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窓を活用した太陽光発電で、雪が降っても発電を続ける

窓を活用した太陽光発電ガラス
積雪地域では、冬になると太陽光パネルが雪に埋もれて発電が妨げられ、除雪の手間もかかる。旭川市はリサイクルセンターを新設する際、窓面を活用できる建材一体型の太陽光発電ガラスを採用。冬でも安定的に発電しているという。
※下記はジチタイワークスVol.46(2026年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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旭川市
環境部 清掃施設整備課
課長補佐 田村 尚之(たむら なおゆき)さん

旭川市
環境部 清掃施設整備課
主査 関本 浩介(せきもと こうすけ)さん
パネルに雪が積もると発電が行われず雪下ろしの手間もかかってしまう。
同市は令和3年にゼロカーボンシティを表明。老朽化した既存施設の後継としてリサイクルセンターを新設するにあたり、脱炭素の視点を取り入れることを検討していたという。「旧施設では、小学校の社会科見学や町内会など、年間3,000人規模の見学実績がありました。そこで、新施設にも環境学習の参考になるしかけを取り入れられたらと考えていたのです」と関本さんは振り返る。
注目したのは市民にもなじみのある太陽光発電だったが、同市は特に豪雪地域であることから懸念があったという。「据え置き型パネルだと、冬は雪に埋もれて発電しにくく、毎日のように雪下ろしの手間が発生します。また、屋根に設置する場合はパネルと雪の重さによる建物の耐荷重が問題になり、積雪時のメンテナンスにも手間や費用がかかります。冬の発電は期待できない状況でした」。
加えて、雪の課題はあるものの、据え置き型を導入する家庭も多く、インパクトの面でも物足りなさを感じていた。新施設だからこそ、見学者の目を引く話題性のあるものを求めていたそうだ。



窓に発電ガラスを設置すれば冬でも発電が見込めると期待。
冬場の発電や、維持管理のしやすさ、市民への啓発などを模索していた同市。新施設の設計を担当していた設計事務所から提案を受けたのが、大手ガラスメーカーの「AGC(エージーシー)」が展開する建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール®」だった。同製品は次世代型太陽電池の一つで、窓や外壁など垂直な面に設置できる。採用されたのはSUDAREタイプで、太陽光を電気に変える発電セルがすだれ状に並び、セルの間から視線や光を通す製品だった。「冬場の発電が見込める上、据え置き型の課題を解消できると思いました。見た目のインパクトもあり、環境学習にも役立つのではと期待しました」。
早速、導入に向けて、財政部局と協議を重ねた。「当初は国か北海道の補助金の活用を考えていました。ところが補助金で事業費の全額を賄うことが難しく、残額を一般財源で補うには負担が大きいと判断したのです。そこで、毎年の負担を平準化できる地方債の活用を考えました。脱炭素化推進事業債を活用し、事業費の90%を賄うことにしたのです」と田村さん。また、財源だけでなく、導入の意義も丁寧に説明したそうだ。「見学者に脱炭素の取り組みをアピールできること、窓と一体化した同製品なら冬でも発電が見込めることを伝えて、理解を得ることができました」。

季節を問わず安定的に発電し見学者からも注目されている。
令和5年3月に着工し、令和7年10月に施設をオープン。2階の窓面に設置した同製品の電力は、研修室やホールなどの照明の電力として使われている。「冬もコンスタントに発電していて、非常によかったなと感じています。垂直面への設置のため、日照時間が短い冬期でも光の入射角が合い、安定して発電しています」と関本さん。
見学者に発電状況を分かりやすく伝える仕組みとして、窓の前にはモニターを設置。画面では、当日や当月の発電量などが確認できる。「“今日はこれだけ発電しているんだな”“曇っているから、あまり発電していないね”といったように、興味をもって見てもらえているようです。窓ガラスに顔を近づけて、じっくり発電セルを観察する人もいると聞いています」。このように市民の関心を集めている同製品を、今後も施設見学でのPRに役立てていくという。
積雪地域での太陽光発電の導入に悩んでいる自治体も多いだろう。同じ課題に向き合ってきた立場から、関本さんはこう呼びかける。「冬も発電できることが分かり、手応えを感じています。再エネ導入の一つの選択肢として検討してみてもいいのではないでしょうか。機会があれば、ぜひ当施設に見学に来てもらえたらと思います」。


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