ジチタイワークス

大阪府枚方市

GIGAスクール端末で使えるSNS相談アプリで、子どもの悩みに早期対応。

多くの自治体が電話や対面による住民向け相談窓口を設けているが、それらを子どもが利用するケースは非常に少ないという。そこで枚方市は、「NTTデータ関西」と協働して、子どもが利用しやすいSNS相談アプリの開発を進めている。

※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社NTTデータ関西

ICTを活用して、子どもが自ら相談できる場をつくる。

社会の多様化や複雑化、人間関係の希薄化などを背景に、いじめや不登校、虐待など、子どもたちは様々な悩みを抱えている。同市教育委員会では子ども向けに2つの相談ホットラインを開設しているが、年間300件ほどの電話は親からばかり。子ども本人からかかってくることはほとんどないという。さらに最近では、ヤングケアラーに対する支援も課題として浮上。喫緊の対策が求められるが、教育現場だけでは対応できないケースも増えている。

そこで、検討することになったのがICTの活用だった。「子どもが自ら気軽にSOSサインを出せるような環境をつくり、悩みやトラブルの早期発見・未然防止・早期解決につなげられないかと話し合っていました」と、子ども青少年政策課の関さん。

ちょうど同じ時期、NTTデータ関西でも子どもの課題に対応するためのシステム構築を検討していたため、「令和3年度、当市の公民連携プラットフォームでSNS相談アプリのご提案をいただき、まずは小・中学校それぞれ2校ずつでアプリの実証実験を行うことになったのです」。

スマホではなく、誰もが使えるGIGAスクール端末に着目。

実証実験を行ったSNS相談アプリ「ぽーち(仮称)」は、小学校低学年でも理解できる、親しみやすく使いやすいUI※がポイントだ。悩みの内容は5つのジャンルに分かれており、3種類のアイコンから先生(応談者)を選んで内容を記入・送信する。

「悩み相談にスマホアプリを利用する自治体もありますが、全ての小・中学生がスマホを持っているわけではありません。そこで本アプリは、生徒の誰もが使えるGIGAスクール端末を活用することにしました」と児童生徒支援課の長岡さん。

同市では、公立の小・中学校でSIM内蔵型タブレットを1人に1台貸与している。自宅への持ち帰りや使用を推奨しており、もともと端末利用の環境は整っていた。1人で自宅にいるときに使えば、友だちや家族に知られる心配もない。親しみやすいUIと気軽にアクセスできる環境のおかげで“悩み相談のハードル”は下がったようで、夏休みに入ったばかりの7月末頃には1日30~40件の相談が寄せられたという。

※UI=User Interface(操作画面)

心と体の状態を可視化して悩みが小さいうちに対応する。

システムの構築にあたって、同市は“心と体の状態を日々記録するカレンダー機能”をリクエストした。自身の状態を客観的に把握することで、自発的な相談につなげるねらいだ。「例えば、落ち込んだ状態が長く続いたら警告を出すなど、アラート機能も実装予定です。悩みを抱える子どもたちに、適切なタイミングで現場の教師が声をかけられるようになると考えています」。

現在は教育委員会が中心となって相談に応え、複雑な家庭問題などは“子どもの育ち見守り室 子ども相談課”に引き継ぐ応談体制を敷いている。勉強だけでなく部活や習い事、家族関係まで、寄せられる相談の幅は広い。深刻な相談か否かを大人が判断することは避け、全てに慎重な対応を心がけているという。

アプリでラリーを続けるうちに、子どもから「ありがとうございます」と言われることも増え、手応えを感じているのだとか。「今後は、職員の業務時間外に緊急度の高い相談が入った場合の対応なども検討し、取りこぼさない体制をつくりたいと考えています」。より良い運用のための道筋も見え、アプリの本格導入に向けた前向きな取り組みが進んでいる。

枚方市
左:子ども未来部 子ども青少年政策課
課長代理 関 寛(せき ひろし)さん
右:教育委員会事務局 学校教育部
教育支援室 児童生徒支援課 主幹指導主事
長岡 桂佑(ながおか けいすけ)さん

従来の“相談窓口”には寄せられない子ども本人の声が届く仕組みづくり。

本人が相談しやすいSNS型アプリ

電話の相談窓口を開設している自治体は多いが、子どもにとっては敷居が高く、本人が電話をかけてくるケースは少ない。SNS相談アプリなら子ども本人が利用しやすく、内容の詳細も書き込みやすい。

各種機能で教育現場をサポート

1.様々な端末で使える仕様

実証実験ではGIGAスクール端末での活用を前提にシステムを構築したが、個人所有のスマホやタブレットにインストールすることも可能。学校が所有する端末の校外持ち出しを制限している自治体でも利用できる。

2.カレンダー機能で心と体の状態を可視化

悩みが原因で心身が不調になっていないか。その予兆を検知するため、心や体の状態について日々アンケートをとり、記録する。アンケート内容が反映されたカレンダーを見ることで、教育現場で教師が声をかけたり、子どもからの自発的な相談を促したりできる。

3.悩みのジャンルにより応談者を設定

悩みのジャンルによって適切なアドバイスができる人材は異なってくる。ぽーち(仮称)では、自治体ごとにジャンルの応談者を設定でき、より的確な回答が可能になる。NPO法人などと連携すれば、夜間の応談体制を構築することも。

悩みのジャンルは5つ。それぞれに応談者を自由に設定できる。

自治体を通じて社会問題の解決に貢献します!

理想の社会を追求するため、社会問題の解決に挑みます。これまでも自治体における様々な“困り事”を解決するため、多くのソリューションを開発・提供してきました。自治体との実証実験も積極的に実施していますので、気軽にご相談ください。

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サービス提供元企業:株式会社NTTデータ関西

第一公共事業部

TEL:050-5545-3085
住所:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島3-1-21 NTTDATA堂島ビル
E-mail:porch-poc@hml.nttdata-kansai.co.jp

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