ジチタイワークス

岐阜県飛騨市

「ICTスキルをもつ人材の不足」に全員参加型で挑む、飛騨市のDX手法。

DX推進にはチームワークが必要だ。しかし庁内にデジタルのリテラシーをもつ職員が揃っているとは限らない。孤独な取り組みになるのを避けるにはどうすればいいのか。“全員参加型”でDXを推進する飛騨市の取り組みを追った。

※下記はジチタイワークスVol.20(2022年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社トラストバンク

チャットツールの導入でコミュニケーションを改善。

同市では、以前からコミュニケーションツールの必要性が訴えられていた。職員間や、地元事業者とのやりとりで個人端末のアプリを使うようなケースも多く、「そうした傾向に抵抗感を示す職員もいました。同時に、ログが残りにくいツールだと何か問題が発生した際に証拠も残りません。早急な解決が望まれていました」と松井さんは語る。

また、市内は山間地域が多く各所の移動が大変で、遠隔でも使えるツールの必要度が高いという地域独自の課題もあったという。そんな折に舞い込んだのが、岐阜県からの「LoGoチャット」の案内だった。他サービスとも比較した上で導入を決定。「当市の課題を解決できる上、導入自治体が多いので、ユーザーグループで他自治体と気軽に情報交換できるのも魅力でした」。こうした背景から、令和2年4月にトライアルをスタートしたという。

全員でスタートするためにトライアルから全庁導入!

同市では、トライアルでもアカウント無制限というメリットを活かし、あえて当初から全職員対象での導入を開始した。また、使い方にもあまり制限を設けなかったという。その理由について松井さんは、「効果を実証するなら全職員対象で、まずはできるだけ自由に使ってみてもらう方がいい。一部の職員しか使えないようでは緊急時に困りますから」と説明する。折しもコロナ禍でリモートワークの必要性が生じ、チャットの活用は急速に浸透したという。

多くの職員が使い勝手の良さを実感したタイミングで、市長にもツールの利便性を説明。令和3年の4月には正式導入した。その後、各部署で積極的な動きをする職員も見られるようになり、現場主導で使い方の幅が広がっている。写真のやりとりが多い消防関連や、部署をまたいだプロジェクトでの情報交換、市民病院ではシフト勤務の看護師や職員の申し送りなどでも役に立っているという。中にはデジタルツールは苦手だという職員もいるが、「無理強いはしませんでした」と松井さん。「デジタルに抵抗感をもつ人がいるのは、職員でも住民でも同じです。そのため、完全移行ではなく電話なども混在させ、選択肢を1つ増やして今よりも便利に楽にしていこうよ、と話しています」。

自由な環境と適度な支援で広がり続ける業務改革の波。

現在では、チャットと併せて県から紹介されていた「LoGoフォーム」も導入し、現場での活用も広がっている。例えば選挙の際、各投票所からの速報連絡を以前はSMSで行っていたが、それがチャットでの連絡になり、今はフォームへの入力に変わって集計作業も迅速化。徐々に「こういう項目はどうしたらいいか」「こんなことはできるか」といった少し高度な質問も多くなってきたため、ICT支援員を採用し、バックアップ体制を整備した。

松井さんは「現場においては極力“DX”というキーワードを使わず、自分事として捉えられるよう“このツールを使えば便利だし、業務がスムーズになる”といった伝え方をしています」という。また、デジタルに慣れているからといって、若い職員に働きかけるだけでは庁内での取り組みは活性化しないともつけ加える。「若い職員の声を拾い上げて動かすのは中堅職員です。そうした層がツール活用の目的やメリットを理解しておく必要があります」。

すでに一定の成果を上げている同市の取り組みだが、「まだまだ道半ばです。今後は、RPAやAI-OCRなども取り込んでデジタル化の波を広げたい。また、オンライン決済の導入に向けて条例も整備したいと考えています」。やるべきことは多いと語りながらも、その声は明るく充実していた。

飛騨市 総務部 管財課
係長 松井 洋子(まつい ひろこ)さん

 

飛騨市での活用例と起こった変化

●消防での現場写真を即共有

火災や土砂流出などの現場写真をその場からチャットで共有。迅速な対応や報告書作成の効率化も可能に。

●庁内横断チームの情報一元化

別部署の職員との意見交換や日程調整が劇的に便利になった。前年度の活動履歴も振り返ることができる。

●病院での職員間の申し送り

勤務時間が異なる看護師や職員間の申し送りをチャットで行い、より細かな情報を全員で共有している。

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全庁導入×日常使いで自然と人材が育つ!

制限の少ない自由な環境で「まずは使ってみよう」という雰囲気を醸成。適度なフォロー体制が職員の意識向上と自立を生んだ。

庁内サポート体制

初期
●各部署代表者への研修

各課・各部の代表に使い方を指導しオンライン研修も実施。その先は各部署で広がっていった。

現在
●ICT支援員を採用
●年数回の勉強会を実施

頼れる人員の常駐でより高度に活用。年2~3回のフォロー研修を実施し新機能も伝えている。

安心のサポート体制

マニュアルを豊富に用意し、チャットによる随時サポートなどカスタマーチームが全面バックアップします。

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