DXを推進する藤沢市では、デジタルサイネージにAIアバター接客システムを導入する実証実験を開始。問い合わせ対応の効率化や、ビッグデータ収集によるニーズ分析などをねらった、その実験結果とは。担当者に話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.21(2022年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社ティファナ・ドットコム
問い合わせ対応の負担に加え、感染症への対策も課題に。
3路線が乗り入れる藤沢駅構内に、観光情報の発信拠点「湘南藤沢コンシェルジュ」を構える同市。様々な観光客が訪れる案内所の職員は、多岐にわたるニーズへの対応が求められ、「乗り換えや観光に関する問い合わせ対応をはじめ、外国人観光客への多言語対応、毎月必要な利用者レポート作成も負担になっていました。また、対応は職員の経験値に頼っており、引き継ぎの難しさも課題でした」と観光課の小島さん。
さらに、コロナ禍での非対面の需要が高まり、同市が行う「藤沢市ロボット未来社会推進プロジェクト」の一環として、AIによる案内業務の自動化を検討。非対面案内と業務負担の軽減を図るべく、「ティファナ・ドットコム」が提供するAIアバター接客システム「AIさくらさん」での実証実験を開始した。
同システムは、案内所入口に設置したサイネージにタッチしたり、話しかけたりすると、画面内のAIアバターが職員に代わって質問に回答してくれるもの。リモート通話機能も搭載しており、AIで対応できない質問は遠隔地の職員が回答する仕組み。「操作が簡単で、システム管理画面にもさくらさんというキャラクターが登場するので、AIツールに不慣れな人も使いやすそうだと感じました。また、観光案内所での利用なので、人と人とのやりとりのような温かみを感じられることも導入の決め手になりました」。
職員への問い合わせが13%減り77%が“役に立った”と回答。
導入にあたり、まずはAIに学習させるFAQの作成を実施。「業務を整理し、FAQにまとめる作業には2週間ほど費やしました。しかし、その後は事業者へお任せし、FAQの登録やAIチューニング、テスト運用まで行ってもらえたのでスムーズに進みました」。そこから約2カ月の準備を経て、令和3年11月に利用を開始。「最初は利用者の多さに驚きました。特にシニア世代が積極的だったことが印象的でしたね。他自治体からも問い合わせがあり、予想を超える反響でした」。AI案内後のアンケートでは、利用者の約77%が“役に立った”と回答するなど、サービスの満足度も測れたという。
交通機関に関する職員への問い合わせは、令和元年同月との比較で約13%減。また、AIに蓄積される利用データの分析レポートも事業者から提供されるため、業務負担が大幅に軽減したという。「分析によって検索ワードがランキング形式で可視化されます。なので、イベント関係の検索が増えたら画面上にイベント情報を表示させるなどし、リアルタイムでニーズに対応することができました」。さらに、これまで対応できていなかった質問項目も明らかに。それを改善するためのFAQの修正が、管理画面から簡単に行えるのもポイント。FAQの登録内容をアップデートすることで、経験豊富な職員と同様の案内が可能だという。
自動収集できたビッグデータの活用で、サービス向上にも期待。
「業務効率化に加え、利用者がいつ、どんな情報を求めているのか、ビッグデータが自動で収集できたことも収穫でした。本格導入すれば、今後の観光施策を決める上でのエビデンスに使えると感じています」。インバウンドの回復が見え始めた昨今、同市では、近隣からの観光客が増えていることから、まずはマイクロツーリズムの取り組みに注力しているという。「実証実験の結果から、ニーズを可視化しデータとして収集することで、サービスの改善につながると実感しました。今後、利用者の満足度を向上させるために、こういったサービスが大きな力になるのでは」と期待を寄せている。
藤沢市 経済部 観光課
小島 徳美(こじま なるみ)さん
様々な接客や業務の自動化を担い、自治体のあらゆるDX推進をサポート。
「AIさくらさん」が選ばれる理由
1.充実のサポート体制で導入時の業務も効率化
専属のサポートデスクが用意され、担当職員が管理画面内のチャットルームから質問すれば、サポートスタッフが即日対応。FAQ作成からテスト運用、ハードウェアのトラブルまで丸ごとお任せできる。データ分析・改善提案までも支援し、運用をサポート。
2.多機能搭載で多様な活用方法が可能
多言語対応(最大12言語)やマルチデバイス対応など、機能が豊富なため、各自治体からの活用ニーズに柔軟に対応できる。
事例1 那須塩原市:多言語にも対応可能!
職員の負担軽減と市民サービスの向上を図るため、庁舎正面玄関カウンター前にサイネージを設置して、行き先案内を自動化。英語や中国語、韓国語などの多言語にも対応しているため、市内在住の外国人への案内もスムーズになった。
事例2 最高裁判所:WEBサイトにも導入可能!
裁判所でのDX推進が加速する中、裁判書類の提出用WEBサイトに導入。書類の提出手順やサイトの使い方に関する問い合わせに自動で対応し、職員の業務効率化につなげている。
接客から受付、面接まで1人で何役もこなす!
AIさくらさんには、接客だけでなく様々な機能が搭載されている。複数のツールをそれぞれ導入するよりもコストの削減が見込めるのも強み。
様々な導入事例をホームページで公開中!
ホームページ上で機能の幅を活かした多くの事例を紹介しています。これまでの導入実績で培ったノウハウをもとに、自治体のDX推進をサポート!まずは気軽にご相談ください。詳しくはこちらまで。
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