ジチタイワークス

大分県別府市

避難所運営の効率化と市民の安心を、システムの内製で実現する。

避難所の運営が難しくなっている。新型コロナウイルス対策による避難人数制限やオペレーションの複雑化、人員不足などが起こる中、住民を守るにはどうすればいいのか。システム内製でこれらの課題に挑む別府市の事例を紹介する。

※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]サイボウズ株式会社

コロナ禍で必要になった、避難所の“混雑状況”周知。

令和2年3月、新型コロナウイルス感染症の脅威が報じられる中で、同市の防災危機管理課は戦々恐々としていた。自然災害の発生と感染拡大が重なれば、避難所の混乱が予想されるからだ。また、避難所での感染を恐れて避難をためらう住民が出てくることも予想された。同課の河合さんは「密な状況を避けつつ、災害から一人でも多くの住民を守る。この矛盾をどう解決するかが課題でした」と当時を振り返る。

まずは住民が安心して避難できるようにと考え、これまで概ね4時間おきの更新だったWEBサイトでの避難者数公開を、1時間おきの更新に変更したという。しかし、複数の避難所から電話で報告された数字をエクセルに入力し、それをWEBサイトに反映させるという従来の作業フローでは、職員の負担が大きすぎる。一方で「“これから避難しようとしている人の数”も把握することで、住民が避難所の混雑を先読みできるようにしてはどうか」という声が出た。これらの課題解決を求め、河合さんらは情報政策課に相談。そこで得た返事が「kintone(以下、キントーン)で解決しよう」というものだった。

コロナ禍における避難所運営のリアル

感染対策のため、施設内のゾーニングとパーティションなどの設置、避難者の健康状態の確認と、その結果に応じた滞在区分への案内など、避難所運営の業務が増加・複雑化している。

求められるスピードに、システムの内製で応える。

キントーンは「サイボウズ」が提供する業務改善プラットフォーム。業務に合わせた様々なアプリを内製することができる。同市は平成30年に導入し、徐々に活用範囲を広げている段階だった。

令和2年6月に、避難所運営支援システムの開発に取りかかった情報政策課。まずはスピード重視で、“避難者数の入力と集計をキントーンで行う”という必要最低限の機能から走り出すことに。テストや改修を経て、同年7月6日に発生した豪雨での避難所開設時に、初運用を実現。このときWEBサイトの避難者数一覧は約4,700回閲覧され、市としても住民ニーズを実感したという。明田さんは「時間に追われる中、システム構築がスムーズに進んだので間に合いました。私は一般事務で入庁しており、プログラミング技術もないのですが、操作が簡単で助かりました」と語る。

その後も同課は休む間もなくシステムの機能追加に取りかかった。避難予定者数を住民側から入力可能にし、令和3年4月には、避難者の健康状態を記入する滞在区分評価票を事前入力できるように変更。受付時の混雑解消と、職員の負担軽減を図った。住民に“使ってもらう”工夫も必要だとの考えから、災害時には同市の公式LINEアカウントからのアクセスも可能にしており、その後も閲覧数は順調に増えているという。

庁内の多分野で広がった業務効率化の可能性!

開発と運用・テストを並行で進めるアジャイル方式を取りながら、住民ニーズへの対応と職員の負担軽減を実現する同市のシステム。進化は今も続いており、河合さんは「福祉避難所の判定シートや、罹災証明発行の来庁予約など、まだまだやりたいことがたくさんあります」と意欲的だ。

防災以外の分野でも業務改善の輪が広がっており、ワクチンのキャンセル待ち登録や地域商品券の予約システム、市の特産品の在庫・受注管理などにキントーンが活用されているという。「依頼は続々と来ますが、すぐにアプリをつくれるので片っ端から対応しています」と明田さんは笑顔を見せる。

なお、同市の避難所運営支援システムはオープンデータ化されており、キントーン導入済の自治体ならば、そのテンプレートを追加することで同じシステムを利用できる。すでにいくつかの自治体が導入済みだといい、河合さんは「今後も防災DXを積極的に進め、その分、高齢者などIT弱者への対応を手厚くし、地域全体の防災力を高めていきたいです」と結んでくれた。

別府市
左:防災局 防災危機管理課 主査
河合 亜留土(かわい あると)さん
右:企画戦略部 情報政策課 主任
明田 舞子(みょうだ まいこ)さん

別府市「避難所運営支援システム」の仕組み

住民はWEB上で避難所の混雑状況を確認し、避難予定者数を入力。評価票の入力も済ませておけば、受付時の混雑を避けられる。職員は自動判定された評価結果をもとに住民を案内し、実際の避難者数を入力すればOK。スムーズな誘導が可能になる。

データ公開への思い

システムの横連携で地域の課題をともに解決しましょう。

自治体の課題には多くの共通点があります。各自治体が個別に考えるよりも、連携した方がコストもかからず、より良いものがつくれるはず。全国でオープン化の動きを進め、課題を解決していきましょう。当市のシステムも一助になれば幸いです。

別府市 企画戦略部
部長参事(CDO)
浜崎 真二(はまさき しんじ)さん

「ガブキン」で地域連携を支援!

キントーンの自治体限定コミュニティ「ガブキン」も好評だ。「ガブキン道場」(セミナー)や活用例を集めた「自治体kintoneずかん」など多彩なコンテンツで地域をつなぐ。キントーン未導入でも参加が可能。

 

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サービス提供元企業:サイボウズ株式会社

住所:〒103-6027 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー27F
E-mail:cy-public@cybozu.co.jp

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