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ドレン排水の“雨水扱い”で、脱炭素化の可能性が広がる

環境・エネルギー
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ドレン排水の“雨水扱い”で、脱炭素化の可能性が広がる

省エネに向けたドレン排水処理区分の見直し推進活動

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネ給湯機の普及に注力する「ガス石油省エネ給湯機普及促進会議(通称:スマいる給湯プロジェクト)」。同プロジェクトの事務局を務める「日本ガス石油機器工業会」の担当者が、今の課題を語る。

※下記はジチタイワークスINFO.(2026年9月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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ガス石油省エネ給湯機普及促進会議(日本ガス石油機器工業会)
ドレン施工WGリーダー
北川 国義(きたがわ くによし)さん

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ガス石油省エネ給湯機普及促進会議(日本ガス石油機器工業会)
WG担当事務局
河東 亮(かわひがし りょう)さん

省エネ給湯機の普及促進にはドレン排水の扱いが一つのカギになる。

国が“2050年カーボンニュートラル”を宣言してから約6年。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの実質的な排出量を2050年までにゼロとする目標の実現に向け、各自治体にも温室効果ガスの排出量削減のための取り組みが求められている。

家庭におけるエネルギー消費量の約3割を占めるとされるのが“給湯”だ。多くの給湯機が化石燃料由来のエネルギーを使うため、エネルギー効率が高い給湯機の普及が、温室効果ガスの排出削減に直結する重要な省エネ施策の一つとなっているという。「省エネタイプのガス給湯機である潜熱回収型給湯機(エコジョーズ)は、お湯を沸かす際に出る排気熱を捨てずに利用することで効率性をアップ。従来のガス給湯機よりも二酸化炭素排出量が13~14%ほど削減されます。しかし、この省エネ給湯機を使用する際に出るドレン排水(※1)と呼ばれる水の扱いが、普及の際のハードルになっているのです」と河東さんは語る。

ドレン排水は本来、下水道法によって“汚水”に分類されている。しかし国は同給湯機の普及が省エネ・脱炭素化につながることから、安全性も確認したうえで、平成24年、同排水を“雨水扱いとすることも可能”とするガイドラインを発出した。それぞれの自治体が独自に運用基準を定め、同排水を雨水と同様に処理することができるようになったという。

※1 潜熱回収型給湯機などを使用する際に出る凝縮水(結露水)のこと


※2 全国の市町村(北方領土の6村含む)+東京都の特別区の合計


国のガイドラインの認知を広げドレン排水を雨水と同じ処理に。

資源エネルギー庁によると、ドレン排水の雨水扱いを認めている自治体は、全体の約4割。世帯数ベースでは約75%を網羅するという。北川さんは「国のガイドラインは示されたものの、その後の対応は自治体によって異なっています。ガイドラインの発出から14年経過していることを考えると、この数字はまだまだ低いと思います」と実感を口にする。

雨水扱いの場合、雨どいや側溝への排水処理で済む。一方、汚水扱いの場合は、汚水ますなどへの接続工事が必要で、雨水として処理する場合と比べて工事の難度や費用が高くなる傾向がある。「自治体の運用変更によって排水処理に伴うコストが下がれば、住民にとってはこの種類の給湯機の導入や省エネ実践の後押しになります。また、雨水扱いとしている自治体については、同庁や当工業会がホームページで公開していることから、自治体からすると“脱炭素”に力を入れていることのアピールにもなると思います」。さらに、自治体ホームページにも公表することで、雨水扱いが可能な地域かどうかといった問い合わせが工事業者から入ることが減り、職員の負担軽減も期待できるという。

安全性に十分配慮しながら脱炭素社会の実現を目指す。

平成24年にガイドラインが発出される背景の一つとなったのが工業会による委託試験。これによって同給湯機から出るドレン排水の安全性が確認されたという。「この排水自体は酸性ですが、このタイプの給湯機には中和器が内蔵されており、水道水と同じpH7程度に中和してから排出されます。そのため、環境への負荷を軽減できるのです。排水量は1日に0.5Lから1.5Lほどで、処理量としても大きな影響はないとされています」。

プロジェクトは、ガス石油省エネ給湯機の普及を通じて、温室効果ガスの排出量削減に貢献する目的で設立された。「汚水から雨水へのドレン排水の取り扱い変更が自治体の中で進まない背景には、国のガイドラインが十分認知されていないことに加え、“対応方法が分からない”“変更が不安だ”という理由もあると推測しています。プロジェクトとして、この排水の取り扱い変更に関する情報発信に力を注ぎ、潜熱回収型給湯機普及の土壌をつくることで、社会全体の脱炭素化に貢献していきたいですね」。



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