まちの災害状況を確認するための高所カメラ。しかし、カメラ映像だけでは、どこを映しているのか分かりづらく、遠隔での確認が難しいという。初動対応にも関わるこの課題に、江戸川区は地図とカメラの連携システムで対応しようとしている。
※下記はジチタイワークスINFO.(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]キヤノンITソリューションズ株式会社
システム更新に合わせて進めた高所カメラの機能向上計画。
同区では、防災目的で区内の2拠点に高所カメラを設置し、運用している。令和元年に東日本を襲った台風19号上陸の際も、カメラでまちの様子を確認していたが、以前のカメラシステムは使い勝手に課題があったと長島さんは語る。「例えば、災害発生の通報を受けてすぐにカメラ映像を見ても、目印になるような建物がない限り、どこを映しているのか把握できず、目的地を探すのに時間がかかっていました。上から見た市街地は意外と分かりづらいのです」。
その中、老朽化により高所カメラの更新時期を迎え、同じタイミングで、同区で使用している防災情報システムをクラウド化する話が上がった。「これを機に、カメラシステムもその防災情報システムと連動させて、災害対応力を高めようと考えました」。ただ、このシステム連動のために新しく開発をすると、コストも時間もかかる。打開策はないかと探していたときに出合ったのが、「キヤノンI Tソリューションズ」が提供している「カメラ地図連携アプライアンス」だった。
通報後すぐに現場を確認できる利便性と導入しやすさが決め手。
同製品は、地図とカメラを連携させ、地図をクリックするだけでその地点の映像が表示されるシステム。直感的な操作で、見たい場所をすぐに確認できるだけでなく、住所入力でのカメラ制御も可能。既存のカメラも連携できる上、汎用化されたシステムなので個別開発と比較して、短納期・低コストで導入できるという。「これらを総合的に評価して導入を決めました。何より使いやすく、災害発生時の情報収集を迅速化できるのが大きいですね」。
従来は通報を受けてから、視認するカメラを決め、モニターに表示される映像を見ながら手元のコントローラーで操作。現場を確認できるまで10分以上を要していたが、現在では数秒で完了するという。吉岡さんは、この利便性を高く評価していると話す。「課内の職員に操作説明をする際にも、実際の地図操作を見せると、すぐに便利さを理解してもらえます」。
同区では、このシステムに加え同社が提供する“煙検出AIサービス”も導入している。これは、まちの中で煙が上がっている地点があれば、AI がそれを検出。通知を送ることにより、火災発生時の迅速対応につながる。これらのツールを揃えた環境で、令和5年4月に、同区は新防災システムの正式運用を始めたという。
操作の様子はこちらからも確認できます。
テクノロジーの活用で、広域をカバーする災害対応力の創出へ。
さらなる同製品の強みが、オフラインでも操作可能な点だという。地図データはシステムにインストールされており、映像は無線通信で受信しているため、ネット環境がなくとも利用が可能だ。同区では現在、ネット接続環境での運用を行っているが、災害発生時にはインターネットが止まるリスクもあるので、オフラインでも使えるのは安心材料の一つになる。「仮に首都直下型地震が起きたら、かつて経験したことのないような状況になることが考えられます。迅速な意思決定のためにも、情報収集のスピードが重要になるでしょう。そうした想定にも備えなければならないと思っています」。
今後は高所カメラの増設、ドローン活用なども進め、いずれは区内全域をカバーするというのが目標だ。その上で、長島さんは、将来的な展望について次のように語ってくれた。「こうしたシステムを活用して防災の仕組みを標準化し、自治体の横連携ができれば、全国レベルで防災力が高まっていくはず。そんな未来に向けて、まずは足元を固めていきたいですね」。
映像での情報収集スピードが上がれば初動対応や意思決定も迅速化する。
現場の声をもとに開発された、カメラ地図連携アプライアンス。機能、コストなど自治体の要望に応えつつ、発災時の初動対応や意思決定のスピード向上に貢献する。
「カメラ地図連携アプライアンス」の3つの強み
1.直感的操作で災害時のオペレーションを迅速化
地図上で見たい地点をクリックするだけの直感的な操作で映像表示ができるため、高所カメラによる情報収集がラクになる。また、カメラ制御に慣れていない職員でも活用でき、属人化の防止にも。
+αの便利な機能も!
●住所検索
住所入力でもカメラ制御が可能。通報の際に、住所が分かれば迅速に確認できる。
●同時操作
複数のカメラを同時操作し、異なる地点の映像が同時に表示できる。
2.高い汎用性で様々なカメラに適応
同システムが連携可能なカメラは約2,000機種。一般的な製品はほとんどカバーしているため、すでに自治体で所有している既存カメラも活用できることが多い。また、個別開発が不要なため、導入コストを低減しつつ、運用開始までの導入期間も短縮できる。
3.もしもに備えオフラインにも対応可能
地図データは、インターネットに接続していなくてもシステムに保持されるため、災害時にインターネットが使えなくなっても問題なく使用できる。また、オフラインでの活用は、カメラ映像の情報漏えいリスクの備えにも。
モバイル端末との連携でさらに利便性を向上
令和5年4月からモバイル端末との連携機能を追加。専用アプリをインストールしたスマホやタブレットで撮影した現場映像を、庁内のシステムで確認でき、位置情報や履歴も残せる。システム内の高所カメラ映像をスマホから確認することも可能。
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カメラ地図連携アプライアンス担当
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