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【相談室】上司と相性が悪く、仕事にも影響しています

「何でこうなってるの?」「もっとこうならいいのに」毎日仕事をする中で、頭をよぎる疑問や悩み…そんな「モヤモヤ」を、一歩先ゆく公務員の皆さんに解決して頂く企画。

今回は、「上司と相性が悪くて仕事に悪影響が出ている」…そんなお悩みに対し、さいたま市の柳田香さんに回答いただいた。

【上司に関するモヤモヤ相談】
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【今回のモヤモヤ】

「上司と相性が悪いと感じており、仕事のパフォーマンスにも影響している」

上司と相性が悪いと感じており、仕事がうまく進みません。上司を変えることはできないし、自分の努力にも限界があります。どうしたらいいでしょうか。

上司のタイプを分析すれば、対策も明らかに!

多くの場合、部下が上司と相性が悪いと感じているときには、その上司も認識しているようです。

私はこれまで新たな上司が着任すると、仕事への姿勢や性格、物事への価値観等をじっくりと観察するようにしてきました。

これから、皆さんも多くの上司と接する可能性がありますから、今の上司がどのようなタイプなのかを知って、自分なりに対策を講じておけば、関係性が悪化せず、仕事のパフォーマンスも下がることはないでしょう。

「性格不一致型上司」への対策

性格が全く合わないタイプの場合、苦手意識を持ったまま仕事を通じて接していると、だんだん段々と「上司として役割を果たしていない」「頼りにならない」などと感じはじめ、最終的には存在自体を許せないくらい感情がエスカレートして、「大嫌い」になってしまうことがあるようです。

こうなると、明らかなコミュニケーション不全に陥り、仕事にも支障が出てしまいます。上司の顔も見たくないので、職場に行きたくなくなって、自らメンタル不全に陥る可能性すらあるのです。

対策としては、仕事上の付き合いだから、上司も数年で異動すると気持ちを割り切りましょう

そして、具体的な行動としては、「適度な距離」を保つことです。部下としての役割もしっかり果たすため、報告事はメールですませましょう。

上司以外の部署内外の関係者にも報告事はしっかり共有しておきましょう。

たった1通のメールかもしれませんが、上司と1:1の関係性ではなくなり、部署内外の関係者から理解者もあらわれて、きっと味方になってくれるはずです。精神的にもかなりラクになるはずです。

「感情型上司」への対策

私も、いきなり上司に怒鳴られた経験があります。また、小さなミスに対し、「何をやっているのか」と強烈に叱責され、何が起こったのかを理解できず呆然と立ち尽くしてしまったことも。このときは立ち直るのに時間がかかりました。

このような上司には絶対に遭遇しない方が良いのですが、なぜ感情的になるのか要因を把握しておくことが自分を守る対策になります。

例えば、プライドも高く、心配性な性格の持ち主の場合、仕事の進捗などに少しでも動きがあれば、たとえ些細なことでも速やかに耳に入れましょう。根気が要ることですが、上司の意向を毎日、確認しておくことなどが有効です。そして、自分が悪かったら素直に謝る気持ちをいつも持っていましょう。

謝る場面では、「そんなこと、俺は分かっていたよ」なんて、言われたら、「いやー私は全く気づきませんでした。さすがですね!」と褒めてから、サクッと自席に戻るくらいでよいでしょう。

部下は上司を選べませんが、タイプを知って、事前に対応策を練っておくことで、気持ちがラクになります。

私は、30年以上の公務員生活の中で、職場の人間関係で悩まなかった期間は実は短く、悩みは尽きません。人間関係はちょっとしたことで良くも悪くもなりますが、誰も解決はしてくれません。自分で解決していくしかないのです。

悩みを抱えながら、それぞれの立ち位置で成長したい!

1日の勤務時間は7時間45分ありますが、あっという間に過ぎていきます。悩みの大小はあるけれど、何も悩んでいない人などいないのだと思います。

たとえ、今の自分の立ち位置に納得できなかったり、組織が何を求めているの分からなかったり、上司と相性が悪いと感じるなどしても、自分の仕事や役割を途中で投げ出さず、最後までやり抜きましょう。

すぐにあきらめる人や立ち位置に関係ない仕事をして口先だけ達者で自分が優秀だと勘違いしている人は、信用されなくなり、組織にも影響が出るので、いずれ必要とされなくなります。

私も業務改善等、30代以降では1人担当の仕事ばかりで、自分の立ち位置も仕事の進め方も暗中模索でした。でもあきらめずに数年取り組んだら、いつの間に多くの方が協力してくれるようになっていました。

苦しいときこそ、仕事を投げ出さないことです。仕事の大小ではなく、目の前の仕事を1つひとつ丁寧に進めることで、信頼される職員になり、味方だって増えていくと信じています。
 


柳田 香(やなぎだ・かおり)

さいたま市南区役所健康福祉部参事。
人材育成、シティセールス、行財政改革等を経て2022年4月より現職。
『月刊ガバナンス』(ぎょうせい)の連載、「公務員女子のリレーエッセイあしたテンキになーれ!」(2020年4月号~)の取りまとめ役などの活動を通じ、若手・中堅職員の悩みや不安の解消に意欲的に取り組んでいる。
著書に『時間を生み出し成果を上げる!公務員30歳からの時短仕事術』(2022年3月発行/学陽書房)がある。


 

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