
“同じことを何度も書かされる”というのは、住民が役所に抱く典型的な不満の一つではないだろうか。
そこで野々市市では、マイナンバーカードなどを読み込み、申請書に住所などを印字するシステムを導入。住民の不満解消に努めているという。
※下記はジチタイワークスINFO.(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本電気株式会社
マイナンバーカードがあれば住所などの記入が不要になる。
来庁者数の増加に伴い、利用者の待ち時間が長くなっていた同市。手続きの改善に乗り出したが、そこで気になったのが申請時の手書きの多さだったという。
「特にマイナンバーカードに関する手続きでは、記載台ではなく窓口で申請書に記入してもらうため、時間がかかっていました。また、マイナンバーカードの導入から約7年が経過し、電子証明書発行の有効期限を迎えた人が増えています。新規取得だけでなく更新を促すためにも、カードを持っていれば手続きがラクになるなどのメリットが必要でした」と、市民生活課の山田さんは話す。
そこで導入したのが「日本電気(NEC)」の「NEC申請書記入サポートシステム」だ。同システムでは、操作端末で希望の申請書を選択し、カードスキャナーにマイナンバーカードか運転免許証を読み込ませる。すると、氏名・住所・生年月日・性別の4つの基本情報が印字された申請書が専用プリンターから出力される。これにより、住民の記入負担を軽減できるというわけだ。
基幹システムの改修はなくセキュリティの不安も少ない。
同市では、これをマイナンバーカード関連の窓口に導入し、“電子証明書発行・更新申請書” “券面記載事項変更届” “暗証番号変更・再設定申請書”に活用。操作端末はコンパクトだが、画面は高齢者でも使いやすいサイズになっている。個人情報保護の観点から、プリンターは窓口で対応する職員のすぐ後ろに設置。ほかの住民の目に入らないように配慮する。出力に時間がかかることもなく、従来の手書き申請よりスムーズになったという。
「基本情報が印字されるので、住民が追加で手書きするのは名前のふりがなと電話番号ぐらいです。それ以外は選択肢に丸を付けるだけで済むことがほとんど。一度に複数の申請書を出力することもできますし、同じ情報を何度も手書きする必要がなくなりました」。
また、独立型のシステムであることも導入の決め手になったという。ほかのネットワークや機器と連携しないため基幹システムを改修する必要がなく、情報漏えいなどセキュリティ上の懸念も少ない。「DXというと導入前の準備が大変そうですが、自治体側の作業はほとんどありませんでした。改行するかしないか、文字サイズを縮小するかしないか
など、こちらの希望に沿って設定してもらい、最後に出来上がった申請書を確認。ほかには機器の設置場所を確保した程度です」。
フローを変えずに効率化を進め最小限の手間で大きな成果に。
今回のシステム導入は、利用者側である住民の負担軽減はもちろん、職員側のメリットにもつながっている。「手書きの申請では、文字の識別が難しいこともありますし、住所を覚えていない人もいるのですが、このシステムでは正確な情報が印字されるので助かります」。導入の前後で業務フローが変わることもなく、職員の間でも“簡単な上にラクになった”との声が多いという。
4つの基本情報は役所のほとんどの申請で必要とされる。その汎用性の高さから、今後はほかの窓口でも展開できると期待を寄せる。「特に高齢者が多い、介護などの窓口で喜ばれると思います」。さらに、今回の取り組みでDXに関する認識にも大きな変化があったという。「従来の業務フローを一新するだけがDXではなく、小さなことでも住民や職員をラクにすることはできる。最初から大がかりなことをせず、まずは小さな成功を重ねることが大切なのかもしれません」。
今回の取り組みを通じて、職員がDXに親しみをもてるようになったのも、大きな成果といえるだろう。
野々市市
市民生活課
山田 陽子(やまだ ようこ)さん
同じことを何度も書かせない!住民の不満に寄り添うための窓口DX。
システム導入によるメリット
1.申請書の手書き項目が減り、待ち時間も短縮
マイナンバーカードもしくは運転免許証を活用することで、申請書ごとに基本情報を手書きする必要がなくなる。記入の負担が軽減されるだけでなく、待ち時間の短縮にもつながっている。
2.手間をほとんどかけずに窓口DXができる
端末単体で機能する独立型システムのため、セキュリティの心配がほとんどなく、既存システムを改修する必要もない。導入の手間をあまりかけることなく、窓口業務の効率化が期待できる。
3.マイナンバーカードの利活用を促進
対応する申請書の種類を増やせば増やすほど、マイナンバーカード所持者の利便性は高まっていく。手続きなどがラクになることで、さらなる普及や利活用の促進が期待される。
NECのスマート行政窓口ソリューション
自治体の窓口DXをサポート
申請書手書きの手間を軽減(野々市市が導入)
※申請書記入サポートシステムでは4つの基本情報と日付の記入が不要になる
オンライン申請/受付審査システム
住民サービスの向上と職員の業務効率化に貢献
申請管理システム
国のぴったりサービスからの申請を業務システムへ効率的に連携
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