ジチタイワークス

愛知県名古屋市

持ち運べる非常食が、子育て世代における防災意識の啓発に。

区民の防災意識向上をねらい、「井村屋」が手がけるオリジナルパッケージの非常食「えいようかん」を導入した名古屋市中川区。防災啓発活動が盛んな同区が、なぜこの取り組みを行ったのか。詳しい導入背景や経緯を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.23(2022年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]井村屋株式会社

被災経験のない子どもにも防災意識をもってほしい。

庄内川をはじめとする7つの河川が流れ、区域の多くが海抜0m以下である同区。河川の氾濫や地震時の液状化リスクが高い地域だが、「平成12年に起きた東海豪雨以降、名古屋市では大きな災害が20年以上起きていません。被災経験の有無は防災意識に大きく関わるといわれており、特に被災経験のない若い人の意識をより高める必要があると考えていました」と酒井さんは話す。

その現状を踏まえ、同区は令和2年から愛知県立大学と連携し「セーブ・ザ・なかがわっ子プロジェクト」を開始。区内の保育園をモデルとして、様々な防災対策や避難計画などを検討しながら、災害弱者である子どもや高齢者などの支援につなげる計画だ。

また、子どもの命を守ることにフォーカスした啓発活動を通し、区民全体の防災意識の向上も目指している。この活動に力を入れているタイミングで出合ったのが、非常食「えいようかん」のパッケージにオリジナルデザインを施せるサービスだった。「今までの啓発はチラシなどがメインでしたが、もう一歩踏み込んだ方法を探していました。ジチタイワークスの記事でこの商品を知り、“非常食にメッセージを添えて配布する”というアイデアに、これは良い!とすぐに井村屋さんに連絡をしました」。

区民の善意である寄附金を区民に直接役立つものへ。

連絡を取ったのは、令和3年度の日本赤十字社交付金の使い道を模索しているタイミングでもあった。「この交付金は区民からの寄附金が財源です。例年は避難所の防災用品などを購入していましたが、えいようかんであれば、より多くの区民に役立ててもらいつつ、防災意識の啓発にもつながるのではと考えました」。同サービスは小ロットから注文可能で、善意をしっかり返したいという区のニーズとも合致。年度末まで2カ月しか残されていなかったが、同社のスピーディーな対応もあり、期限内に納品まで完了できたという。

「パッケージには区内の子どもたちによく知られている、区のマスコットキャラクター“ナッピー”を大きくデザインし、“持ち歩けばもしもの時に安心!”というメッセージを添えました」と柴田さん。さらに、外出先で被災した場合を想定し、名古屋市内の避難所を検索できる二次元コードを掲載。手軽に持ち歩ける非常食としての活用はもちろん、災害や避難について親子で話し合うなど、日頃から防災について意識するきっかけになればという思いだ。

自分で身を守り、助け合う強いまちを目指して。

完成したオリジナルのえいようかん700セットは、区の防災訓練時に参加者へ配布。受け取った区民からは“パッケージがかわいい” “こんなに長期保存できるようかんがあるとは知らなかった”という声が聞かれ、反応は上々だという。柴田さんは、「毎年10月に開催する区民まつりでも配布したいと考えています。今までこのイベントで防災啓発活動をしたことはないのですが、えいようかんであれば効果的な啓発になると思い、初の試みです」と笑顔を見せる。今後も定期的な追加配布を検討しており、デザインは変更可能なため、伝えたい内容で都度配布できることもメリットの一つだという。

「この先は小学生などを対象に、避難所開設の手伝い研修などもできればと考えています。まずは自分で自分の身を守ること、そして次は誰かの支援にまわることを学び、その子どもたちが大きくなれば、地域の力になっていくでしょう。そんな人づくりを目指して、これからも意識の底上げを進めていきます」と酒井さんは力を込める。子ども時代から防災意識を高くもつことが、みんなで助け合える強いまちづくりへとつながっていくはずだ。

名古屋市 中川区役所 総務課
左:課長 酒井 信弥(さかい のぶひろ)さん
右:主事 柴田 健登(しばた けんと)さん

携帯できる非常食「えいようかん」の強みと活用例

どこでも手軽に

●5年半保存可能
●水も食器も不要
●コンパクトサイズ

老若男女にうれしい

●アレルゲンフリー
●1本でご飯1杯分
●点字表示付き

非常時に1本で効率良く栄養を摂取でき、上品な甘味で小さな子どもから高齢者まで幅広く食べることができる。一般的な非常食より備蓄スペースがコンパクトで、自治体保管用にも便利。


 

オリジナルデザインのえいようかん活用例

ようかんを入れるケースにオリジナルデザインを施すことが可能。デザインは井村屋に依頼するか、持ち込みもできる。

CASE1:名古屋市中川区

CASE2:茨城県稲敷市

CASE3:三重県大紀町

※2

※1.ヤフー「Yahoo! ショッピングの防災グッズランキング(集計期間:令和4年7月1日~31日)」より
※2.旧仕様パッケージのため、現在は取り扱いなし

納品までの流れ

備蓄・PRに最適です!

用途に合わせたオリジナルパッケージを作成。備蓄用はもちろん、イベントでの配布用やPR用に小ロットから発注可能です。ぜひお問い合わせください。

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お問い合わせ

サービス提供元企業:井村屋株式会社

商品営業企画部
TEL:050-1791-2039
住所:〒113-0033 東京都文京区本郷1-24-1 ONEST本郷スクエア4F

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