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【セミナーレポート】形だけのデジタル化から脱却!住民も職員も楽になるフロントヤード改革【DAY2】

情報政策
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【セミナーレポート】形だけのデジタル化から脱却!住民も職員も楽になるフロントヤード改革【DAY2】

オンライン申請や書かない窓口など、住民の利便性向上を目指して導入したはずの施策が、申請データの再入力や紙運用の併用により、かえって現場職員の負担を増やしてしまうといった経験はありませんか。その原因の多くは、窓口と庁内処理が分断されたまま、改善が部分最適にとどまっていることにあります。

そこで、本セミナーではフロントヤードの整備からバックヤードの見直しまで、各フェーズに応じた実践事例をご紹介。庁内業務の改善を通じて、職員の余力を生み出すヒントをお届けしました。

概要

■テーマ:形だけのデジタル化から脱却!住民も職員も楽になるフロントヤード改革
■実施日:令和8年8月20日(木)
■参加費:無料
■申込者数:157人

小規模自治体のオフィスと窓口改革例

最初に話を伺ったのは、北海道上川町の別所亘さん。上川町がフロントヤード改革に着手するまでの背景と、実証事業の内容、さらに振り返りまでを解説していただきました。

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【講師】

別所 亘 さん
北海道 上川町
健康ふくし課 福祉係長

平成26年入庁。総務課総務担当、税務住民課固定資産税、住民税担当、産業経済課農務水産係長と異動したのち、総務課総務財政グループ総務係長として自治体フロントヤード改革実証事業を実施。今年度より現職。

職員の働き方から変えてみる

上川町ではフロントヤード改革に先駆け、令和3年度からパイロットオフィス設置事業を進めていました。職員の端末をデスクトップから持ち運べるものへ変更し、フリーアドレスを導入。ハイテーブルやチェアなども置き、職員自ら壁を塗り直すなど、庁舎での働き方そのものを見直してきました。


その延長で窓口のあり方も検討していたところ、令和5年度にフロントヤード改革の実証事業が始まり、応募することになりました。そして応募後、オンラインにてヒアリングが実施され、当時の情報システム担当者が熱い思いを語ったところ採択に至ったという流れです。

採択後は「上川町フロントヤード改革プロジェクトチーム」を設置し、税務住民課や保健福祉課の職員にも多く参加してもらいました。

庁舎そのものを見直す

実証で取り組んだことの1つが「書かない窓口」です。マイナンバーカードや運転免許証、在留カードなどを読み取り、氏名や住所を申請書へ反映することで、住民の記入負担や職員の本人確認などを効率化しました。

また、町の公式LINEから住民票などを申請できるオンライン手続きシステムや、子育てに関する手続きを案内するAIチャットボットも導入しました。

さらに庁舎内では、町長の姿と声を使ったアバターによる「窓口総合案内AI」を設置し、来庁者の用件を聞いて窓口へ案内する仕組みも試しています。

このほか、2階に来客があった際に担当職員を直接呼び出せるクラウド受付や、キャッシュレスセルフレジも導入しました。


さらに庁舎空間を見直そうということで、京都工芸繊維大学の協力で庁舎内の目視調査を実施。その結果、案内や掲示物が多く、来庁者が「どこに声をかければいいか分かりにくい」ことが判明しました。そこで窓口に番号を付け、相談内容に応じたスペースをつくるなど、システムだけではなく庁舎空間そのものも見直しています。

「使われる仕組み」の難しさ

こうした実証を通じて、手続き時間の短縮など一定の効果は確認できました。一方で、ツールを入れればそのまま職員の負担が減るわけではないことも分かりました。例えば「書かない窓口」は、操作に慣れていない住民を職員がサポートする場面が多く、記載内容の修正は減っても、職員の業務量を大幅に削減するまでには至らないケースがあります。

実証から1年が経過した現在も、「書かない窓口」とセルフレジは利用を続けていますが、オンライン申請と子育てチャットボットは利用の広がりに課題があり終了しました。窓口総合案内AIは維持費、クラウド受付は通知方法などに課題があり、こちらも実証後は使用していません。また、セルフレジは対象となる支払いを広げ、庁舎レイアウトも改めて見直しています。つまり、実証した仕組みを全て残すのではなく、「本当に使われるか」「費用に見合うか」を見ながら取捨選択してきたということです。

フロントヤード改革では、これまでの窓口を変えることへの合意形成も必要ですし、デジタルには当然コストもかかります。それでも、実際にやってみたからこそ、「何が良かったのか」「なぜ使われなかったのか」「どうすればもっと使えるのか」を考えられるようになりました。

AIとデータ連携で変える自治体の申請・審査業務

第2部に登壇したのは、株式会社オプロの樋口耀一さん。申請データを庁内業務に的確につなぎ、受付から審査まで効率化する手法をはじめ、電子申請AIプラットフォーム「カミレス」を紹介していただきました。

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【講師】

樋口 耀一 さん
株式会社オプロ
金融・公共AI&DX営業部 シニアスペシャリスト

オプロ入社後、カスタマーサポート・セールスエンジニア(SE)を経験し現在に至る。セールスエンジニア時代には、提案~コンサルティングを実施し製品開発にも関与。現在は公共や金融のお客様を担当。

「全てを見る」から「確認が必要なものを見る」へ

現在は、申請が届けば職員が1件ずつ内容や添付書類を確認するケースが多いと思います。しかし、私どもが目指したいのは、仕組みやAIが事前に内容を確認し、不備や不整合の可能性がある箇所だけを職員へ示す形です。

もちろん、最終的な判断そのものをAIへ任せるわけではありません。AIが行うのは、添付書類から必要な情報を読み取る、申請内容と照合する、不足している可能性がある項目を示す、といった「確認の下準備」だけ。つまり、AIの役割は職員の代わりに決定することではなく、職員が判断すべき箇所を絞ること。「全ての申請を見る仕事」から「確認が必要なものを見る仕事」へ変えていくことが、1つの方向性だと考えています。

デジタル庁が発表しているダッシュボード情報によると、オンライン申請の実施率は92.9%と、住民からオンラインで申請を受け付ける環境そのものは広がっていることが分かります。一方、受け取ったデータを庁内に連携するといったデータ連携率は40.3%にとどまっています。

ここから、住民がオンライン申請した情報が庁内処理まで十分につながっていない状況が見てとれます。住民側は入力して送信すれば手続きが終わります。しかし庁内では、職員が申請を開き、添付書類を確認し、必要に応じて印刷してExcelへ転記し、さらに別のシステムへ入力。データで受け取っているにもかかわらず、次の業務でそのまま使えず、人が業務と業務の間をつないでいる状態が多いのです。

紙を画面に置き換えただけでは、確認に必要な時間まではなくなりません。見直すべきなのは「人が全ての申請を最初から最後まで確認する」という業務の前提ではないでしょうか。

自治体DXは一足飛びには進まない

そこで私どもは、まず紙中心だった申請の入口をオンライン化し、次に庁内処理までデータでつなぎ、その土台ができた上で、AIによる確認や判断準備の支援を加えるという段階を想定しています。大切なのは、AIだけを先に導入しないことです。どの職員が何を確認し、どこで判断し、どのシステムへ情報を渡しているのか。扱うデータや業務フロー、既存システムとの接続方法、運用体制まで整理する必要があります。自治体によって環境は異なるため、全てを一度に変えるのではなく、対象業務を選びながら進めることが現実的だと考えます。

申請後の業務までつなぐ「カミレス」

こうした申請後の業務までつなぐ仕組みとして、私どもは電子申請AIプラットフォーム「カミレス」を提供しています。申請の受付だけではなく、内容の確認、差し戻し、判定、決裁、庁内システムとのデータ連携、住民への通知までを1つの流れとして設計するものです。住民が入力した情報を、職員がExcelや別システムへ入力し直すのではなく、受付から通知まで同じデータを使い続けることで、転記にかかる時間や入力ミスの可能性を減らします。

例えば保育施設の入所申請のように、申請内容だけでなく勤務状況などの添付書類を確認する手続きでは、入口をオンラインにしただけでは多くの作業が残ります。そこで、申請と添付書類を1つの業務として扱い、AIが内容確認や条件整理、判定の下準備を支援し、最後は職員が確認して判断する。こうした役割分担を想定しています。

まずは効果が見込める1つの手続きから

全ての申請業務を一度に変える必要はありません。まず現在の業務を整理し、申請後までデータでつなぐ。その後にAIによる確認支援を加え、結果を確かめながら他の手続きへ広げていく。この順番が重要です。

何より大切なのは、オンライン申請を導入すること自体がゴールではないということ。住民から受け取ったデータを確認、判定、決裁、連携、通知まで使い続けてこそ、職員側の仕事も変わります。住民の利便性と職員の業務改善を別々に考えるのではなく、申請業務全体を1つの流れとしてデジタル化する。その先に、AIを実務で生かせる環境があると考えています。

申請はデジタル、処理は手入力のまま?AI-OCRで見直すバックヤード業務

第3部に登壇したのは、株式会社PFUの村上忠夫さん。デジタルと紙が混在する環境を前提に、受け取った情報を後続システムで使えるデータへ変えていくサービスについて紹介していただきました。

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【講師】

村上 忠夫 さん
株式会社PFU
ドキュメントイメージング事業本部 パートナービジネス統括部
ビジネスプロダクト販売推進部 部長

SEとして入社し、長年ドキュメント関連のお客様課題解決・システム提案に携わる。販売推進部門へ異動後は、現場視点を生かし、業務用イメージスキャナー・AI-OCR関連商品の販売推進に従事している。

紙を残したまま入力作業を減らす

オンライン申請を導入しても、後続業務は手入力のままではありませんか。その解決策として着目したいのが「AI-OCR」です。紙に書かれた文字を画像から読み取り、デジタルデータとして出力する技術で、AIの進歩により手書き文字も以前より高い精度で認識できるようになりました。

ただ、「100%正しく読めないなら、結局確認が必要では」と思われるかもしれません。実際、確認や修正は必要です。それでも、一から全て手入力する場合と比べれば、作業時間を大きく減らせます。

実際に弊社で検証したところ、手入力では1枚あたり356秒かかっていた作業が、OCRの認識精度80%の場合は174秒、90%では118秒となりました。認識精度が100%でなくても、それぞれ約50%、約70%の削減につながっています。

「DynaEye 11」とは

では、弊社のAI-OCR製品の「DynaEye 11」について紹介します。パソコンにインストールして利用するオンプレミス型の製品で、スキャナーで読み取った画像はもちろん、外部からPDFやJPEGなどの画像が送られてきた場合も取り込むことができます。

読み取った後は汎用的なテキスト形式のCSVファイルになるので、そちらを業務システムに取り込んで使うソフトウェアです。おかげさまで、OCRのパッケージソフトウェアとしては国内のシェアNo.1※をいただいており、これまでに累計8,500社以上に利用していただいています。

※「OCRパッケージソフトウェア 国内シェアNo.1」は、「DynaEyeシリーズ」を対象とする、富士キメラ総研「ソフトビジネス新市場2026年版」<2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)>(提供形態:パッケージソフトウェア)の日本国内における集計に基づく。

以下のような手書き文字、活字、バーコードなど幅広い文字種を認識できるのが特長です。

150時間の作業を約80時間に

実際の自治体での活用例をご紹介します。石川県かほく市の任意予防接種費用助成事業では、申請書に記載された氏名や金額、口座番号など最大67項目を職員がExcelへ手入力していました。インフルエンザが流行する時期には月300~400人分を処理するため、通常の担当者に加えて入力担当者を配置。金額を扱うことから、入力と確認を2名体制で行うなど、精神的な負担も大きかったそうです。

そこで、紙の申請書をスキャンし、AI-OCRで読み取ってCSVへ出力する流れに変更しました。結果を確認した後は、Excelの管理台帳へ転記します。すると、以前は約150時間かかっていた処理が約80時間となり、70時間の短縮につながりました。紙をなくしたわけではありませんが、紙からデータへ変換する部分を効率化することで、業務全体では60%の改善を実現しています。

乳幼児健診では、紙の問診票から必要な項目をExcelへ手入力していたそうですが、月約80人分、約40時間を要し、日中の健診業務を終えた後に入力したり、会計年度任用職員へ依頼したりしていました。そこで、こちらもAI-OCRを導入したところ、月16時間まで短縮し、割合にして60%を削減できています。

また、「DynaEye 11」では、確認作業そのものを減らすため「ベリファイOCR」という機能も用意しています。これは、1つの項目を2つのOCRエンジンで読み取り、双方の結果が一致すれば確認を省略し、不一致の項目を中心に職員がチェックする仕組みです。全項目を再び目視するのではなく、「見るべきところだけを見る」形に変えることで、確認にかかる時間も抑えられます。

さらに「DynaEye 11」はインターネット接続を必要としないオンプレミス型で、庁内パソコンで処理を完結できます。処理枚数による従量課金もないため、繁忙期に読み取り件数が増えても費用が変動しにくい点が特長です。

紙をなくすことだけがDXではない

加えてDynaEyeシリーズには、給与支払報告書に特化した製品もあります。

例えば北海道留萌市では、100を超える項目がある給与支払報告書を手入力していましたが、専用のAI-OCRを使い、夜間に読み取り処理を実施。翌朝にはデータを確認して税務システムへ取り込める運用に変更しました。紙原本を探して照合する作業も不要になり、正職員5名の体制で約6,000枚を処理できるようになりました。

「DynaEye 11」の無料トライアル、業務用スキャナー「fiシリーズ」のデモ機貸し出しサービスも用意していますので、興味がある方はぜひお問い合わせください。

窓口DXのリアル ~成功のカギはバックヤード改革~

第4部に登壇したのは、宮崎県延岡市の原岡宏樹さん。出産や子育てなど12手続きを対象にしたフロントヤード改革の背景やその狙いについて、また、その後に得られた効果について解説していただきました。

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【講師】

原岡 宏樹 さん
宮崎県 延岡市
総合政策部 情報政策課 主任主事

1989年宮崎県生まれ。2014年延岡市役所入庁。4年間、総務部納税課にて勤務。2018年より企画部情報政策課に配属、2024年よりスマートシティ推進室を兼務。2026年、総合政策部情報政策課にて勤務中。

「使ってもらえる人」からオンライン化する

延岡市は「出産・子育て関連の12手続きを対象にしたフロントヤード改革」を進めました。対象に子育て分野を選んだ理由はいくつかあります。行政手続きにかかる身体的・時間的な負担を減らしたいことに加え、過去の業務量調査で業務数や作業時間が多く、定型業務の比率も高かったため、改善効果が見込めると思ったからです。

さらに今回の取り組みは、スマートフォンからのオンライン申請が起点です。子育て世代は比較的デジタルに慣れている方が多いため、児童手当や保育施設、児童クラブなど12手続きを対象にしたという経緯があります。最初から全ての住民に同じ方法を使ってもらおうとすると、なかなか前に進みません。まず利用しやすい層に使ってもらい、実績をつくる。その考え方で取り組みを始めました。

今回、特にこだわったのがバックヤードです。オンライン申請だけでなく、紙で届いた申請もAI-OCRでデータ化し、「minnect申請管理」システムに集約、どの入口から申請されても、同じシステム上で管理できるようにしました。そこから基幹システムの情報と照合して審査し、結果は「のべおかポータル」へ電子通知する流れです。

業務効率化につながったポイントの1つが、形式審査の自動化でした。これまでは職員が申請書と基幹システムを1件ずつ見比べていましたが、こちらでは申請項目と基幹データを自動で突合します。不一致があった場合も、基幹システム側の情報を画面に表示し、ボタン操作で申請内容へ反映できるようにしました。

もう1つが電子通知です。印刷や封入、発送といった作業が不要になり、送信履歴もシステム上に残ります。通知を送ったかどうかだけでなく、開封状況まで確認できるため、事務処理ミスの防止にもつながりました。

どんな効果が得られたのか?

特に利用が多かった保育所入所申請と児童クラブ加入申請では、対象約4,500件のうち約3,800件がオンラインとなり、全体の利用率は85%。それぞれの手続きでは87%に達しました。

審査にかかる平均作業時間も、1件あたり8分から約5分へ短縮し、38%削減しています。

さらに大きかったのが、結果を通知する時期です。保育所入所では従来3月末だった通知を1月末へ、児童クラブも2月末へ前倒しできました。保護者にとって、保育所に入れるかどうかが早く分かれば、育休からの復帰や仕事の予定も立てやすくなります。窓口で丁寧に対応することだけが住民サービスではありません。「結果を早く返す」ことも、大きな利便性向上だと感じました。

改革は始めた直後が一番大変

一方で、改革によって最初から仕事が楽になるわけではありません。BPRの段階では現状の業務を洗い出し、新しい運用を考えるため、一時的に負荷が増えます。システム稼働直後には、従来との違いや想定外のトラブルも出てくるでしょう。そこを越えて新しい方法に慣れ、業務が定着して初めて負荷が下がっていきます。だからこそ、短期的な結果だけで成否を判断しないことが重要だと考えます。

これから取り組む自治体には、まず何を解決したいのかを明確にし、優先順位をつけてほしいと思います。そして体制だけを整えるのではなく、「本気で変えたい」と考えるキーマンを見つけること。バックヤード改革が「やらされ仕事」になってしまえば、成果は出にくくなります。

私自身、今回は人に恵まれたと強く感じています。ベンダーさんにも上司にも後輩にも非常に恵まれました。例えば、一緒に業務を進めてくれた後輩は本当に活躍してくれたんです。こうした熱量のある方が今後の市役所を変えてくれるのではないかと期待しています。

迷わず、たどり着ける。AIチャットボットがつくる「手続きの入口」

2日目の最後に登壇したのは、ジチタイワークスと提携している株式会社ジーニーの加藤叔さん。オンライン申請の入口を整えるAIチャットボットの使い方について解説していただきました。

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【講師】

加藤 叔 さん
株式会社ジーニー
JAPAN AI Vertical事業開発
AI BPO/業種特化ソリューション/公共・自治体担当

2021年に株式会社ジーニー入社。アドプラットフォーム事業において、自社開発のアドネットワーク・DSP・SSPを通じた広告運用およびメディアの収益拡大支援に約4年間従事。2025年11月よりグループ会社である株式会社JAPAN AIにて生成AIサービスの営業を担当。2026年6月から、自治体向けAIチャットボットの提案活動を開始。

※株式会社ジーニーは、株式会社ジチタイワークスと自治体向けソリューションの提供に関して提携しています。

オンライン申請の入口を整える

自治体のホームページには膨大な情報が掲載されており、その中から自分に必要な手続きを探し出すことは、住民にとって1つのハードルになっています。

例えば、引っ越しが決まったとしても、「どんな手続きが必要なのか」「どこで申請するのか」「オンラインで済ませられるのか」など全てを把握している方ばかりではありません。分からなければ電話で問い合わせる、あるいはとりあえず窓口へ行く。結果として、オンライン申請が用意されていても従来の行動が続いてしまいます。
オンライン申請の仕組みや案内ページを整えていても、住民がそこまでたどり着けなければ利用にはつながりません。

そこで私どもが考えているのが、AIチャットボットを使って住民の疑問から必要な手続きを整理し、申請・案内ページまで導くことです。

従来のチャットボットには、あらかじめ設定した選択肢をたどって回答へ誘導する「シナリオ型」が主流でした。これは分かりやすい反面、想定していない質問や相談をされると適切に答えられなかったり、ホームページを更新するたびにシナリオの調整が必要になったりします。

一方、AI型は質問の意味を踏まえ、その場で回答を生成します。「引っ越しの手続きを知りたい」でも、「引っ越すことになりました。何をすればいいですか」でも、それぞれの質問の意図をくみ取り必要な情報を案内します。さらに対話を重ねながら、前の会話の文脈を踏まえて回答することも可能です。

例えば住民から「引っ越しの手続きを知りたい」と質問があれば、転入・転出に必要な書類や窓口、手続きの流れなどを案内します。さらに「オンラインでできますか」と聞かれれば、その情報をもとに回答し、関連する案内ページや申請フォームへのリンクも示せます。回答には参照元となるページを示すこともできるため、住民自身が元情報を直接確認することもできます。また、サイトに掲載されていない情報については回答を控え、別の案内につなげる設計も可能です。

職員の更新負担も抑えることが出来る

AIチャットボットは時間帯を問わず利用できるのもポイントです。仕事や子育てを終えた夜間や、休日に手続きを調べたいという住民にも、その場で案内が可能なのです。ホームページ上の情報をもとに回答を生成するため、シナリオ型のように回答パターンを個別に更新する負担も抑えられます。

契約から本番環境への実装までは、約1~2カ月程度で整い、稼働後も回答内容を分析しながらチューニングや改善を行います。

申請フォームそのものを増やすのではなく、そこへ迷わずたどり着ける入口をつくる。住民の言葉を受け止め、必要な情報を整理し、手続きまでつなぐことがAIチャットボットの役割だと考えています。既存の行政サービスを「見つけてもらい、使ってもらう」ところまで設計することも、フロントヤード改革の重要な視点ではないでしょうか。


お問い合わせ

ジチタイワークス セミナー運営事務局
TEL:092-716-1480
E-mail:seminar@jichitai.works