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無理のない校務DXに向けて、段階的に環境を整備する

既存環境を活かして導入できるセキュリティ基盤
教育現場の働き方改革を支える校務DXにおいては、校外でも安全に接続できるネットワーク環境の整備が急務となる。しかし、現状を一気に変えると現場の負担が大きい。そこで、無理なく移行できるセキュリティ基盤があるという。
※下記はジチタイワークスVol.46(2026年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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日本電通
エンジニアグループ
岡本 浩二(おかもと こうじ)さん
必要だと分かっていても難しい教育現場のセキュリティ強化。
令和5年、文部科学省は「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」を公開した。この中では、次世代の校務DXを支えるICT環境について、“ゼロトラスト”(図示参照)の考え方にもとづき、アクセス制御を前提としたネットワークに移行することが記されている。校務DXで目指しているものの一つは働き方改革。しかし、個人情報を扱う教育現場でリモートワークを行うためのセキュリティ強化は、簡単ではないという。「リソースが限られる多忙な教育現場で、校務DXやゼロトラストに対応するのは大きな負担です。安全性を担保しつつ学校外からアクセスできるようにするには、課題が多くあります」と話すのは、「日本電通」の岡本さん。同社はICTインフラの構築から運用・保守までを一貫して手がけ、教育委員会をはじめとする公共分野のDX推進を支援している。
教育現場に多いのは、サーバーを校舎など施設内に設置するオンプレミス型のネットワーク構成。この場合はゼロトラストの通信方式に対応していないケースがあるため、システムとネットワークを大きく変更しなければならない。しかしそれにはコストや時間がかかり、教職員にも負担がかかるという。「そうした課題を抱えている教育委員会から相談を受け、どうにか対処できないかと考えました。その結果、ゼロトラストへの段階的な移行が適切だと判断したのです」。そこで同社が提供したのが「シスコ セキュア アクセス」だった。

既存環境を活かした移行で現場の負担を最小限に抑える。
同製品は、誰がどこから何にアクセスしたかを一括管理し、不正アクセスを防ぐセキュリティ基盤。通常はツールごとに管理画面が分かれていることが多いが、同製品では一つの管理画面でアクセス状況などが確認できる。さらに、現行の接続環境をそのまま活かしながら、段階的にゼロトラストへ移行できる点も強みだという。「同じソフトウェアを使いながら裏側だけ切り替わるので、教職員の作業に影響はなく、柔軟に移行できます。校務が多忙な中、新しい使い方や管理方法を覚えることは負担になりやすいでしょう。一気に変えずに、デバイス更新のタイミングや予算に合わせて進められることがメリットです」。
導入した教育委員会が管理する公立学校は25校あり、ユーザーとなる教職員は約2,000人。学校現場で使うデバイスの種類が複数あり、端末ごとに動作環境が異なる状況だった。そのため、デバイスごとにアクセスルールを設定したいとの要望が。一般的には組織ごとにルールを設けるため、基本機能での対応が難しかったという。同製品の技術支援を専門とする「ネットワンパートナーズ」の検証サービスを活用し、アクセスと運用のルールを組み合わせることで、要望に応える環境を構築した。令和8年1月から本格運用している。
無理のない変化を積み重ねて安全な校務環境を目指す。
校務DXやゼロトラストをスムーズに進めるために、一気に全てを変えるのではなく、段階的に近づけていくことが、現場にとって有効なのだという。「本来の業務に支障が出るほどの大きな改革は、本末転倒になりかねません。また、新しいことへ取り組む際には困り事も発生しますが、段階的に進めることで対処しやすくなります。学校や組織、ユーザーによってICT環境は多種多様で、規模や目指す状態などで要望も異なるものです。現場の声を聞き、個別のリクエストに応えていきたいと考えています」。
同社はほかの自治体の教育委員会からも相談を受けており、今回の事例を展開して進めているそうだ。現在の環境を活かしつつ、より高次元のセキュリティ環境を構築していく同製品。“変えたくても変えられない”現場の悩みに寄り添う、心強い選択肢になるかもしれない。

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