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シティプロモーションで地域活性化!他自治体の目的や成功事例を学ぶ!

シティプロモーションとは地域の認知度を上げるため、そして魅力を知ってもらうための活動である。その地域のことを知らない人にだけでなく、地域在住の人向けにも魅力を再発見してもらうために行う場合も多い。

今回は、自治体が実施したいシティプロモーションの効果的な方法、そして成功事例について紹介する。

シティプロモーションの目的を考える

シティプロモーションに取り組む前に、まずはその目的を考えることが重要となる。目的がはっきりしていないとその効果は期待するほど出ないおそれ恐れもあるからだ。

なお、シティプロモーションといえば 、地域外の人に向けて認知度向上等の目的で行うものと思われがちだが、地域に住む人を対象に人口流出阻止や地域活動への参加を促すことを目的として行われる場合も多い。つまり、そこに住む住民に地域を好きになってもらうために行うものだ。
 

シティプロモーションが必要な理由

自治体にとって、シティプロモーションが必要な理由を具体的に考えてみよう。ここでは「地域外の人向け」「地域に住む人向け」それぞれで必要な理由を挙げていく。

【地域外の人に向けてシティプロモーションが必要な理由】

地域外の人向けに、シティプロモーションが必要な理由 には以下のようなものが挙げられる。

● 移住者を増やすため
● 観光客を増やすため
● ふるさと納税をしてもらうため
● 特産品の販促のため

 

など、地域外の人に向けてシティプロモーションを行うのは、認知度の向上と人やお金を呼び込むことが目的となる場合が多い。多くの人やお金が地域に集まることで、活性化につながることが期待されている。
 

【地域に住む人に向けてシティプロモーションが必要な理由】

では、すでに地域に住む人に対してもシティプロモーションが必要な理由についても考えてみよう。

● 人口流出阻止のため
● 自分の住む地域に愛着を持ってもらうため
● 地域活動への参加を促すため

 

地域に住む人に向けてシティプロモーションを行うのは、自分の住むところを好きになってもらうためであることが多い。地域に愛着を持つ人が増えると、若い人たちの定住率の向上、祭りなどの地域活動の活発化、そして住民の満足度アップも期待できるだろう。
 

シティプロモーションの目的を決定する

自分の地域でシティプロモーションを行いたい理由を検討した後は、その目的(ゴール)についても考えておく必要がある。 繰り返しになるが、目的がしっかり定まっていないと効果も出にくいためだ。

例えば、よく挙げられる目的には次のようなものがある。

● 20代~30代ファミリー層の移住者を増やしたい
● 10代後半~20代前半の若年層にずっとこの地域で暮らしてもらいたい
● 進学等でいったん一旦引っ越していった人にも戻ってきてもらいたい
● ふるさと納税の額を今の1.5倍程度増やしたい
● 清掃活動や地域ボランティアなど、地域活動に参加する市民の割合を増やしたい

 

目的が定まったら、それに応じたシティプロモーションの方法を考えよう。

シティプロモーションの成功事例

それでは、以下の地域のシティプロモーションの成功事例を確認してみよう。

●千葉県流山市「ブランディングプラン」
●兵庫県尼崎市「あまらぶ大作戦」

 

千葉県流山市「ブランディングプラン」 

千葉県流山市では、2011年から30代~40代前半の子育て世帯を対象に「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」のキャッチフレーズでPR活動を行っていた。その結果、人口増に成功。2016年以降は住み続けられるまち街としてのブランディングに力を入れている。

具体的には首都圏に勤務・在住するDEWKS(double employed with kids 子どものいる共働き世帯のこと)をターゲットにし、駅広告やウェブ上でのPR活動を展開。その結果も徐々に出てきており、PRサイトの訪問者数も2018年度が6,430だったのに対し、2019年には16,423にまで上昇した。

また、首都圏(東京都)からの転入率も2016年は20.2%であったが、2019年には23.3%にまで向上、さらには、市内の0歳~9歳および30歳~49歳の人口も、以下の表のとおり年々増加している。

流山市_市内人口推移

さらに、市民が集まれるイベントの実施、ママ友作りコミュニティの立ち上げなど、市内で活動する「コア市民」を中心に、子育て世帯の定住を意識したプロモーション活動も行っている。
 

■流山市HP|流山市ブランディングプラン(令和3年4月)
 

兵庫県尼崎市「あまらぶ大作戦」

兵庫県尼崎市の「あまらぶ大作戦」は尼崎を好きな住民を増やすことを目的としたシティプロモーション活動である。

市が中心になり、まちづくりに関する意識調査 を実施。「尼崎に住む理由」「今後も住み続けたいか」「(転出したい場合は)移りたい理由は何か」など、居住意向についての詳細なアンケートを行った。アンケート結果は尼崎市のホームページでも閲覧可能である。 

自治体側からの情報発信だけでなく、市民への意識調査を通じ、どの部分に魅力を感じているか、改善してほしい部分はどこかをはっきりとさせている。その結果、 自治体職員だけでなく、市民までも自分の住む市の魅力、改善点を認識できるようになった。市民に当事者意識や市への愛着を持ってもらうことに成功している。
 

■関連記事|定量的な指標を定め、戦略的に成果を出す「あまらぶ大作戦」。

シティプロモーションを行う上で注意したいこと

シティプロモーションを実施する際に注意したいことを挙げておこう。

目的をしっかりと決める

シティプロモーションを行うのであれば、「人口流出を食い止める」「移住者を増やす」など、目的をしっかり決めてシティプロモーションを行うことが重要だ。例えば流山市の「30代~40代前半の子育て世帯が対象」のように、ターゲットを細かく設定するのもオススメである。

目的がはっきりしていないと、誰を対象としているのか、そしてなにをもって成功とするのかが分からなくなるおそれが大きい。 
 

地域の魅力を分かったうえで行っているか?

自治体のシティプロモーション担当者が、地域の魅力を把握していることも重要である。魅力が分からないと、効果的な施策を打ち出すのは難しいだろう。特に担当者が複数いる場合は、意見のすり合わせは必ず行うようにしたい。進むべき方向性や目的を統一させておくことが重要だ。

そして民間の力を借りるのであれば、自治体が何を目的としているかを理解してもらった上で協力を依頼することが重要である。「とりあえずアイデアがありそうな民間企業に依頼する」では成功する確率も低くなるだろう。

また、注目してもらうことを重視するあまり、「面白い」「目を引く」というだけのシティプロモーションになっていないかも都度確認していこう。シティプロモーションには資金も時間もかけるため、成果を重視することも必要である。
 

実施後の見直しも重要 

実施したシティプロモーションはそのまま継続するのではなく、定期的に見直しし、必要であれば改善することも大事である。住民増のように数字で分かる部分だけでなく、先にご紹介した尼崎市の例のように、アンケート等で市民の率直な意見を聞くことも検討したい。

まとめ

「移住者増加」や「ふるさと納税額増」を目指し、シティプロモーションを実施したいという自治体・地域は多いだろう。

しかし、「移住者〇%増」や「ふるさと納税額前年比〇%アップ」のように、目的・ゴールを決めることが重要だ。目的を決めていないと、何が成功なのかがはっきりしなくなる可能性が高い。

そして、シティプロモーションを行う場合は、後日見直しも必要である。見直しを行わないと改善点も見えてこない。アンケートなどで市民や関係者の意見を聞くのもよいだろう。

 

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