ジチタイワークス

東京都千代田区

換気状態を可視化して、効率的に店舗を支援する。

コロナの感染者数が増減を繰り返す中、“密”を警戒して飲食店などの利用を控える人も少なくない。千代田区では、感染対策を強化しながら店舗を支援するため、令和3年度から「旭化成」の「3密見える化ソリューション」を導入した。

※下記はジチタイワークスINFO.(2022年10月発行)に掲載後、Vol.22(2022年10月発行)にて情報を更新。内容は取材当時のものです。
[提供]旭化成株式会社

区が独自に始めた認証制度は職員が全店舗を訪問する仕組み。

新型コロナウイルスが発生し、“密集・密接・密閉”を回避する呼びかけが始まった段階から、換気状態が悪い室内で過ごすことの危険性は指摘されていた。しかし目に見えるものではなく、外食をする際は、自治体が発行する感染防止認証マークなどを頼りにするしかないのが実情だ。

外出自粛ムードと時短営業要請などで、売り上げが激減した飲食店を支援するため、同区は令和2年8月、独自の「千代田区新しい日常店」認証制度を策定した。この認証制度は、保健所の職員が全ての申告店を訪問する。アクリル板の設置状況や消毒頻度に加え、CO2測定器を店内に持ち込み、換気状態が良好であることを確認した上で認証。約300の認証店を定期的に訪問し、感染対策や指導を続けてきたという。

それから半年ほど経った後、店舗の感染対策確認に訪れた職員が、偶然、実証実験として設置されていたCO2センサーを見つけた。「据え置き型なので調査が行いにくい混雑時でも計測でき、スマートフォンにアプリを入れれば、お客さんを含め誰でも換気状態を確認できる点が画期的でした。すぐに『区として一括導入してはどうか』と上長から前向きな返答がありました」と山下さん。提案は順調に通り、令和3年4月、新しい日常店の拡大策の一環として、同社の3密見える化ソリューションの導入が決まった。

混雑時の換気状態が分かり、客も店舗も安心感が高まる。

このソリューションは、バッテリー内蔵型CO2センサーと無料アプリ「換気View」を組み合わせたもの。同アプリには、センサーの近くならリアルタイムの数値が分かる“CO2濃度表示機能”と、数値が地図上に表示され遠隔で確認できる“換気OKマップ機能”がある。センサーは大きさ・重さともに鶏卵ほどで、フル充電すれば約1年間使い続けられるという。コンセントの位置を気にする必要がなく、計測すべきところに設置できることがポイントだ。

計測したCO2濃度は、センサーと通信させたスマートフォンやタブレット端末に表示される仕組み。これを店内に設置すれば、いつでも数値が確認可能になり、保健所職員は測定器を持ち込む必要がない。また、遠隔で確認する際は、換気OKマップを開けば、地図上の店舗位置に直近の数値が表示される。

「混雑時でもリアルタイムに計測できるので、お客さんは今いる店内の状態が分かります。店舗側も、計測値をチェックしながら換気設備の操作を行うなど、より細かな感染対策が可能。双方が“密”の回避に努められます」。令和4年7月までに区内の1,200店以上がセンサーを設置しているという。そのうち希望した約500店が、換気OKマップの掲載対象になっている。

アプリ利用数と活用場面を広げ換気対策への意識を向上させる。

アプリの地図上に表示されるのは希望した店が、厚生労働省推奨の換気基準(CO2濃度1,000ppm以下)を満たしている場合のみ。利用者が店選びの参考にしやすいだけでなく、換気状態が良いことが周知されるため、店を応援することにもつながる。

「アプリのアクティブユーザーは、現在約1,100人ですが、利用者が増えれば“密”回避の効果もさらに向上するでしょう。そのための仕組みづくりに力を入れる計画です」。

同区の広報広聴課では、生活の中で換気の意識を高めてもらうため、区民にCO2センサーを貸し出す取り組みも行っている。今後は区のイベントでも活用するなど、様々な場面で職員・区民に対し、Withコロナの効率的な感染対策を啓発していくという。

千代田区 千代田保健所 生活衛生課
環境衛生係 係長
山下 淳一(やました じゅんいち)さん

換気状態を店内外で可視化することで利用者・店舗ともに対策意識が高まる。

無料アプリ「換気View」を使えば、CO2センサーの近くではリアルタイムの数値が、地図を表示すると換気状態の良い店舗と直近の数値が分かる。

地図上の換気良好店がひと目で分かる

CO2センサー設置店のうち換気OKマップに登録している店舗は、換気基準を満たしている場合のみアプリの地図に、直近のCO2濃度計測値が表示される。遠隔でも分かるため、利用者を換気状態が良好な店に誘導することができる。

CO2センサーの導入メリット

1.AC電源不要で軽量設計のため設置場所を選びやすい

バッテリーが内蔵されているため、コンセントの位置を気にせず設置が可能。また、約45gの鶏卵サイズで、高い場所でも設置しやすい。両面テープで磁石を取り付け、客席近くのスチールラックに貼るなどの工夫も。

2.経済産業省が推奨するCO2濃度測定方式

国がコロナ対策として定めた「二酸化炭素濃度測定器の選定等に関するガイドライン」で推奨されている、NDIR※式センサーを搭載。高精度な測定が可能だ。

※NDIR=Non-Dispersive InfraRed(非分散型赤外線吸収法)

3.アプリで店内の換気状態を常時可視化する

CO2センサーと、換気Viewのアプリを併用することで、利用者も店舗スタッフもリアルタイムで店内の換気状態が分かる。保健所の職員も訪問時に測定器が不要になり、効率的に認証店を管理できる。

換気状態を確認できるアプリはこちらから!

こちらから、換気Viewアプリがダウンロードできます。アプリ画面右下の“換気OKマップ”をタップし、地図をスクロールすると、千代田区の地図が表示されます。使用感をお試しください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:旭化成株式会社

ライフイノベーション事業本部

担当:岡本
TEL:03-6699-4322
住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー26F
E-mail:okamoto.ab@om.asahi-kasei.co.jp

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