宮城県では、働き方改革推進の一環として、次年度に総務事務センターを開設予定だ。それに伴い、来年8月からの本格運用を目指し新給与システムの開発を進めているという。同県で給与システムを担当する櫻井さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスINFO.(2022年7月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]スマカン株式会社
既存の給与システムは老朽化、エンジニア減少で継続困難に。
新しい給与支給システムの導入に向け、令和4年7月から試験運用を開始している同県。働き方改革推進のための全庁的な業務見直しが、そのきっかけだったという。
「次年度には、現在各課に配置されている総務・庶務事務を集約化した、総務事務センターを開設予定です」と櫻井さん。それに伴い顕著になった課題が、既存の給与支給システムの老朽化だ。現在のシステムは昭和48年から運用しており、給与制度改正や組織再編などがあるたびに、プログラム改修や機器更新を繰り返してきたという。
そのため「ハードウェアの老朽化、プログラムの複雑化が進み、運用の限界が近づいていました。さらに近年はネットワーク通信によって接続するシステムが一般的になってきたため、メンテナンスに対応できる内部のシステムエンジニアも減っており、将来的に継続が困難な状況でした」。
そこで同県では新システムとして「スマカンPubli c(パブリック)」の導入を決め、令和2年1月に開発基本計画を策定した。
新システム導入で業務が改善、運用費や人件費の削減も期待。
スマカンPublicは公的機関の給与制度をベースに設計されたパッケージシステム。そのベースを活かし、担当部署と相談しながら、県独自に追加したい項目や、データを連係させたい項目について詳細な内容を固めたそうだ。具体的には「これまで給与支給システムによる処理の対象外だった、会計年度任用職員への給与支給機能を開発することになりました。また、知事部局・教育庁・警察本部の人事系システムと連係し、昇給昇格処理などにも対応できるよう機能を拡充しています」。
これにより、今まで手計算で処理してきた会計年度任用職員の給与計算や、システム運用にかかる人件費削減が見込めるという。また、人事院勧告などの制度改正に伴うシステムの変更も、大規模なものでなければ外部の力を借りずに、30分~1時間程度で職員が対応できる。また、登録しているデータをもとに独自の帳票がつくれることも便利な点だ。“自由条件検索”の機能により、部署ごとに必要な情報を都度検索・抽出できる。
「現状では当課でしか対応できないデータの抽出も、新システムでは必要な部署が必要なデータを取り出せるようになります。退職手当や健康診断の確認などに必要なデータ抽出作業の負担も減りそうです」と、改善を見据える。
職員の負担になっていた作業も効率化してミスや手間を防ぐ。
さらに、櫻井さんは「現在の給与支払いの作業フローで、職員が特に疲弊している問題点も改善されるようになる」と期待を寄せる。「既存のシステムで給与計算の処理を行う場合、部署ごとに決められた順番で、限られた期間内にしか入力作業ができません。職員は期限に追われ、修正が見つかった場合はもとの部署まで戻さなければならず、非常に手間がかかるものでした」。新システムでは約3週間の期間なら部署や順番に関わらず作業ができるようになる。
「これで担当職員は、時間に追われる精神的なストレスから解放されると思います。また、リアルタイムで給与の計算結果を確認できるようになるので、計算ミスが見つかった場合はすぐに修正ができます。これまでは誤支給があった場合、次の月に調整していましたが、今後は未然に防げると期待しています」。実際に運用を始めると様々な要望が上がってくることが想定されるが、「柔軟に機能を追加・拡張できるシステムだからこそ、運用しながらスムーズに最適化できるはずです」と展望を語ってくれた。
宮城県 企画部 デジタルみやぎ推進課
システム最適化班
櫻井 知則(さくらい とものり)さん
自治体独自に欲しい機能を追加して勤務時間や経費の削減につなげる。
開発から30年以上、公的機関の人事業務の効率化を支援。自治体特有の処理は基本の機能でカバーでき、制度やルールの変化にも対応しやすい。
スマカンPublicが選ばれる理由
1.公務員の俸給表をもとに自由に項目追加が可能
国家公務員給与規則に準拠した各種手当や計算式を備えている。就業管理や年末調整を含む各種申請処理なども、各組織の制度に合わせて柔軟に項目を追加できる。
2.法改正・制度改正による更新は保守の範囲で対応
臨時特例や人事院勧告による増額・減額計算が必要となる際には、保守の範囲で対応。別途費用は要らないため、予算を組み直す必要がない。同社とリモート接続し、職員自身で作業することも可能。
3.必要な情報を組み込んだ独自の帳票がつくれる
“帳票管理”から登録が可能で、出力したい内容のひな型を用意し、事前に帳票として登録するだけ。担当部署以外でも必要な情報を都度抽出できるため、部署を越えたやりとりが省ける。
全国667の公的機関で人事業務を効率化
国立大学の人事給与システムとして始まった同システム。国立機関のほかにも、中央官庁や地方公共団体、公立大学・病院などが導入している。
公的機関に支持されること30年の信頼と実績
国立大学の人事給与システム開発から始まり、30年以上にわたる公的機関とのやりとりの中でノウハウを蓄積しています。製品のお問い合わせから運用のご相談まで、業務に精通したチームが問題解決へ向けて支援します。
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