公金滞納者が遠方に引っ越すと、職員が訪問するのは難しい。そこで、練馬区では「ジェーピーエヌ債権回収」の現地訪問調査サービスを活用。訪問して文書を渡すことで自主的な納付につながるなど、約10倍の費用対効果があるという。
※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]ジェーピーエヌ債権回収株式会社
電話や文書での連絡だけでは納付につながりにくかった。
同区では従来、区内在住の滞納者に対して、非常勤職員が訪問を行っていた。ところが区外、特に他府県への転出者に対しては時間や手間がかかり、出張コストもかさむ。そこで電話と文書で連絡していたものの、「電話がつながらないケースも多く、文書も届いたのか、開封されたのかが分かりません。やはり訪問が望ましいと、もどかしさを覚えていました」と市川さんは当時を振り返る。
そんな中、“現地訪問調査サービス”の存在を知り、早速導入に向けて検討を開始。重視したポイントは、“住居の外観や生活状況の調査ができること”だった。どのような住まいなのか、そもそも本当に住んでいるのかが分かれば、その後の対応を決める判断材料になるからだ。
だが、そうした調査や写真撮影はどの業者でもできるわけではなく、個人情報の保護も重要だ。探偵業届出証明書の交付を受けており、プライバシーマークも取得している……区が求めた条件を満たしたのが、ジェーピーエヌ債権回収だったという。
訪問したことがきっかけとなり、初年度から約2,300万円の納付。
同社の現地訪問調査サービスでは、調査スタッフが滞納者の転居先を訪問して、居住状況を確認。本人に文書を渡し、もしくはポストに投函して、区役所に電話するよう促す。訪問を開始すると、続々と電話がかかってきたという。「“引っ越しで忙しく納付を忘れていた”“教えてもらえて助かった”など、好意的な声が多かったですね。一方で、封書にはジェーピーエヌさんの社名も書かれていますから、“債権回収”という言葉に驚き、急いで連絡したという方もいました」。結果として、初年度は500件の調査で、約2,300万円の納付が実現したそうだ。
調査内容をまとめたレポートも内容が細かく、大いに役立っているという。例えば、表札の有無や、干してある洗濯物、電気メーターの稼働状況などにより居住実態の把握ができ、写真で住まいや車などを見れば、生活水準も推測できる。「写真はありがたいですね。それなりに財産のある状況が確認できれば、差し押さえなどの可能性を検討する足掛かりになります」。
練馬区における区外転出滞納者の調査フロー
区役所
●区外滞納者のリストを作成
氏名・性別・生年月日・住所 最低限の個人情報でOK!
納付期限後に送付する督促状への反応がない滞納者のリストを作成。各納付期限に合わせ、債権回収会社に年5回依頼。
▼リストを送付
調査スタッフ
●滞納者の住居を訪問
居住実態の確認、近隣への聞き込み 本人や家族へ面会・文書手渡し など
全国の調査スタッフは、情報紛失や漏えいなどのリスク対策のため、調査専用モバイルシステムを利用して調査を行う。
▼リスト受領から約1カ月後に報告書納品
区役所
●滞納者からの受電、納付案内
●報告内容から次の対応を判断
電話があれば納付案内を、反応のない滞納者には追加の対策か欠損処理かなどを、報告内容をもとに判断しアクション。
約10倍の費用対効果により、依頼件数も2倍以上へ!
同サービスを導入して4年、確かな成果が出続けているという。「調査にかかる委託費用に対し、およそ10倍の納付額があります。依頼数も初年度の500件から1,000件へ、令和4年度からは1,200件に増やす予定です」と福田さん。
件数を増やしただけでなく、対象とする項目も広げた。今年度からは住民税に加え、国民健康保険料滞納者への訪問調査も依頼しているそうだ。「住民税と国保の滞納者のうち、約18%が重複して滞納している状況でした。徴収体制を一元化することで、滞納整理業務が効率化し、より多くの納付につながるのではと考えています」と、期待を寄せている。
近年のコロナ禍により、公金収納に関する自治体職員の業務は増える一方だ。同区でも、収入が減った、不安定になったなどの理由により、納付困難者が増加。徴収猶予の特例を適用すべきか否かを判断する業務に追われていたという。「滞納整理に充てられる時間が減る中、同サービスのおかげで区外転出者への効果的な対応ができ、助かっています。今後も債権回収につながるものについては、どんどん活用していきたいですね」と、遠藤さんは展望を語る。
滞納整理の重要性は分かっているが、人手を割けない……そんな自治体にとって、全国47都道府県に調査スタッフがいる同社は、心強いパートナーとなるだろう。
練馬区 区民部 収納課
左:係長 市川 典俊(いちかわ のりとし)さん
中央:課長 遠藤 裕子(えんどう ゆうこ)さん
右:福田 寛人(ふくだ ひろと)さん
法令順守の徹底により、安心して活用できる、サービサーの現地訪問調査。
ジェーピーエヌ債権回収だからできること
サービサー法にもとづく法務大臣許可や、現地訪問調査の兼業承認に加え、プライバシーマークも取得。さらに、管轄の公安委員会に探偵業の届出も実施。法令順守のもと、スピーディに最適な現地訪問調査を行い、納付につなげている。
サービサー法とは?
弁護士法の特例として、平成11年に施行された「債権管理回収業に関する特別措置法」の通称。不良債権処理の促進・企業再生・安定した公金徴収など、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。法務大臣による許可制で、許可を受けた債権回収会社をサービサーという。
調査スタッフは全員がプロフェッショナル
●紹介による採用社員のみ
●定期研修・法改正研修を受講
約150名の調査スタッフは全て、グループ会社やスタッフの紹介による採用。充実した研修プログラムで接遇について徹底的に学び、法改正にも随時対応。訪問時の身なりについてもマニュアルで細かく規定されており、安心して任せられる。
まずはミニマムスタートも可能
調査のご依頼は30件程度から承ります。納付期限に合わせて、年4~5回に分けた調査も可能です。また、訪問調査以外に支払い案内業務や、収納代行事務業務などにも対応できますので、まずは気軽にご相談ください。
お問い合わせ
サービス提供元企業:ジェーピーエヌ債権回収株式会社
担当:営業部
TEL:03-6830-5180
住所:〒170-6053 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 53F
E-mail:uketsuke-j@jpn-servicer.co.jp