works

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