新潟県新潟市北区役所建設課では平成29(2017)年から新任職員向けの業務説明書「エイプリル・マニュアル」を作成しています。
職場の業務改善、さらには人間関係の向上にも繋がりました。
※下記はジチタイワークスVol.3(2018年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 新潟県新潟市
業務負担が増える4月
新任職員が入庁する4月は自治体の繁忙期。そのため業務を綿密に指導するものの、業務マナーの教育に十分な時間を割けない、なんてことはありませんか?
新潟県新潟市北区役所建設課では新人が共有スケジュールに予定を書き込まないなど、職場の基本ルールを知らずに勤務するケースが多く見られました。
パソコンでの業務に慣れていない新入職員は簡単な操作手順でも覚えるのに時間がかかります。効率的に指導し、短時間で適応させることも求められていました。
そこでスケジュールの記入方法やマナーなど新人が覚えるべき項目に特化した「エイプリル・マニュアル」を作成したのです。「スケジューラ編」「電子メール編」「ネットワーク使い方編」「職員録編」の4つに分け、つまずきやすい箇所を重点的にカバーした内容になっています。文書化したことで口頭のみでは1時間を要した指導時間が40分に短縮されました。さらに、先輩に直接質問しなくとも繰り返し確認できます。
エイプリル・マニュアルを持つ新潟市北区のマスコット「クイクイ」
マニュアルの作成後はスケジューラが正しく利用され、会議調整の手間がなくなりました。また職場の業務効率がアップし、残業時間の削減に成功。平成29(2017)年4月の建設課内の残業時間は累計282時間で、前年に比べ97時間も減っていたのです。
先輩にも良い影響が
「注意の回数が減り、職場の雰囲気も改善されている」と建設課の担当者は話します。新人職員に渡すだけでなく、育成担当者が指導事項を確認する際にも使われているようです。
この取り組みは新潟市の改善提案・実践報告発表大会「やろてばにいがた2017」で発表され、最も優れた改善実践を実施したチームに授与される「最優秀改善実践賞」を受賞しました。山形県酒田市で開催された「第12回全国都市改善改革実践事例発表会」へ新潟市代表として出場しています。