ジチタイワークス

【﨑田 恭平さん】WEB限定 ジチタイワークス創刊5周年特別インタビュー 「5年前、5年後」。

元・日南市長。地方創生の先進事例を多数輩出した代表格。現在は株式会社飫肥社中の代表。

5年前(2017年)、何をしていましたか?

日南市長を務めていました。官民連携の新たなモデル構築や、データを分析し、EBPM※を具現化するチャレンジをしていました。 ※EBPM=Evidence Based Policy Making(合理的根拠にもとづき、より実効性の高い政策を立案すること)

5年前と今を比べて「(自治体・行政まわりで)変わった・進んだ」と思うことは?

新たなチャレンジをする首長や職員が増えてきていると思います。DXや官民連携に積極的に取り組む自治体も増えてきました。また、そのような新たなチャレンジをする自治体に対してバックアップする国の体制も充実してきていると思います。

5年前と今を比べて「(自治体・行政まわりで)変わっていない・進んでいない」と思うことは?

現在、自治体職員研修の仕事もする中で、受講生から「どうすればトップ(首長や上司)に理解してもらい、必要な政策を打てるのか」という相談を受けます。裏を返せば、実行すべきだという仕事(政策)をなかなか前に進めることができていない悩みを抱える職員さんが、まだまだ多くいるということだと感じています。

この5年のご自身の取り組みで思い出す「苦労したこと」は?

市長時代は、官民連携による政策の総仕上げとして、既成概念に捉われない新たな取り組みにチャレンジしました。具体的には、城下町(文化財)を“維持保存するだけ”のやり方から“活用しながら保存する”という方向転換です。そうすることで、地元の経済をまわしつつ、コストのかかる保存を同時に解決することができます。ただ、文化財は保存にのみ注力すべきという一部の議員や住民の考えもあり、理解を得ることに苦労をしました。

この5年のご自身の取り組みで思い出す「達成感を得たこと」は?

前述した“文化財を活用しながら保存をするという政策”について、最終的には成果を上げることができました。行政がきっかけをつくることで、新たな民間の動きを生むこともできました。また、市長を退任後、1年半前に起業をしました。立場は変わりましたが、社会を良くするための仕組みづくりと人材育成に取り組んでいます。高い目標に向けて邁進する途中ではありますが、一歩ずつ順調に歩み始めることができたと感じています。

5年後(2027年)の地域社会や自治体、公務員に期待する姿とは?

地方には“現場”があります。個別具体的に政策を実行に移すことにより、社会に対してより良いモデルを示すことができます。自治体のチャレンジは注目度が高いので、メディアに取り上げられることも多く、それが良い取り組みであれば、他の自治体からも参考にされます。これにより、苦労して作り上げたモデルを全国展開することもできるのです。DXやEBPMがますます重要になっていく中、データによる政策分析・事業の検証などにも力を入れていただき、さらに高みを目指していただきたいと思います。

最後に、5歳になるジチタイワークスについてご意見・メッセージをお願いします。

ジチタイワークスは、全国の素晴らしい事例を多く取り上げています。また、行政に応用できる素晴らしい民間企業の事業を多く取り上げていることも大きな魅力です。これからも、頑張る公務員に必要な情報をどんどん提供していただき、地方の現場から日本にイノベーションを起こせるよう、強力にバックアップしていただきたいと思います。

 

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