自治体職員にとって「決裁文書」はなくてはならないものです。しかし席を外すことが多いと、ついつい決裁文書が山積みになってしまい、ストレスと時間のロスを誘発してしまうこともあります。そんな課題を見事に解決した、西尾市の事例をご紹介します。
※下記はジチタイワークスVol.1(2017年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 愛知県西尾市
山積みの決裁書類
文書が多く決裁が山積み・・・急ぎでお願いしたいけど、なかなか回らずイライラ・・・「至急!」の付箋付き決裁が埋もれていてビックリ・・。また人によって付箋の位置や色がバラバラで使われており、中には気づかれていないものもありました。
当時、職場で挙がっていた意見はこちら。
・至急の決裁から処理してほしい!
・急ぎの決裁が一目瞭然で分かると便利なんだけどなぁ
・探す手間を省きたい
うーん、、、決裁を回す方も回される方も、何だかうまくいっていない感じが伝わりますね。。
それでは、この状況をどのように解決したのか見てみましょう。
小さなルールを徹底
はじめに取り掛かったのは「付箋のルール」です。
「至急」の回覧板に貼る付箋を、目につきやすいピンクに統一。また貼る位置は右上のみ。これによって、「まずはピンクの付箋がある決裁から処理をする」という習慣が定着していきました。
しばらくすると、不満の声は「お、いいね」に変わり、各自の意識も少しずつ好意的に変化していきます。実際に回覧板のスピードも上がることが確認されました。
そこで、今度は「決裁板のルール」にもメスを入れます。
決裁板の色を変えることについて前例がなかったため、規定上で問題がないことを確認し、「至急」の決裁板そのものの色をピンクに変更。その結果、至急決裁の居場所が一目瞭然!
また、逆に時間的ゆとりのある文書にはじっくり時間を掛けられるという好循環が生まれました。
今回の改善ポイント
小さなルールを徹底させる
人それぞれの習慣が積み重なることで、職場全体の戸惑いにつながる場合があります。そんな時は、今回のような付箋の色や貼る位置といった簡単なルールを定め、その仕組みを定着させていくことが解決への近道になります。
見た目のコントラストを強くする
また「至急」を表すものとして「ピンク色」を採用したのも効果的でしたね。実際に手に取って確認するものだからこそ効果てきめんです。これは自治体ならではと言えるでしょう。
見える化ですっきり!
いかがでしたか?
今回の改善は一人の職員が発した声をきっかけに、徐々に周囲を巻き込みながら作り出されたそうです。
費用をかけずに効率をアップする良い事例ですね!